私のトレーニング方法


 現在,私が実施しているトレーニング方法やその考え方についてまとめてみました。これまでの経験と書籍等の知識から考えた私個人の見解ですので,間違いなどもあるかと思います。ご意見等メール頂けると幸いです。





目 次

  1. トレーニングと筋力向上について
  2. サイクルトレーニングついて
  3. 練習フォームについて
  4. 練習レップス数について
  5. 練習セット数について
  6. 私のトレーニングメニュー
  7. 補助トレーニングについて
  8. 集中力について
  9. 素質について
  10. スクワットのフォームについて
  11. デッドリフトのフォームについて
  12. ベンチプレスのフォームについて
  13. 計画的なトレーニングはなぜ重要か?
  14. トレーニング種目は頻繁に変えるべきか?
  15. トレーニングでの怪我について
  16. 軽い重量でのトレーニングは必要か?
  17. ロシアンルーティン



トレーニングと筋力向上について



 パワーリフティングで記録を伸ばすためには,筋力を強化しなければなりません。 筋力の強化は2つの方法から実現されると考えています。

 (1)神経系の改善
 (2)筋量の増大

 (1)は挙上に最適なフォームを修得すること,さらにそのフォームで使用する各筋肉の筋繊維の動員数を増やすことです。最適なフォームとは,その人の骨格や筋肉・腱の配置から,バーバルを動かすのに最も仕事量の少ない体の使い方を実現するものであり、同じ筋量でも挙上重量をアップできます。さらに、同じフォームで繰り返し練習することで体がこのフォームに慣れ,動員できる筋繊維の数を増すことができ,これによっても筋力が向上します。

 (2)は筋繊維を肥大させて,筋肉自体の力を向上させることです。

 次にそれぞれの効果を発揮するための練習方法を考えてみると下記のようになります。

 (1)できるだけ多くの反復練習を行う。
 (2)強度の高い練習で筋繊維を破壊し,
   その後は十分に休息をとり超回復を引き起こす。

 (1)の極限の方法がいわゆるエブリタイムトレーニング法であると思います。私も1ヶ月間週5日ベンチプレスを行ったことがあります。確かに効果はあり,3週間でMAXが5kg程度伸びました。しかし、3週間をすぎると疲れがたまり,かえって記録が落ちるようになりました。

 (2)の極限の方法がいわゆるヘビーデューティートレーニング法であると思います。この方法は試したことはありませんが、ドリアン・イエーツの体を見れば効果があることは間違いないでしょう。しかし、ヘビーデューティー法はセット数が少なく,また練習頻度も少ないため(1)の練習方法とは相反します。マイク・メンツァーがマシンを使ったトレーニングを勧めていたのも,フォームを修得するための(1)の部分を省くためであると解釈できます。

 (1)だけでは疲労が溜まり,筋量を向上できません。(2)だけでは神経系を鍛えることが困難です。この両者を両立させるのが,パワーハウスの吉田進さんが,その著書『パワーリフティング入門』や最近の月刊ボディビルディングの『パワーリフティング特別講座』で紹介しているトレーニング方法であると思います。限界まで追い込むのは週1回だけ、さらに軽い重量での練習も週1回行う方法です。この軽い練習日は,アクティブ・レストと呼ばれるもので,筋破壊ではなく,神経系のトレーニングを目的とするものです。この方法では、筋肉の回復期間を1週間と十分に確保するとともに,神経系の機能も向上させることができます。

 私は,この方法を知る前には,1つの筋群は週2回以上限界までトレーニングする必要があると信じていました。しかし,記録が長い間停滞してしまい,これが自分の限界であると半ばあきらめていました。それが、週1回だけ追い込むこの方法を採用してからは記録も伸び始め,オーバーワークの怖さ,筋肉を十分に回復させることの重要性を改めて実感しました。

 扱う重量が増えてくると、1週間間隔のトレーニングでも疲れを完全に取り除くことはできなくなります。また、同じトレーニングの繰り返しでは、記録の向上が難しいこともわかっています(『一般適応症候群(GAS)理論』によります)。これらを避けて記録の伸ばし続ける方法にピリオダイゼーション(トレーニングを周期化すること)というシステムが考案されています。また、その具体的なトレーニング方法としては、サイクルトレーニング(次章で説明します)がパワーリフターが一般的に実施している方法です。私も、サイクルトレーニングを実施することによって、記録の停滞を避けています。





サイクルトレーニングについて



 サイクルトレーニングは,パワーハウスの吉田進さんが,月刊ボディビルディングの『パワーリフティング特別講座』で紹介していたトレーニング方法です。パワーリフターが一般的に行っている練習方法であり、大変効果的です。

 たとえ,毎回のトレーニングで限界まで追い込んだとしても,人間の体は同じ刺激には適応してしまい,筋破壊が起きにくくなります。また、同じトレーニングの繰り返しでは精神的な燃え尽き状態に陥りやすく,オーバーワークの原因となります。

 そこで,2ヶ月程度の期間で重量・挙上回数を変化させて,上記の問題を解決しようとする方法がサイクルトレーニングと言われるものです。サイクルトレーニングに関する一般的なお話は『サイクルトレーニングについて』のページで紹介します。

 私が現在採用している方法は下記のルーチンです。下記のルーチンの重量は経験的に割り出した重量であり,調子を見ながら変えててゆくつもりです。1サイクルでほぼ間違いなく2.5kgは記録を伸ばせます。調子の良いときには1サイクルで5kg伸ばしたこともあります。2.5kgというと微々たる感じがしますが,1年間で4サイクル行えば10kg,3種目で30kg伸びることになり,結構すごい効果であると思います。

 なお、本番セットの前には3〜4セットのアップを行っており,怪我の防止を心がけています。また、本番セットの間隔は,パンプが十分にひいて乳酸が除去されたと感じる程度(3分〜10分くらい)を心がけています。





練習フォームについて



 練習時のトレーニングフォームですが、私の中では2つの考え方があるように 思っています。

 (1)試合時とできるだけ同じフォームでトレーニングを行う。
 (2)試合時のフォームにこだわらず,できるだけ重い重量を
   使用できるようなフォームでトレーニングを行う。

 (1)の長所は,トレーニング時と試合時で扱う重量に差がないこと,さらにフォームもほとんど同じであるため大会でのミスが少なくなることです。

 (2)の長所は,高重量を扱うことでより大きな刺激を筋肉へ与えられることです。
 パワー3種目で考えると,スクワットとデッドリフトでは試合時のフォームが,すなわち高重量を扱うフォームであり、(1)(2)の差はほとんどないと思います。それに対して,ベンチプレスではお尻を浮かす,胸でのバウンドを利用するなど試合時に禁止されている事項によって重い重量を扱うことができます。したがって、練習方法で(1)(2)のような 大きな差が生じるのはベンチプレスということになります。

 では、(1)(2)のいずれの方法がより良い練習方法なのでしょうか?

 月刊ボディビルディングの『パワーリフティング特別講座』では、(1)の方法が勧められていました。それによっても、大きな効果を挙げられると思います。しかし、私は経験的にこれに反した(2)の方法を採用しています。もともとボディビル指向だったこともあり、以前はブリッジも組まず、ストリクトにこだわってベンチプレスを行っていました。しかし、記録はなかなか伸びずベンチプレスに対する自分の限界かなぁ,と半ばあきらめたところもありました。そこで、自分の中の常識に反することもやってみたくなり、お尻を浮かせたり,胸のバウンドも使って高重量+爆発的挙上にこだわったトレーニングを行ってみました(レップ数は8〜10回です)。その結果,記録の壁を打ち破ることができ現在にいたっています。まだ、この方法で記録が伸びそうですので,もうしばらくは高重量にこだわった(2)の方法を続けて行こうと考えています。

 自分なりに(2)の方法で記録が伸びた理由を考えると以下のようになります。

 (1)バウンドを利用することで高速でベンチプレスができるため、
   乳酸が溜まる前に1セット行うことができる。
   したがって,筋肉を十分に破壊することができる。
 (2)お尻を浮かせたフォームによってブリッジを鍛えられる。
   私は体が固めでブリッジが苦手でしたが、この方法で幾分
   改善されました。
 (3)高重量を扱うことで大きな刺激を筋肉へ与えることができる。
   スティッキングポイントはティーチングでカバーするため,
   高重量を扱える可動範囲内では大きな刺激が得られます。

 (1)については、神経系の面からもセットは短時間で終えた方が良いようです。(月刊アイアンマンのピリオダイゼーション記事の中にセットに対する集中力は10秒程度しかもたない,という記述がありました。)

 試合での記録が伸びる練習フォームが良いフォームである、と思いますので,ひとつの型にこだわらず,記録が停滞したらいろいろな練習フォームを試してゆくつもりです。



練習レップス数について



 私は,レップス数による差異を経験的に下記のように感じています。

 (1)6回以下
   高い集中力が必要,フォームが乱れると挙上が困難になる。
   練習後の筋肉のパンプ感は薄い。
 (2)6回〜12回
   多少のフォームの乱れは挙上中に修正できる。
   練習後の筋肉のパンプ感が強く,張りが継続する。
 (3)12回以上
   筋肉よりも心肺機能が先に悲鳴をあげる。

 練習時のレップス数は、一般には8〜10回が適当であると言われています。私もこの説は正しいと信じています。その理由ですが,例えば6回挙上したあとにもう1回挙上するのはほとんど不可能ですが、10回挙上する場合であれば、根性(または気合いでしょうか)でもう1回挙上することも可能であると思います。それは、1回当たりの強度が少ないために,もう1回の挙上が比較的容易であるからです。したがって,10回程度のレップス数でトレーニングをして,前回の練習日よりも1回ずつ挙上回数を増やして自分の限界を越えてゆくことが筋量増加の近道であると思います。

 トレーニング記録をしっかりノートにメモしておくことも,次回の練習における目標が明確になること,その重量が必ず挙上できるという自信が生まれること,といった点で大変重要であると思います。



練習セット数について



 練習におけるセット数ですが、アップを除いた本番のセット数は2セットが適当ではないかと考えています。経験的な話になりますが、時間がなくて1セットしかできなかった場合と,2セットやり遂げたときではその後の筋肉の張り具合が全然違います。筋肉の奥の方まで刺激が行き渡っているように感じます。

 1セット目で限界と思っても,少し休憩時間をとって筋肉に溜まった乳酸を追い出し,気力を回復させれば,2セット目はなんとか完遂できるものです。おそらく、1セット目で神経系が整備されて,フォームや筋肉の動員の仕方が改善されることにより、筋繊維がダメージを受けている2セット目においても,1セット目と同程度のレップス数をこなせるようになるのだと考えています。したがって,2セット目まで頑張れば筋繊維をほとんど刺激できると思います。しかし、さらに3セット目となると気力が持ちませんし、力も2セット目ほど出ないようです。

 ただし、1セット目で本当の限界を迎えた場合(その後どんなに時間をおいても気力が戻らないとき,または1セット目で筋肉が十分刺激を受けたと満足できるとき)には,無理せず,2セット目は行わないようにしています。オーバーワーク対策になっていると思っています。




私のトレーニングメニュー



 私が現在実施している練習メニューです。平日は残業が多く,また昼休みも打ち合わせが入ったりとトレーニングが実施できなくなりました。また、土曜日は臨出となることが多く、日曜日は子供と遊ぶようにしているため、唯一自分の時間を確保できる日曜日の早朝にジムへ行って全身のトレーニングを週1回実施するようにしています。

 厳密にサイクルトレーニングを組んではいませんが、仕事疲れでパワーが出ないときは軽めにし、調子が戻ってきたときは少しずつ高重量を扱うようにしており、できるだけサイクルトレーニングに近づける努力はしています。

曜日トレーニング内容セット数
月曜OFF
火曜OFF
水曜OFF
木曜OFF
金曜OFF
土曜OFF
日曜(早朝)スクワットアップ2セット
本番 2〜3セット
ベンチプレスアップ2セット
本番 2〜3セット
インクラインベンチプレス(マシン)2セット
パラレルバーディップス3セット
チンニング3セット
プレスダウン3セット
バーベルカール3セット




補助トレーニングについて



(参考資料:『パワーワールドニュース』7月号,パワーハウス発行)

 パワーリフティングの3種目を強化するためには、この3種目をしっかりやりこむしかありません。しかし、そのトレーニングをさらに効果的にするために補助トレーニングを採用することがお薦めできます。その理由は下記の通りです。

  1. 人体はバランスを保とうとするため,特定に筋肉のみ強化するよりもその拮抗筋を含めてまんべんなく鍛えた方が筋肉が付きやすい。
     例えば,ベンチプレスでは上腕三頭筋は強化されますが上腕二頭筋はあまり強化されません。上腕二頭筋があまり発達していないと拮抗筋のバランスを取るために上腕三頭筋の発達が阻害されてしまいます。
  2. バランスが多少崩れても対応できる怪我をしずらい身体になる

 私が実際に採用したり,採用したいと考えている補助トレーニングは下記の通りです。

  1. スクワットの補助トレーニング
  2. ベンチプレスの補助トレーニング
  3. デッドリフトの補助トレーニング



    集中力について



     限界ぎりぎりの重量を扱うパワートレーニングでは、集中力,気合が大変重要です。いかにアドレナリンをたくさん分泌させて、脳から筋肉への信号(インパルス)をたくさん発生させて神経繊維の利用率を高めるかということが『気合』であり,そのセットに向けて気合をいれる(テンションを高める)ことが集中力だと思います。

     最近は、気合を入れるのが簡単になってきました。何度もやっているうちに、ある動作をすると条件反射で気持ちが高まるようになったようです。私の場合、絶対に挙がると心の中で念じながら、何度も大きく深呼吸をし、気持ちが高まったときに『シャー』と大声を張り上げて、気持ちを外へ向かって吐き出し、セットに挑みます。この念じながら深呼吸をするときに、心拍数が高くなってきて心臓のバクバクいう音が聞こえてきます。また、汗がにじみ出てきて体が暖まって臨戦態勢にっていることがわかります。時間でいうと、だいたい数分くらいの間だと思います。もう少しでピークになりそうなところで補助をお願いして、そのあと数秒気合を入れ直し、声を張り上げてセットに入るのです。

     気合が、本当に入ってきたのは社会人3年目くらいからのように思います。ずっと記録が伸び悩んでいたときで、いろいろなシステムにチャレンジしていました。本当に後がなく、わらにもすがる思いで取り組んでいました。一人で気合を入れまくっていたため、そんなに頑張らなくても、という視線で見られていたことを思い出します。恥も外聞もなく、この1セットに全力を注いでいました。自分がどんな顔をしているか、周りの人がどう見ているかなど考えられないくらいに集中して、そのセットを絶対に挙げるんだという気持ちで頭を一杯にして、体裁にこだわらず全力を出すことが大事なのかもしれませんね。

     以前,何かの雑誌で呼んだのですが,集中力が理想的に高まると以下の状態になるそうです。
    1. まわりの音(音楽など)が聞こえなくなる
    2. 鳥肌が立ってくる,など

     私の場合,まだそこまでは悟りを開けていません。まだまだ、修業が必要のようです。人間は、潜在能力の30%程度しか使っていないと聞いたことがあります。無意識の世界は意識的にコントロールできませんが、気合を入れることで、少しでも自分の力を出し切りたいものだと思います。




    素質について



     パワーリフティングやボディビルディングは素質が重要であるといわれます。他のどのスポーツでも素質は重要ですが、パワーでは技術的にカバーできる余地が少ない分素質の重要性がシビアであるように思います。トレーニングする前から体格に良い人もいれば、一生懸命頑張っているのになかなか大きくならない人もいます。

     私は個人毎に『ポテンシャル』を持っているんだと考えています。車で言うとエンジンの排気量のイメージです。どんなやり方でトレーニングしても初めは記録が伸びるものです。しかし、それには限界があると思うのです。それが私の考える『ポテンシャル』です。そこから先は,サイクルトレーニングなど科学的にトレーニングして自分のポテンシャルをチューナップして記録を上げてゆく必要があります。ポテンシャルの大きい人,車でいうと排気量の大きい人は初めてすぐに記録がぐんぐん伸び,そこからチューンナップの時期に入りますからトップレベルへ達するのが早いのです。また,ポテンシャルの小さい人は排気量の小さい車をチューンナップしている訳ですから,ちょっとずつしか記録を伸ばせません。

     しかし、記録は正しくトレーニングを続ければ伸び続けるものです。どんな人でもゆっくりですが,記録を伸ばし続けることができます。これが,自分を向上させてゆけるパワーリフティングの魅力であり,この魅力があるゆえに私はこの競技を好きでいるんだな、と感じています。




    スクワットのフォームについて



     パワーリフティングの競技は単純そうに見えるのですが,より重い重量を扱おうと思うと微妙なフォームの調整が必要になってきます。非常に奥が深いです。そんな中で,スクワットのフォームについて最近悩んでいました。やっと,自分なりに理想のフォームのイメージがつかめてきたところです。そこで、ちょっと私のスクワットフォームの歴史をまとめてみました。

    トレーニング期間フォームの特徴
    1年目〜6年目 ハイバースクワット
    基本的にボディビルダーを目指しておりパワースクワットのフォームは採用していなかった
    7年目〜8年目 ハイバースクワット
    扱う重量が増え,スクワットをすると必ず膝が痛む状態となる。
    9年目 パワースクワット
    吉田進さんの『パワーリフティング入門』を読み,フォームの改造を始める。 一度使用重量がぐんと落ちたが1年でもとのレベルに戻った。膝の痛みはなくなる。
    10年目〜11年目 パワースクワット
    サイクルトレーニングも導入し,面白いように記録が伸びる。このころからパワーリ フティングに真剣に取り組み始めた。
    12年目〜 パワースクワット
    重量が増えたせいか膝が前に出てしゃがみが浅くなる。ジムに通い始めいろいろアドバ イスをもらう。膝を前に出さず,強い大腿4頭筋を使うためつま先に重心を載せる自分 に最適なフォームのイメージがやっとつかめてきた。

     自分のこれまでのフォームを見直すと,ハイバースクワット時代の癖でスタンスがナロー気味で,さらに背中が立ちすぎていたようです(背中を反らす感じにしていました)。また、重い重量を扱う場合に、ボトムポジションを楽にするために、膝を左右に十分開かなかったため、膝が前に出てしまっていました。

     このフォームを改善するため、いろいろと試してきました。前傾をきつくしたり、またスタンスをワイドにしたりと工夫してきました。約2年間試行錯誤してきましたが、ここ最近、やっとフォームが決まってきました。

     背中は,スタート時にやや曲がった状態(バーベルを持つ肘を高く上げ,腹筋を収縮させ、あごを前に突き出すような感じ)とし、その状態のままバーベルを下げて行きます。ボトムポジションでは腹圧を高めて腹筋をしっかり固定したまま,背中をほんの少し丸めて(お尻を下へ突き出す感じ)腹圧をバネにして,さらに大臀筋や大腿2頭筋の伸展反射も利用して一気に立ち上がります。上半身はスタート時の姿勢を維持しながら、一気に立ち上がります。これが、今考えている理想のフォームでして、全身をバネにして一気に挙上するようにイメージしています。

     私がポイントと考えている指導言語は以下の通りです。

    意識する部分ポイント
    バーを担ぐ位置三角筋後部の窪み(肘を上げるとできる)。
    肘の位置左右均等に高くあげる。左が下がり気味なので意識して高く上げるように。三角筋でバーベルを押し上げるようにする。
    足幅かかとがちょうど肩幅になるように。
    つま先約45度の角度で開く。
    重心つま先の真上で垂直にバーが軌道を描くように動作する。肩をつま先の上で真っ直ぐ上下させるようなイメージ。
    ひざつま先の方向に開いてゆく。前後の位置は一定に保ち、左右に開いて上体を割り込ませる感じ。
    背中みぞおちを中心に腹筋を収縮させ、あごを前方へ突き出し、やや丸めてスタート。おなかに大きな風船を抱えている感じ。特に、初動時に重心がぐらつき、後傾する傾向があるので、風船を意識して上体を前方に出す必要がある。

     腹圧をバネにする,という考え方は長万部町の立花先生から教えていただいたテクニックです。(立花先生率いる長万部町のパワーリフティングクラブは1997年度北海道大会で団体優勝しています。)おそらくスクワットの強い人は意識せず使っているのでしょうが、私はこの話を聞いて目から鱗が落ちる思いがしました。

     また、スタート姿勢はパワーハウスで学んだものです。『あごを突き出す』というイメージは、つい先日初めて学びました。何をするにもあごを引く癖がついているので、なかなか直らないのですが、少しずつ自分のものにしたいと思っています。もっと強い人のフォームを細部まで観察する必要があることを実感しました。まだまだ学ぶべきことは多いようです。やはり、ジムへ行ってコーチにフォームをチェックしてもらうことは、重要なことだと思います。

     つま先の開きかたについて、一つ気が付いたことがあります。私の場合、体が歪んでいるせいか左右均等につま先を開くと、体が正面に対して少し右側に向くのです。左足だけ少し開きぎみにすると、体は正面を向きます。これまで、右膝をいためることが多かったのですが、体の向きが正面を向いていないために無理がかかっていたのかもしれません。今後は、左足の開きを少し(5°程度です)開きぎみにして、体を正面に向けてスクワットを行うつもりです。

     足幅と足先の角度については、月刊ボディビルに連載されている三土手選手の『I'm a powerlifter』の記事から、しゃがみやすいスタンスが立ち上がりやすいスタンスである、というところを参考に決めました。確かに記事のとおりで、とてもしっくりとくるようになりました。

     足先を開くと、重心が後ろにずれてしまう傾向があったのですが、バーのみで何度もスクワットをしてみた結果、しゃがみ始めの部分でバランスが崩れて後傾していることが判明しました。この部分を意識して前傾を確保すると、イメージ通りのスクワットができるようになりました。

     スクワットが軽く感じるときには、肘を高く上げることができており、三角筋にバーベルがうまくのっていて、肘を上げる力で三角筋を持ち上げている感覚が得られていることがわかりました。いくら肘を上げても、三角筋でバーベルを押し上げる感覚が得られないときには、ボトムが非常に重く、初動時に爆発的な挙上ができないようです。ベンチプレスにおける手首の角度と一緒で、上体からバーベルへの力の伝達において、途中にクッションが入ったような状態となり、せっかく体幹部で発生した力をバーベルにすべて伝えることができないのではないかと推測しています。

     最近、トレーニングジャーナル誌で無酸素性トレーニングについて連載されている荻田さんから、スクワットのフォームについてメールにでアドバイスをいただくことができました。スクワットでは膝関節の屈曲伸展よりは、股関節の屈曲伸展の方が大きな力を発揮します。また、この股関節の屈曲伸展は、大腿四頭筋ではなく、むしろ裏側のハムストリングスの作業です。したがって、スクワットにおけるボトムでの切り返しは、バイオメカニスク的にいえば、骨盤を前に滑らすようにしながら股関節を伸展させ、その補助動作として大腿四頭筋が伸展するフォームになります。一般に、主働筋が大きな力を発揮しようとすると、その筋が切れないように拮抗筋が抑制をかけますが、その筋の抑制を取り除くことが大きな力を発揮することに重要です。ハムストリングを伸張反射によって強制的に伸展動作をさせることにより、大腿4頭筋の伸展動作に対するハムストリングの抑制動作を取り除き、それぞれの筋肉を協同して働かせることが可能になります。以上のフォームは、下図のようなイメージになると思います。三角形は骨盤のイメージです。しゃがみこむにつれて、骨盤を後方へ回転させます。鳩尾のあたりは前方に張り出しつつ、お尻の穴が下ではなく後を向くようにしゃがんでゆくイメージです。大腿四頭筋が適度ゆるんで伸張し、ハムストリング、大殿筋のバネを生かせるような伸展(緊張)が起こります。立ち上がるときには逆に骨盤を前へ滑らせるようにして股関節を伸展しながら立ち上がり、伸張反射により伸展動作中のハムストリング、大殿筋と大腿4頭筋が一緒に大きな力を発揮して、いっきに立ち上がるのです。


     ボトムが非常に軽い日と重い日があり、原因がわからなかったのですが、この骨盤の使い方が原因だったようです。理想のスクワットのイメージがだいぶクリアになってきました。慣れないと腰を痛めそうですので、軽い重量からじっくりと意識してフォームを改良してゆくつもりです。





    デッドリフトのフォーム



     私はデッドリフトが苦手です。スクワットの記録が伸びてもデッドリフトの記録は伸びなかったのです。しかし、最近ジムのコーチの指摘から私のフォームの欠陥がわかってきたのです。

     デッドリフトのフォームのポイントは以下の通りです。

    1. ファーストプル
      • 背中は若干前傾を保ちつつ,脚力で持ち上げる
         背中が先に立ってしまうと、フィニッシュにかけて背中の力が使えなくなります
      • スタート前に肩の真下にバーベルを持ってくる
         当たり前のことですが、これを私は見落としていました。肩がバーベルより前に出てしまった場合,バーベルを持ちげたとたん前後に揺れてしまい,余計な力が必要になります。また、バーベルがすねに当たって血が出ることになります。(私のすねはいつも血だらけでした(^_^;))
    2. 挙上途中
      • バーベルの軌道がまっすぐに保つこと
         バーベルの軌道が前後にふらつくと,余計な力が必要になります。
    3. フィニッシュ
      • 背中をそりすぎないこと
         胸を張ることは必要ですが、あまり背中を反らせ過ぎると余計な力が必要となり 疲れてしまいます。

     私もこれから上記のポイントをもとにフォームを変えて行きます。

     練習時のやり方として、床で止めずに若干跳ね返りを使う方法と、床で一度静止させて毎回試合で試技を行うようにする方法と2種類あると思います。私はこれまで床で止めずに実施していましたが、先日ジムのコーチから『床で止める場合とフォームが違ってしまう。床でいったん静止させた方が良いのでは?』と指摘され、床で静止させる方法に変えました。きついです。だいたい10kgくらい練習重量が落ちてしまいます。しかし、この方法を採用してからファーストプルが強化され、大会での記録も順調に伸びています。

     最近、月刊ボディビルに三土手選手の『I'm a powerlifter』という記事が連載されています。そこで、デッドリフトの際にはモストマスキュラーのポーズをとるつもりで腕を下へ落とし込むと、うまく肩の位置を下げられる(=可動範囲が狭くなる)という話がありました。実際、ためしてみると大変良い感じで、ファーストプルが更に軽くなってきました。本当にモストマスキュラーのポーズを取るように上体に力を入れるようにしています。




    ベンチプレスのフォーム



     最近、ブリッジを組み時に心がけていることがあります。以前は、ブリッジを組むときに、肩甲骨を引き寄せることにしか意識を集中していませんでした。最近は、これにプラスして背中がベンチ台と接する位置にも意識を集中するようにしています。背中というより、首の付け根をベンチ台に付ける感じにすると、ブリッジがいい感じで組めることがわかりました。少しだけ、胸が張れるようになり、可動範囲を小さくできました。

     ブリッジを組む際には、まず横の締め(肩甲骨を引き寄せる)をしっかり行い、次に縦の締め(背中を反らせてアーチを作る)ことが重要です。この横の締めについて、下図のように肩甲骨を下の方へ引き寄せるようにすると、筋肉が盛り上がって、しっかりとブリッジを支えられることがわかりました。また、試している段階ですが、重量が増えても比較的背中の締めが緩まないようです。


     ベンチ台に横になり、バーベルをラックからはずした後に、どうしても背中が開きぎみになりますが、下図にように広背筋を引き締めると、安定した良い感じになるようです。しっかりブリッジを組んでいることが前提ですが、ベンチプレスのスタートポジションでは、下記の締めを毎回行うようにしています。


     ジムで教えていただいたのですが、ブリッジをしっかり組んだ後に、下記のように腕をひねりながら背中を閉めてゆくと、さらに肩甲骨を引き寄せることができるようです(私の理解した結果なので、ニュアンスが違っているかもしれません)。私もまだ慣れずに背中がつりそうになりますが、逆に言えばつりそうなくらいにきつく背中を閉められるということであり、効果がありそうです。胸をしっかりと張れるとともに、背中の力を有効に使うことができそうです。


     私が練習時に採用しているベンチプレスは、全身のばね、しなりを用いて、できるだけ高重量を高回数挙げようとするものです。練習時には、胸の上での静止や、お尻をベンチ台につけることなど無視して、ひたすら高重量を高回数挙上することに全力を尽くしています。私の採用しているフォームについて、下記のページで詳しく解説します。

    私のベンチプレス方法

     手首の使い方も重要です。数年前までは高重量でのベンチプレスではリストラップが必需品でした。手首が痛かったのです。しかし、昨年の調子の良いときにはこれが全く不要でした。そして、最近ベンチの調子が落ちていたのですが、手首が曲がっていて、バーが前腕の骨の延長線上にないことに気づきました。実際、手首を立てて前腕の骨の上にバーが載るようにしたところ、バーベルの体感重量が飛躍的に軽くなりました(^-^)。手首をできるだけ立てるということがポイントのようです。バーを握る時に、小指の方をしっかりと握るようにすると、手首がきちんと真っ直ぐになります。





    計画的なトレーニングはなぜ重要か?



     計画的なトレーニングとは縁がない状態で、トレーニング歴の大半(10年くらいでしょうか(^_^;)を過ごしてしまった私ですが、最近なぜ順調に記録が伸びているかと考えたとき、計画的トレーニングというのがポイントだと気が付きました。サイクルトレーニングに限らず、計画的にトレーニング重量を設定して、目標をクリアしてゆくという考え方はとても重要だと思います。では、なぜ計画性が必要なのでしょうか?

     トレーニング場でフォーストレップスを何レップスもしている人を見かけることがあります。本来なら、ポジティブフェイラーで力が残っていないはずなのに、補助についてもらうと何レップスも上がってしまうのです。もちろん、本人は限界まで追い込んでおり、補助がなければ1レップスも挙がりません。なぜ、このようなことが起こるかを考えると、人間が意識して使える力というのは本来の力の30%程度であるということが根底にあると思うのです。人間の精神というのは、その大半が無意識の領域だと言われています。我々が意識できるのは、ほんの氷山の一角なのです。その無意識の部分が、これ以上挙がらない、危険だと判断した場合、意識の部分でどんなに一生懸命になっても、筋肉にまだ余力があっても、それ以上挙上できなくなってしまうと考えられます。つまり、先ほどの例だと、補助者がいないと無意識の部分が危険を感じてギブアップしたために挙上できなくなり、補助者がつくと無意識の部分が安心して筋肉への停止命令を解く、ということが起こっていると推測できるように思います。

     つまり、記録を伸ばしてゆくには、この重量までは必ず挙上できるのだ、ということを考えるだけでなく、無意識の部分に叩き込む必要があるのです。無意識の部分に自信をつけさせるには実績をつけるしかありません。200kg×8のスクワットがぎりぎりの重量設定だとします。先週190kg×8を挙げていれば、挙がる可能性があると感じることができ、大声で気合をいれて思いっきりスクワットの臨めるでしょう。しかし、先週160kgしか触っていなければ、とても今日200kgが挙がるとは信じられないでしょう。つまり、決していきなり高重量を使ってがっかりするようなことをせず、計画的に重量を設定してゆくことで、どんどん自信をつけることが大事なのです。目標自体も、途中で無理がきてがっかりするよりは、多少軽めでも良いから必ず達成できるようにした方が、自信がつけられる点で何倍もメリットがあるでしょう。自分の使った重量などを記録しておくことは、言うまでもなく基本中の基本ということになると思います。

     もう一点、計画的なトレーニングが有効だと考えられるのは、正しいフォームの習得ということです。限界ぎりぎりの高重量を扱うとき、フォームを意識しながら挙上するのはかなり難しいことです。挙上することに意識が集中しているからです。したがって、高重量を正しいフォームで挙上するためには、頭ではなく体でフォームを覚えている必要があります。これには反復練習しかありません。そのためには、軽めの重量でフォームをしっかりと意識して行うこと期間を設けることが、準備段階として必要だと考えています。軽い重量からMAX重量まで計画的に上げてゆくことによって、体にフォームを覚えさせるという点からもピークコンディションにもってゆくことが可能となるのです。

     さらにもう1点、トレーニングの目的が明確になるということも、計画的トレーニングのメリットだと考えます。このセットが、自分の記録を伸ばすうえで必要なんだということを理解してトレーニングするのと、漠然とセットをこなすのでは、モチベーションが全然違ってくると思います。サイクルトレーニングであれば、そのサイクルの最終週には何kg挙げるという、もう少し頑張れば手が届く目標があります。さらに、今日このセットをクリアすることが、この目標を達成するためには必要なんだという明確な目的があります。特に、最終週は数週間のトレーニング成果がこの1セットに集約されているだけに、物凄い緊張感があります。この背水の陣のような逃げられない状況も、自己の限界を越える一助となるものと思います。

     実際には個人差がありますから、一見無計画に見えるトレーニングでもどんどん体を大きくしてゆく人もいることと思います。そういったトレーニングを真似して限界を感じたような人でも、やり方を変えることによって、まだまだ筋肉をつける道は残されています。トレーニング効果の個人差というのは、かなり大きいのではないかと経験的に感じています。どちらかというと、私自身なかなか筋肉が増えない方だったのでそう感じているんだと思います。適切なトレーニング強度で回復期間を十分にとれば、誰でも筋肉を発達させ続けることができますし、わずかな超回復を逃さずに捉え続けるには計画的なトレーニングというのは不可欠なものだと考えています。




    トレーニング種目は頻繁に変えるべきか?



     雑誌などで、新鮮な刺激を常に得るためにトレーニング種目は頻繁に変えるべきだ、という話を見ることが良くあります。私が個人的に勉強してきた範囲では、新しいトレーニング種目を採用した場合、まず神経系が整備され(その種目に慣れることです)、その後に筋肥大が起こると理解しています。そうしてみると、頻繁に種目を変えることは、筋肥大には不利なのではないか?と思えるので、これまで気になっていました。これに関して思い付いたことがありますので、書いてみます。

    1. 精神的な燃え尽きを防ぐため

       高強度なトレーニングを行うための複合関節種目(スクワット、ベンチプレス、デッドリフトのビッグ3などです)については、頻繁に変えるべきではないと思います。これらについては、複数の筋群をコントロールする必要がありますし、できるだけ高重量を扱うことが目的ですから神経系を十分に整備しておく必要があるからです。

       しかし、これらの後に筋肉にバーンを起こすことを目的に行う単関節種目(レッグエクステンション、ダンベルフライ、ラットマシン・プルダウンなどです)では、使用する重量は問題ではなく、いかに筋肉をパンプアップさせるかが大事ですから、これらについては新鮮な刺激を受けるために、頻繁に種目を変えることは有り得ることだと思うのです。

       筋肥大を起こすには、中強度・多セット数のいわゆる量のトレーニングが適していると言われています。多くのセット数をこなしながら、常にパンプアップを得るためには、精神的に燃えつきないためにも、種目を変えることは有効だと考えられます。

    2. トレーニング強度を落とすことで、ピリオダイゼーショントレーニングになる

       トレーニング種目を変えると、神経系が整備されていないことから、必然的にトレーニング強度は低下します。慣れないトレーニングを行うとひどい筋肉痛になりますが、筋肉痛はトレーニング強度とは無関係であり、特に意味はないものです。そして、トレーニングに慣れるに従って強度が高まり、筋肉を限界まで追い込むことができるようになります。つまり、トレーニング種目を定期的に変えることは、トレーニング強度の周期化につながると考えられます。そう考えると、非常に合理的なトレーニング方法ということになりますね。





    トレーニングでの怪我について





    軽い重量でのトレーニングは必要か?



     最近トレーニングに関して感じるのはフォームの重要性ということです。サイクルトレーニングをしながら使用重量を上げていったときに、たとえばベンチプレス130kg×8で精一杯だったとしたときに、次の週には140kg×8ができてしまうことが良くあります。何が違うか考えてみるとフォームが改善されていることに気がつきました。背中で挙げることを意識していますが、調子が悪いときは挙げる方に意識が集中してしまい、背中が開き気味になってしまいます。それが調子が良くなると、背中を意識しながらベンチプレスができるようになります。ベンチしながら背中の筋肉の盛りあがりでベンチ台を押す感覚が感じとれるのです。

     この良い調子を作り出すのが、間に軽い重量で行うフォームチェックの日です。この日は軽い重量で思いっきり加速して挙上するようにします。一瞬で腕を伸ばしきることをイメージするのですが、この軽い重量でのトレーニングの中で背中を意識する感覚を身体に覚えこませることによって、重い日の調子が左右されるようです。余裕のある重量であればいろいろな感覚をチェックできることから、フォームの改善には軽い重量の日が必要であると感じています。

     ゴルフでも野球でも、素振りを行いますが、軽い重量でのベンチプレスは素振りに相当するものだと思います。重い重量を挙げるにはフォームが非常に重要です。これは、ゴルフや野球のフォームと同じことです。ちょっとした腰の使い方のコツを覚えるだけで飛距離が伸びるように、ベンチプレスでも筋肉の使い方のコツを覚えることが重要です。他のスポーツでも正しいフォームの習得には時間がかかるように、重い重量を挙げるためのベンチプレスのフォームの習得にも時間がかかるのです。我流ではなかなかうまくならず、経験者のアドバイスが有効であることも、他のスポーツと同じです。

     すぐにできるものではありませんが、毎日のトレーニングで理想のフォームを求めて目的を持って取り組むことが記録を伸ばす近道なんだと感じています。そのためには、軽い重量でのフォームチェックは欠かせないものだと思います。




    ロシアンルーティン



     私自身はまだ実施した経験がありませんが、ロシアンルーティンというサイクルの組み方が雑誌等で紹介されています。この方法で記録を伸ばした方から貴重な体験談をいただきましたので、ここに掲載させていただきます。


    _____(以下、引用です)______________________________

    パワーワールドニュースで紹介されていたロシアンルーティンは、


    というものでした。

    1〜5週目はインターバルを2分以内にするとバルクアップの実感があるとあったのですが、スクワットだと2分では回復しなく、1セットあたり5分くらいにしていました。


    最初は扱う重量に余裕を持って次の予定でサイクルを考えていました。実際には最初ベンチプレスのサイクルを始め、その2週後にスクワット、その3週後にデッドリフトでやっていました。

    スクワットベンチプレスデッドリフト
    開始時8RM120kg75kg135kg
    1〜5週目115kgX6回X2〜6S72.5kgX6回X2〜6135kgX6回X2〜6S
    6週目120kgX5回X5S80kgX5回X5S140kgX5回X5S
    7週目125kgX4回X4S85kgX4回X4S145kgX4回X4S
    8週目130kgX3回X3S90kgX3回X3S150kgX3回X3S

    最初の1〜3週は、余裕を持った重量のはずが6回挙げるのにギリギリでしたが、5週目では最後の6セット目も余裕がありました。

    効果は、ベンチプレスの8週目でいきなり90kgの1セット目で2回挙げて潰れてしまいました。(これでも一応記録は更新しました)

    スクワットの7週目で最初の1セットだけでしたが125kgX5回(残り3セットは4回でした)が楽に挙がり、最後の130kgの1セット目で5回挙げる事ができました。

    デッドリフトではかなり余裕があり5〜6週目に135kgから140kgに変更して6回X5,6セット6週目に147.5kgX8回をかなり余裕で成功し、残り4セットは5回づつ挙げ(ここからロシアンルーティンからはずれてしまいますが・・・)7週目に記録更新で157.5kgX6回成功しました。(デッドのサイクルはここで終了しました)

    特にデッドリフトでは計算上のMAXですが、約1ヶ月半ちょっとで165kgから185kgまでになり、スクワットは以前、120kg以上を挙げる時、かなり恐くなりバーベルを担ぐ決心をするまで時間がかかっていましたが、サイクルの終わる130kgの時には、その恐怖感はほとんどありませんでした。

    ロシアンルーティン時の補助トレーニングは、スクワット(脚)ではカーフレイズのみ実施。(クランチとサイドベントも実施)ベンチプレスでは3週目まではナローで65kgX8回X2Sでその後は実施してませんでした。(三頭筋、肩は普通にやっていました)デッドリフトでも3週目までブロックナローで110kgX8回X2Sを実施。(ラットやプーリー、シュラッグ、クランチはいつも通りに実施)

    その後、ベンチプレスで再び+5kgでロシアンルーティンに挑みましたが、あまりに調子が悪く、途中から普通のサイクルトレーニングに変更、スクワットはその後のサイクルトレーニング(90kgスタートで5週)で7RM130kgまで成功しましたが、デッドリフトのサイクルトレーニング(110kgスタートで6週)では150kg5回、160kg3回で潰れてしまい、疲労の蓄積がかなり多いと実感しました。

    現在スクワットのロシアンルーティンをスタート120kgにしてスタートしました。(今は1週目を終えたばかりですが、やはり最初はかなり重く、ギリギリな感じです)


    ちなみに、ロシアンルーティンは仕事のかなり忙しい時期で、ほとんど毎週土曜出勤、残業時に実施していて、「仕事のせいでトレーニングに影響があってたまるか!」と気合(と言うよりほとんど意地でしたが)が入っていたのでかなり調子よかったのかもしれません。(スクワットとベンチを同じ日に実施したり、デッド+補助トレを1時間でいつものメニューを何とかこなしていました)

    最近では残業もなく、週休2日でかなり時間にも体力にも余裕がありますが、そのせいかトレーニング時の気合もイマイチな感じで、気持ち的な要素もかなり重要だと実感しました。

    _____(引用、ここまで)_____________________________

    かなりボリュームの多いトレーニング方法ですが、私自身とても興味がある方法です。気持ちが大事ということは確かにその通りだと思います。ジムの雰囲気にも左右されますし、特に一人でトレーニングするときには、気持ちを盛り上げるのも難しいものだと最近実感しています。