++ 日米安全保障条約(日米安保条約) アメリカが日本を守るって!? どこにそんなことが書かれているのでしょうか?++


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【 ご挨拶 】
このページが、
なんのご案内もなしに消滅したときには、
「言論封鎖・逮捕」など弾圧があったと、ご理解ください。

日米安全保障条約 アメリカが日本を守るって!?

いったい、どこにそんなことが書かれているのでしょうか?
いざとなると、アメリカは日本に対して身を挺して守るのか?

新聞記事を読んで日米安全保障条約(日米安保)の不可解さを感じたので、それならば自分で理解できるまで調べてみようとページ作りがはじまりました。もう3年もたってしまいましたがその間も少しずつ加筆してきました。今般レイアウトを揃えてみました。2007.1.24
上から順番にストーリが展開していますが、次のリンクに直接飛んでご興味あるところをご覧になることもできます。

このページ内のリンク:
1.アメリカが日本を守ってくれる? 日本国民はそう思わされているが・・・
2.日本を自動的に守るとは書いてない!!
3.日米安保条約の条文を詳しくみてみる
4.アメリカ合衆国憲法では戦争の規定はどうなっているか 大統領が勝手に始められない
5.日本を無条件で守る意志があったなら第5条はこうなるはずだ
6.自国って?いったいどこ?
7.第6条では日本国内を自由に使えることがかいてあるだけ
8.たった10条しかない、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約
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 1.アメリカが日本を守るって!?

素朴な疑問だったのですが、おそらく多くの日本国民の方々は「日米安全保障条約があるからアメリカが守ってくれる」と、なんとなく思っているのではないでしょうか。

私も例にもれず、漠然とそう思っていました。
2003年2月2日(日曜日)の日経新聞の1ページに書かれていた「 NOといえぬ対米支援 」で事細かく解説されていた記事を読んで、日本国民は何も知らされてないんだなぁとつくづく思いました。

記事を要約すると、
昨年12月にアーミテージが日本に来て「福田(官房長官)に「すべては国益に基づいて日本が決定することだ」と告げている。

本音は「アメリカに対して、イラク攻撃の協力をしないと日本の国益が損なわれるよ!」と、なかば脅していることは子供でも容易に理解できることです。
さらにこの発言を受けて外務省の幹部はビビッて、
”国益”といわれて日本が米国を支持しない選択がありますか。
原油の88%は中東に頼っていて、もし北朝鮮が暴発すれば、日本はアメリカに頼むしかない。
イラク攻撃では支持しないが、日本が攻撃されたら日本を守れといってもアメリカの世論は納得しない
と記事にはあります。 役所の従業員はそのへんの事情はよく理解しているから、
      「日米安保があるから・・・」などと、揚げ足を取られるようなことを決して言わない賢さにはいつも感心させられます。
これまでもアメリカ軍が駐留する費用約1兆円の6割、6000億円規模(2002年)を毎年負担していて、こんな大金を差し出しても守ってくれる決め手になっていなかったのです。
なんといっても『 アメリカの世論が納得しない 』とアメリカは行動を起こさないということです。
言い換えれば、「日米安全保障条約があるから・・・」と、ほとんどの国民が思い込まされていただけであり、外務省を例にだすまでもなく政府はちゃんとそのことを理解していたということです。

アメリカにおいても世論の形成はマスコミですし、議会が反対し大きなうねりになったら大統領も決断できないはずです。アメリカ合衆国憲法では、武力行使・戦争が連邦議会で決議されないと開始できない 仕組みがあり、イラクに侵攻できたのも70%を超える国民の支持があり、かつ議会で議決したから侵攻できたのです。たとえ国民が騙されて支持をしたとしても、支持そのものは必須要件です。

一口に日本が攻撃を受けたといっても、日本国内にある米軍基地、軍隊が活動しているその場所、アメリカ大使館、その他アメリカの法律が及ぶ場所が攻撃されたら、アメリカは果敢に反撃するはずです。それを世論が反対することはこれまでの例(大使館が占拠された時など)をみても、あり得ないことです。
それ以外の場所、たとえば日本海側の町が攻撃を受けたとしても、それはアメリカとは関係ない場所であり、アメリカが反撃にでるかどうかはアメリカの国益につながり、かつ世論の支持がなければ大統領はそれを無視してまで踏み込めないということです。

この新聞記事によって、図らずも、常日頃からアメリカの顔色を伺い、反抗しない、要求された金品は喜んで出す、・・・と、このようなことをずっとやり続けていないと「いざと言うときに「お願いだから、日本を守ってぇ!」といって行く事さえ出来ない仕組みだとわかりました。もっとも悲しかったことは、安保条約に裏づけがなかったことがわかったことです。



 2.日米安全保障条約には「アメリカが日本を自動的に守る」とは書いてない!!

・・・ここが最大の肝になります。

悲しいかな、「 日本のお願いを聞かなければならない 」ということも、どこにも書かれていません。
アメリカにトバッチリが来るかもしれないから「 じゃぁ、助けてやろう!」
でもね、アメリカ議会・世論が「ノー・NO」といったら、たとえアメリカ大統領が日本びいきであったとしてもアメリカは行動に出られない!
これが現実であり実態です。

「安保条約は自動的に日本を防衛する」そんな都合のいい条約ではないからです。

そうすると安保条約なんかいるの?という疑問が出てきますが、限定が明確にされている条約なのでまずはその実態を国民が知って、その上で賛否の議論がはじまると思います。

説明抜きでややこしい日米安保条約のことがいきなり出てきましたが、以下でその条文の中身を見てみることにします。
政府、役人、与党の人たちはたちはこれまでも何度となく日本がアメリカに従属しなくてはならない事態が起こるたびに「 日本はアメリカの同盟国だ。だから相応の協力をしなければならないっ!」と、小泉首相を筆頭に大声で叫び続けて、さまざまな法律を通して、無償で金品を提供してきました。しかし、その背景になっているものはなんだろうかと考えてみると意外な裏側が見えてきます。

 アメリカが自動的に、かつ、無条件に守るって!?

   そんな約束、どこにも書かれていません

日米安全保障条約のどこにも書かれてはいません
そもそも法律や条約など文字で書かれている場合、書かれていること以外のことは誰がなんと言おうと『ありえない、存在しない』わけです。だれが読んでも異なった解釈が出来にくいように書かれているものです。
そうでないと利害関係者がそれぞれ勝手に解釈して収拾がつかなくなり困ってしまいますから・・・。

そこで第5条を読んでみると、「日本が攻撃・侵略されたとしても、アメリカは自分の判断で行動する」とだけうたっています。意訳していますがただこれだけです。
だからアメリカ世論で、または議会で、「日本なんかに血を流してまで守ることはないっ!!」と言う声が大きくなったら、それを無視してまで行動を起こすことは現実的にありえないということです。

そんなことをしたら大統領は次の選挙では間違いなく落選することを知っているから、決してそんな国民を無視するようなことはしません。


 3.日米安保条約の条文を詳しくみてみる

一番重要な第5条を見てみますと、全文はこちら
(現行の日米安保条約は1960年、岸信介内閣(自民党)は、国民の猛反対を押しきって衆院で5月20日単独採決し、6月23日に批准書交換し発効した)
条約効力の期限は10年となっていて、最初の更新が1970年だった。このとき自動延長されて1980年、1990年、2000年にそれぞれ自動延長されている。
どちらか一方が止めたいといえば破棄できます。 --> 第十条で規定されているとおり、通告するだけでいい

原文はこうなっている。英文と日本文、ともに正文です。
第五条
 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
 前記の武力攻撃及びその結果として執ったすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従って直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執ったときは、終止しなければならない。

Each Party recognizes that an armed attack against either Party in the territories under the administration of Japan would be dangerous to its own peace and safety and declares that it would act to meet the common danger in accordance with its constitutional provisions and processes.
Any such armed attack and all measures taken as a result thereof shall be immediately reported to the Security Council of the United Nations in accordance with the provisions of Article 51 of the Charter. Such measures shall be terminated when the Security Council has taken the measures necessary to restore and maintain international peace and security.

まどろっこしく書かれてはいますが、ここで自国といっているのは日本とアメリカを指しているのは当然です。
で、日本のどこかの都市にミサイルが落ちたことを想定してみます。
日本がやられたのですから、自国(日本)は憲法その他の手続きで行動を起こすのは当たり前ですね。
で、肝心のアメリカがどうするかです。
アメリカも自国(アメリカ)にとって危ないと認めた(判断した)ときに自国すなわちアメリカを守るために行動を起こすと書かれています。
ここからがポイントですが、 念を押すように「自国の憲法上の規定及び手続に従って・・」とダメ押しをしていて、いくらアメリカ大統領が日本いびきであっても、アメリカ国民と議会が猛反対したら行動に移せないということです。 日本が攻撃を受けてもアメリカが危ないと思わないと行動すら起こさないということです。 くどいようですが、この日米安保条約は自動的に無条件にアメリカが日本を守る条約ではないということです。


 4.アメリカ合衆国憲法では戦争の規定はどうなっているか

大統領は陸海空(海兵隊、沿岸警備隊も含まれる)の軍隊と各州兵の最高司令官です。しかし大統領の決定で戦争をはじめられるいわゆる戦争権限を明示している条文は合衆国憲法のどこにもありません。
他方、合衆国憲法1条8節11項に「宣戦布告権」の規定があります。連邦議会で武力行使の権限付与に関する決議案が可決されると大統領は遂行できる仕組みになっています。
ベトナム戦争のようになかば大統領が勝手に始めた戦争があって結局泥沼化して敗退した苦い経験から連邦議会が監視することを目的とした「戦争権限法・War Powers Resolution 1973.11」が作られました。それ以後アメリカが武力行使するときは連邦議会を無視できなくなりました。ちなみにイラク戦争では議会で決議案が成立し、ブッシュ大統領に武力行使権限が条件つきで授権されました。

繰り返しになりますが、安保条約の第5条に「自国の憲法上の規定及び手続に従って・・・」とわざわざ条件をつけているのは、アメリカが無用な戦争に巻き込まれないための防波堤であることがわかります。さすが、ぬかりはありません。繰り返しますが連邦議会の決議がないと武力行使(戦争)を始められないということです。


 5.日本を無条件で守る意志があったなら第5条はこうなるはずだ

そもそもアメリカの施設および軍が存在している場所も全〜部ひっくるめて日本を守るという「意思および考え方」がアメリカにあったならば、現行の第5条からいろいろな条件『 自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って 』をすべて削除して、次のように単純明快になるはずです。

※※ 一つの案・・・・
第五条
 各締約国は、日本国領域における、いずれか一方に対する武力攻撃事態が起きたときは、共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
これでもだいぶ控えめな表現なので義務が発生するかどうかもめるかもしれません。が、すくなくともこれならばたとえ守るという直接的な用語がなくても自動的に行動することになり結果的に米軍の力が頼りになるかもしれません。


 6.自国って?いったいどこ?

さて、話はもとに戻ります。先ほども少し説明していますが、この法律の中に書かれている「自国」とは日本とアメリカの双方を指しています。このページではアメリカが日本を守るか否かの話をしているわけなので、自国(日本)は憲法その他の手続きで行動を起こすのは当然です。
問題はアメリカがどうするかです。
アメリカにとっての自国とは日本国内にある米軍基地、アメリカ軍の兵士・車両軍用機などアメリカ軍が活動している場所*1、アメリカ大使館、アメリカ領事館など、そしてアメリカ本土です。
*1・・・沖縄国際大学構内に米軍ヘリが墜落(2004.8.13)したときに、日本側は誰一人として手を触れられず、その墜落現場周辺が治外法権状態にされてしまい、沖縄県警が遠巻きに指を銜えているだけでした。墜落した瞬間からその地はアメリカになり、日本の法律は一切適用されませんでした。

上に列挙した以外の地域とか場所はアメリカの自国の中には含まれず、たとえば日本海側のある都市にミサイルが落ちたとしてもそれはアメリカにとって自国ではないのですから、行動の対象すらなりえません。 ここがポイントです。
現に、これまでも幾度となく北朝鮮が日本に侵犯して拉致を繰り返しましたが、一度たりとて阻止したことがあったでしょうか?

「いやそれでも日本を守るんだよ、そういう風に書かれているんだ!」と言い張る人が、万が一にもいたとしたら、多分その人は銀河系の外の日本語も英語もわからない人でしょう。その証拠にこれまで、日本国首相とアメリカ大統領がじきじきに「日本を守るっ!!」と言及したことがあったでしょうか。
ありません。

両首脳は 共に言葉を慎重に選んでいて、そんなニュアンスを伝えることをあっても決して「守る」とはいいません。小泉首相でさえ、一度もいいませんでした。もっとも責任もない議員連中に国民を惑わすようなことを言わせることはありますが、もし仮に日本の首相がそれをダイレクトにいったらアメリカからどやされることぐらいの認識はもっているので決して口を滑らすことはしません。
条文に書かれてないからいえない、それだけのことです。

ところが困ったことに、国民を惑わす不適切な書き方のページを外務省が出しています。これについては別のページで考察します。 こちらです-->外務省が国民を惑わすような説明をしていいのか 日米安保条約
 他にも「主要規定の解説」と銘打って、肝心の部分を意図的?にスルーしたページを公開していますが、困ったものです。保存の為、最後尾に転載しておきます。 オリジナルは --> こちら

だいたいが、日本を守るとか、誰彼からとやかく言われたからその行動を起こすような考え方は、そもそもアメリカ人とアメリカにはなく、アメリカの国益が危ないと思った時にだけ自ら判断して自分たちの為に行動する、ただそれだけが書かれているに過ぎません。

これまでも事あるごとにいわれていることですが、「ほんとにアメリカは日本を守ってくれるの?」の答えが、ここ第5条にあります。


 7.第6条では日本国内を自由に使えることが書いてあるだけ

つぎに第6条にはなんと書いてあるかといえば、
第六条
 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリ力合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。
 前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基づく行政協定(改正を含む)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。

この6条はさも日本を守るかのような響きを感じるかもしれませんが、この第6条は「守ること」を定義している条文ではなく、アメリカ軍(陸、海、空)が自由に日本国土を使えることを一方的に宣言しているだけの意味しかありません。
要するに一方的にアメリカ軍の占領を認めているだけのことです。

イラク攻撃、北朝鮮の核疑惑など、重大な決断をしなければならないときに、「アメリカにちゃんと物申せない日本」これでいいのでしょうか?
ちゃんとした独立国なのに・・・
戦争で敗れた日本とよく似た境遇のドイツはアメリカと袂をわかって、きちんと国としての意見をアメリカに対して主張する国になりました。
日本には安保条約の他になにか密約でもあるんでしょうか?


 8.たった10条しかない、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約

正文である日本語の全文を掲載します。
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約  昭和三十五年六月二十三日 条約第六号

  日本国及びアメリカ合衆国は、両国の間に伝統的に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し、
  また、両国の間の一層緊密な経済的協力を促進し、並びにそれぞれの国における経済的安定及び福祉の条件を助長することを希望し、
  国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、
  両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、
  両国が極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し、
  相互協力及び安全保障条約を締結することを決意し、よって、次のとおり協定する。

第一条
  締約国は、国際連合憲章に定めるところに従い、それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する。
  締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に逐行されるように国際連合を強化することに努力する。

第二条
  締約国は、その自由な諸制度を強化することにより、これらの制度の基礎をなす原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉の条件を助長することによって、平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。

第三条
  締約国は、個別的及び相互に協力して、継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展させる。

第四条
  締約国は、この条約の実施に関して随時協議し、また、日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。

第五条
  各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
  前記の武力攻撃及びその結果として執ったすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従って直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執ったときは、終止しなければならない。

第六条
  日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリ力合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。
  前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基づく行政協定(改正を含む)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。

第七条
  この条約は、国際連含憲章に基づく締結国の権利及び義務又は国際の平和及び安全を維持する国際連合の責任に対しては、どのような影響も及ぼすものではなく、また、及ぼすものと解釈してはならない。

第八条
  この条約は、日本国及びアメリカ合衆国により各自の憲法上の手続に従って批准されなければならない。この条約は、両国が東京で批准書を交換した日(昭和三五年六月二三日)に効力を生ずる。

第九条
  千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約は、この条約の効力発生の時に効力を失う。


第十条
  この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。
  もっとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。
参考リンク:
日本国との平和条約/Treaty of Peace with Japan(1951年9月8日にサンフランシスコ講和条約締結)


ちなみに外務省が解説すると、こうなる・・・ -->こちら
日米安全保障条約(主要規定の解説)
○第1条
 国連憲章は、加盟国が従うべき行動原則として、「その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない」(第2条4)としており、加盟国は、自衛権の行使に当たる場合や国連安全保障理事会による所要の決定がある場合等国連憲章により認められる場合を除くほか、武力の行使を禁じられている。第1条の規定は、この国連憲章の武力不行使の原則を改めて確認し、日米安保条約が純粋に防衛的性格のものであることを宣明している。

○第2条
 この規定は、安保条約を締結するに当たり、両国が当然のことながら相互信頼関係の基礎の上に立ち、政治、経済、社会の各分野において同じ自由主義の立場から緊密に連絡していくことを確認したものである。

○第3条
 この規定は、我が国から見れば、米国の対日防衛義務に対応して、我が国も憲法の範囲内で自らの防衛能力の整備に努めるとともに、米国の防衛能力向上について応分の協力をするとの原則を定めたものである。
 これは、沿革的には、米国の上院で1948年に決議されたヴァンデンバーク決議を背景とするものであり、NATO(北大西洋条約機構)その他の防衛条約にも類似の規定がある。同決議の趣旨は、米国が他国を防衛する義務を負う以上は、その相手国は、自らの防衛のために自助努力を行ない、また、米国に対しても、防衛面で協力する意思を持った国でなければならないということである。
 ただし、我が国の場合には、「相互援助」といっても、集団的自衛権の行使を禁じている憲法の範囲内のものに限られることを明確にするために、「憲法上の規定に従うことを条件」としている。

○第4条
 この規定は、(イ)日米安保条約の実施に関して必要ある場合及び(ロ)我が国の安全又は極東の平和及び安全に対する脅威が生じた場合には、日米双方が随時協議する旨を定めている。
 本条を根拠として設けられている日米協議の場としては、安全保障協議委員会(日本側は外務大臣及び防衛庁長官、米国側は国務長官及び国防長官という、いわゆる「2+2」で構成される。)が存在するが、これに限られることなく、通常の外交ルートを通じての協議もこの規定にいう随時協議に含まれ得る。

○第5条
 第5条は、米国の対日防衛義務を定めており、安保条約の中核的な規定である。
 この条文は、日米両国が、「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃」に対し、「共通の危険に対処するよう行動する」としており、我が国の施政の下にある領域内にある米軍に対する攻撃を含め、我が国の施政の下にある領域に対する武力攻撃が発生した場合には、両国が共同して日本防衛に当たる旨規定している。
 第5条後段の国連安全保障理事会との関係を定めた規定は、国連憲章上、加盟国による自衛権の行使は、同理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの暫定的な性格のものであり、自衛権の行使に当たって加盟国がとった措置は、直ちに同理事会に報告しなければならないこと(憲章第51条)を念頭に置いたものである。

○第6条
 侵略に対する抑止力としての日米安保条約の機能が有効に保持されていくためには、我が国が、平素より米軍の駐留を認め、米軍が使用する施設・区域を必要に応じて提供できる体制を確保しておく必要がある。第6条は、このための規定である。
 第6条前段は、我が国の米国に対する施設・区域の提供義務を規定するとともに、提供された施設・区域の米軍による使用目的を定めたものである。日米安保条約の目的が、我が国自身に対する侵略を抑止することに加え、我が国の安全が極東の安全と密接に結びついているとの認識の下に、極東地域全体の平和の維持に寄与することにあることは前述のとおりであり、本条において、我が国の提供する施設・区域の使用目的を「日本国の安全」並びに「極東における国際の平和及び安全の維持」に寄与することと定めているのは、このためである。
 第6条後段は、施設・区域の使用に関連する具体的事項及び我が国における駐留米軍の法的地位に関しては、日米間の別個の協定によるべき旨を定めている。なお、施設・区域の使用および駐留米軍の地位を規律する別個の協定は、いわゆる日米地位協定である。
 米軍による施設・区域の使用に関しては、「条約第6条の実施に関する交換公文」(いわゆる「岸・ハーター交換公文」)(PDF)が存在する。この交換公文は、以下の三つの事項に関しては、我が国の領域内にある米軍が、我が国の意思に反して一方的な行動をとることがないよう、米国政府が日本政府に事前に協議することを義務づけたものである。
  • 米軍の我が国への配置における重要な変更(陸上部隊の場合は一個師団程度、空軍の場合はこれに相当するもの、海軍の場合は、一機動部隊程度の配置をいう。)。
  • 我が国の領域内にある米軍の装備における重要な変更(核弾頭及び中・長距離ミサイルの持込み並びにそれらの基地の建設をいう。)。
  • 我が国から行なわれる戦闘作戦行動(PDF)(第5条に基づいて行なわれるものを除く。)のための基地としての日本国内の施設・区域の使用。

 なお、核兵器の持込みに関しては、従来から我が国政府は、非核三原則を堅持し、いかなる場合にもこれを拒否するとの方針を明確にしてきている。

○第10条
 この条文は、日米安保条約は、当初の10年の有効期間(固定期間)が経過した後は、日米いずれか一方の意思により、1年間の予告で廃棄できる旨規定しており、逆に言えば、そのような意思表示がない限り条約が存続する、いわゆる「自動延長」方式である。本条に基づき、1970年に日米安保条約の効力は延長されて、今日に至っている。
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「言論封鎖・逮捕」など弾圧 について
国民を黙らせてから戦争へ突入していく・・・。
この常套手段はアメリカでも使われ、戦前の日本がまさにそのものでした。
治安維持法、軍機保護法、国家総動員法などによって民主主義が撲殺され、一般国民が弾圧されました。
この理解を踏まえ、「このニッポンがこれからどうなっているのか?」ということについて、
ウォッチしていく必要があります。

アメリカで取材しているジャーナリスト堤未果さんが警告しています。

いま、最も危険な法案とは?「アメリカ発<平成の治安維持法>がやってくる!」
クリック ↓ で堤 未果さんのブログへ

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いま、最も危険な法案とは?
2013/4/18(木) 午前 8:58
先週の週刊現代連載記事です。
昨夜のJーWAVE JAM THE WORLD でもインタビューコーナーで取り上げました。
この法律が通ったら、ブログやツイッターでの情報発信、取材の自由など様々な規制がかかるでしょう。
アメリカでも、大手マスコミが出さない情報を発信する独立ジャーナリストは真っ先にターゲットにされました。
そして「原発情報」はまず間違いなく「軍事機密」のカテゴリーでしょう。
「アメリカ発<平成の治安維持法>がやってくる!」
ジャーナリスト 堤 未果
3月31日、安倍総理は今秋国会での「秘密保全法」提出を発表した。
日弁連などが警鐘を鳴らし続けるこの法案、一体どれだけの国民がその内容を知っているだろうか?
 
01年の同時多発テロ。あの直後にアメリカ議会でスピード可決した「愛国者法」がもたらしたものを、今ほど検証すべき時はないだろう。

あのとき、恐怖で思考停止状態の国民に向かって、ブッシュ元大統領はこう力説した。
「今後、この国の最優先事項は治安と国会機密漏えい防止だ。テロリスト予備軍を見つけ出すために、政府は責任を持って全米を隅々まで監視する」

かくして政府は大統領の言葉を忠実に実行し、国内で交わされる全通信に対し、当局による盗聴が開始された。それまで政府機関ごとに分散されていた国民の個人情報はまたたく間に一元化され、約5億6千万件のデーターベースを50の政府機関が共有。通信業者や金融機関は顧客情報や通信内容を、図書館や書店は貸し出し記録や顧客の購買歴を、医師達は患者のカルテを、政府の要請で提出することが義務づけられた。

デンバー在住の新聞記者サンドラ・フィッシュはこの動きをこう語る。
「米国世論は、それまで政府による個人情報一元化に反対でした。憲法上の言論の自由を侵害する、情報統制につながりかねないからです。でもあのときはテロリストから治安や国家機密を守るほうが優先された。愛国者法もほとんどの国民が知らぬ間に通過していました」
だが間もなくしてその"標的"は、一般市民になってゆく

ペンシルバニア州ピッツバーグで開催されたG20首脳会議のデモに参加したマシュー・ロペスは、武器を持った大勢の警察によって、あっという間に包囲された経験を語る。
「彼らは明らかに僕達を待っていた。4千人の警察と、沿岸警備隊ら2千5百人が、事前に許可を取ったデモ参加者に催涙弾や音響手りゅう弾を使用し、200人を逮捕したのです」
理由は「公共の秩序を乱した罪」。
その後、ACLU(米国自由市民連合)により、警察のテロ容疑者リストに「反増税」「違憲政策反対」運動等に参加する学生たちをはじめ、30以上の市民団体名が載っていたことが暴露されている。

政府による「国家機密」の定義は、報道の自由にも大きく影響を与えた。
愛国者法の通過以降、米国内のジャーナリスト逮捕者数は過去最大となり、オバマ政権下では七万以上のブログが政府によって閉鎖されている。

為政者にとってファシズムは効率がいい。ジャーナリストの発言が制限され国民が委縮する中、政府は通常なら世論の反発を受ける規制緩和や企業寄り政策を、次々に進めていった

ブッシュ政権下に時限立法として成立した「愛国者法」は、06年にオバマ大統領が恒久化。
その後も「機密」の解釈は、年々拡大を続けている。
日本の「秘密保全法」も、日米軍一体化を進めたい米国からの〈機密情報保護立法化〉要請が発端だ。その後、07年に締結した日米軍事情報包括保護協定を受け、米国から改めて軍事秘密保護法の早期整備要求がきた。
 だが米国の例を見る限り、軍事機密漏えい防止と情報統制の線引きは慎重に議論されるべきだろう。なし崩しに導入すれば〈愛国者法〉と同様、監視社会化が加速するリスクがある。

震災直後、テレビ報道に違和感を感じた人々は、必死にネットなどから情報収集した。 だがもし原発や放射能関連の情報が国民の不安をあおり、公共の安全や秩序を乱すとして〈機密〉扱いにされれば、情報の入手行為自体が処罰対象になるだろう。
 
公務員や研究者・技術者や労働者などが〈機密〉を知らせれば懲役十年の刑、取材した記者も処罰対象になる。国民は「適正評価制度」により「機密」を扱える国民と扱わせない国民に二分されるのだ。

行き過ぎた監視と情報隠ぺいには私達も又苦い過去を持ち、国民が情報に対する主権を手放す事の意味を知っている。歴史を振り返れば〈言論の自由〉はいつも、それが最も必要な時に抑えこまれてきたからだ。
(週刊現代:4月14日連載「ジャーナリストの目」掲載記事)
※ ほかのページへのリンク:
戦争へのみち この国を守る決意 安倍晋三, 岡崎久彦著  2007.4.27  血の同盟 
戦争へのみち 集団的自衛権の行使を狙うものたち 2007.4.26
戦争へのみち 有識者懇談会が決まった 集団的自衛権  2007.4.26 (ブログ)
外務省が国民を惑わすような説明をしていいのか 日米安保条約 2007.1.24
憲法9条と集団的自衛権 2006.11.27   戦争の歯止めが蹴散らされようとしている
繰り返される東アジア脅威論 利権に巣食う勢力を排除ぜずして平和と安定は来ない  2006.10.10
海外派兵を恒久的に自衛隊の本来任務とする国際平和協力法(案)  2006.10.4 ・・・要監視!!
集団的自衛権 日本が危ない 自衛隊はあんたのおもちゃじゃない!  2005.4.14 ・・・集団的自衛権とは・・クドクド説明
集団的自衛権とはなにか 2003.9.28 ・・・ 石破(長官)は国民をだましても戦争につれて行くのか
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このページとは関係がなく恐縮ですが・・・
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『 あの時、バスは止まっていた 』 高知「白バイ衝突死」の闇


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単行本: 256ページ
出版社: ソフトバンククリエイティブ (2009/11/16)
ISBN-10: 4797353899
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あなたはどう判断する?
バスは止まっていたのか、動いていたのか?
バスに白バイが追突し白バイ隊員は死亡、そしてバス運転手は逮捕された──
しかし、バスの乗客は「バスは止まっていた」と証言、一方警察は「バスは動いていた」と主張。どちらが事実なのか?
運転手は無実ではないのか?
警察は事件を捏造したのか?
謎の多い事件の闇に鋭く迫ったルポルタージュ 『あの時、バスは止まっていた』。
これを読んだあなたの意見が事件の謎を明かす一歩となるかもしれない。
内容紹介
  ◎ジャーナリスト 大谷昭宏氏推薦

白バイは“黒バイ”か
地方局記者が執念で迫る

「これです」
被告の支援者が数枚の写真を取り出した。
路面には黒々とした二本の筋。
裁判で有罪の決め手となった、スクールバスの「ブレーキ痕」だ。

「このブレーキ痕は、警察が捏造した疑いがあります。これは冤罪ではありません。警察組織の犯罪です」

――二〇〇六年三月三日午後二時半頃、高知県旧春野町(現高知市)の国道五六号で、高知県警の白バイと遠足中のスクールバスが衝突し、白バイ隊員(二十六)が死亡。
バスの運転手、片岡晴彦さん(五十二)は現行犯逮捕された。
同年十二月には業務上過失致死罪で起訴され、翌二〇〇七年六月には禁固一年四カ月の実刑判決が高知地裁で下された。
その後、高松高裁、最高裁と判決は覆らず、二〇〇八年十月、片岡さんは獄中の人となった。

香川県と岡山県を放送エリアとする地方テレビ局「KSB瀬戸内海放送」。
同局の報道記者である著者のもとに突然、見知らぬ男性から電話が掛かってきた。
男性は、「この裁判は作られたものだ」と訴えた。
事件が発生した高知県のマスコミは、どこも耳を貸してくれない。
藁をもすがる思いで、かすかなつてを頼って県外の地方局の記者に連絡してきたのだ。

この一本の電話をきっかけに片道三時間半、著者の高知通いの日々が始まった。
法廷の場で結審されたとはいえ、不可解な点が多々ある高知「白バイ衝突死」事故。
本事件の闇を徹底的に追った渾身のルポルタージュ!

◎テレビ朝日『報道発 ドキュメンタリ宣言』の放送で大反響!
  
    ■ 耐震偽造で新たな展開になっています ご興味があればごらんください --> まとめページをアップ   2006.10.20

























































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