++ 国債って、だれが買ってる? ++
2012.1.29 2012.1.4 2008.9.1 2006.6.20初版

国債って、だれが買ってる?

以下のデータ(2002年3月末)は古く、厳密さは欠けますが、
だいたい誰がどのくらい持っているかは知ることができます。
銀行、郵貯・簡保が8割です。
ということは、預金とか貯金のかなりの部分が国債に化けていることになります。
ですから、国債を買ってない人が
「自分は国債を買ってから国の借金に関係ない」みたいな錯覚を持たれるかもしれないですが、
この実態を知れば考えを改めることでしょう。
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日銀が発表している資金循環統計などによると、
日本国債の保有者 割合
銀行などの民間金融機関 4割
郵貯・簡保 2割
その他の公の機関(郵貯・簡保を除く) 2割
日本銀行 1割5分弱
一般個人、会社 5分

もう少し詳細に見てみると、 (クリック↓で原寸大)
  クリックで原寸大
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上の表のように日銀も保有していますが、いつから保有していたかはデータが掴めずよくわかりません。
郵貯が持ち始める1986年より前からであろうと推察されます。
平均すれば10%強持っていたということになります。
外国人投資家の保有状況ですが、
下図によればこの2002年3月の時点から海外投資家よる日本国債の保有が増加し始めます。
なんと2008年では2倍以上になっています。

・・・ 国債は「ニッポン人が買ってるから大丈夫」と、外人保有が50兆円を超えている状況を無視することができるか ・・・
外人保有分


日銀が国債をもっているというのもなんか変?
日銀はお札を印刷・発行するところで、
自分で刷った紙幣(紙とインクと人件費などはかかるが)で国債を買う
(引き受けという用語はまずいらしく、保有というらしいですが・・・)というは、
どうみてもヤバイのではないかと素人には思えるのです。

で、調べてみると、縛りがあるようです。

財政法の第五条で禁止されている。

「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない」

と原則禁止です。その理由はこんなことでしょうか。
国にお金がなくて困っていて、あとは日銀にせっつくしかない場面を想定してみます。
「お金がないので、しゃぁない。これから国債を発行するのでその金額分のお札を刷ってそれで国債を買ってくれ!」
日銀もそれに応える。

すった分だけお札の量が増える。そのお札は公務員の給与として支払ったり、各省庁が行う事業などに使う。
それらの紙幣は従来出回っていた紙幣とは区別がつかず町中に流れていく。

従来から出回っていた紙幣の総量だけならば、物とお金の量がつりあっていたが、そこにドドッと新たな紙幣が入り込んでくれば、物の量は以前と同じなのにお金だけ多くなってしまうことになる。そうするといままで買い控えしていた人も買いたくなり、その物に殺到することになり、物は増えてないわけなので必然的に物の値段がつりあがり、つまり、お金の価値が下がってしまう。
行き着くところは、いままで以上にたくさんのお札をもっていかないと同じものが買えなくなってしまう。 いわゆるインフレになる。

行き過ぎたインフレになるとまずいので、日銀がその片棒を担ぐことをやってはいけないよと、この第5条で禁止しているのだろうが、
この法律にも抜け道が用意してあって「国会が別に決めればいいよ」となっている。

■ いつまで国債を買い支えることが出来るのか (追記) --> その対策

このテーマは国債が安定でいられるかを考えるうえで重要な要素になると思うので考えてみます。
ところで、国債残高が山のようにあるのに、政府はさらに発行し、投資家はそれを買おうとします。
政府は政府で国債を発行し、その半分ほどを当てにしないと元本や利息も払い戻せない現実があります。
投資家も投資家で、安直に利益を得られる国債をスルーする訳にはいかないという実態があり、
互いの利害関係が一致しています。

だれかが食い止められなかったのか
そもそも旧大蔵省・財務省が国債を発行さえしなければ、
いくら買いたくても買えないわけですので、買う方に責めがあるとも思えません。

毎度、お見苦しく鬱陶しい図で恐縮ですが・・・

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このページとは関係がなく恐縮ですが・・・
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◎ジャーナリスト 大谷昭宏氏推薦

白バイは“黒バイ”か
地方局記者が執念で迫る

「これです」
被告の支援者が数枚の写真を取り出した。
路面には黒々とした二本の筋。
裁判で有罪の決め手となった、スクールバスの「ブレーキ痕」だ。

「このブレーキ痕は、警察が捏造した疑いがあります。これは冤罪ではありません。警察組織の犯罪です」

――二〇〇六年三月三日午後二時半頃、高知県旧春野町(現高知市)の国道五六号で、高知県警の白バイと遠足中のスクールバスが衝突し、白バイ隊員(二十六)が死亡。
バスの運転手、片岡晴彦さん(五十二)は現行犯逮捕された。
同年十二月には業務上過失致死罪で起訴され、翌二〇〇七年六月には禁固一年四カ月の実刑判決が高知地裁で下された。
その後、高松高裁、最高裁と判決は覆らず、二〇〇八年十月、片岡さんは獄中の人となった。

香川県と岡山県を放送エリアとする地方テレビ局「KSB瀬戸内海放送」。
同局の報道記者である著者のもとに突然、見知らぬ男性から電話が掛かってきた。
男性は、「この裁判は作られたものだ」と訴えた。
事件が発生した高知県のマスコミは、どこも耳を貸してくれない。
藁をもすがる思いで、かすかなつてを頼って県外の地方局の記者に連絡してきたのだ。

この一本の電話をきっかけに片道三時間半、著者の高知通いの日々が始まった。
法廷の場で結審されたとはいえ、不可解な点が多々ある高知「白バイ衝突死」事故。
本事件の闇を徹底的に追った渾身のルポルタージュ!

◎テレビ朝日『報道発 ドキュメンタリ宣言』の放送で大反響!
  
    ■ 耐震偽造で新たな展開になっています ご興味があればごらんください --> まとめページをアップ   2006.10.20