夢まあるく舎のページ
  ー人形劇のプレゼントー

 10数年前、練馬区に、「子どものための劇場とひろばをもつ、子どものくにをつくる会」という活動がありました。(この運動に関する詳細は、下記をご覧ください。)しかし、バブルの崩壊と共に巨大な箱ものの建設を望む気持も薄れ、むしろ、細やかに子ども達のところへ訪れる活動の大切さを思うようになりました。いまもそしてこれからも、子ども達を取り巻く状況が、よくなる兆しは見えません。社会に適応する準備の整っていない年齢で、その渦中に否応にも放り出されてしまう現代社会です。病んでいる負の部分に触れざるをえない子ども達の環境の中に、健康なエネルギーを僅かずつでも注いでいくことができればと思います。
 さて、私達にできることは、人形劇を楽しんでもらうことです。だけど、観に来られる子たちばかりではありません。観にきてもらうだけではなく、観てもらうために、こちらから出かけていかなければいけないのではないかと思うようになりました。
 そこで、「子どものくにをつくる会」の活動終止に伴い、その残った資金を子どもたちに還元しようということになりました。とはいえ、細々とした資金ですので、できることには限りがあります。人形劇をプレゼントするとして、運搬費は基金から出せば、何とかやりくりしていけそうです。
 
 という訳で、人形劇のプレゼント希望を受け付けています。
      
   1、福祉施設、病院等で、こども達に人形劇を見せたいけれど予算があまりないというかた。
   2、伺うのは、「夢まあるく舎」「グリムカンパニー」です。
   3、年間3ステージ程。
   4、お問合せは こどものくに基金へ。

                                              「こどものくに基金」事務局長 対馬和子

                  こどものくにをつくる会とは 
 
    子どものための劇場と広場を持つ、「子どものくに」(仮称)についての請願 (1989.6.19)
 主旨
1、練馬区に子どものための劇場とひろばをもつ「子どものくに」(仮称)をつくってください。
1、「子どものくに」(仮称)の設置にあたっては、私どもの夢が実現できるよう、請願者をふくめた子どもの文化・教育関係者による懇談会等の検討の場を設けてください。
 理由
 今こどもたちの間には、受験戦争のひずみ、家庭の中のひずみ、社会のもろもろのひずみの中で、いじめ、暴力などの痛ましい現象が起きています。
 私たちは、子どもが健全に育つための文化環境として、親と子のふれあいの場、遊びの伝統を継承する場、信頼しあえる友だちづくりの場、そして地域の文化を子ども達に伝える場となることを願い、劇場をメインとして、自然を生かした広場に囲まれた「子どものくに」(仮称)をつくってくださるよう、請願いたします。
 子どもたちが人形劇、演劇、音楽などをゆったりと楽しく鑑賞できて、自分たちも演じたり創ったりできる場所があるような劇場と、水遊び、キャンプ、冒険ひろばなど、せいいっぱいからだをうごかして、自由にあそべるようなひろばをもった施設ができることを願っています。
      
 
 文化活動の拠点としての機能をもった「子どもの劇場」が欲しいという思いで、「子どものくにをつくる会」は設立され、その実現のため署名活動や、活動資金を得るために「ちびっこフェスティバル」の開催等、募金活動も行いました。代表は、漫画家のちばてつや氏で、その他、松谷みよ子氏など多くの練馬在住の文化人の方々が請願人となってくださいました。
 この請願書は1万1千余名の署名とともに、練馬議会に1989年6月に出され、翌1990年3月に本会議で採択されました。その後、1993年に練馬区長期総合計画「区民プラザ」が計画され、その検討委員会の委員にちばてつや氏が就任し、少しずつ夢の実現かと喜んでいたのもつかの間、バブルの崩壊であえなく頓挫してしまいました。