| らんだむ書籍館 |
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表紙 |
| 本書の特徴と、内容の一部紹介 |
| 里べには 笛や太鼓の音すなり み山は さはに 松の音しつ |
| わが待ちし 秋はきぬらし このゆふべ 草むらごとに 虫の声する |
| 飯乞ふと われ来にけらし 此の園の 萩のさかりに 逢ひにけるかも |
| 露おきぬ 山路はさむし 立ち酒をしてかへらむ けだしいかゞあらむ |
| いついつと待ちにし人は 来たりけり 今はあひ見て 何かおもはむ |
| なほざりに そとにでて見れば 日はくれぬ 又たちかへる 君がやかたに |
| 山かげの 岩間をつたふ苔水の かすかに我は すみわたるかも |
| かしましと おもてぶせにはいひしかど このごろ見ねば 恋しかりけり |
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乙宮の 森の木下 |
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越路 |
| 春ごとに 君がたまひし雪海苔を いまより後は たれかたまはむ |
| 百つたふ いかにしてまし 草枕 旅のやどりに あひし子らはも |
| また来むといふて わかれし 君ゆゑに けふもほとほと おもひくらしつ |
終