らんだむ書籍館 |
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表紙
(右下に見える「苦楽」の文字は、表紙デザインの |
目 次
表紙・扉・目次・カット 青山 二郎 小説 「俘虜記」 (100枚) 大岡 昇平 金瓶梅 林 房雄 短歌 枯山水 吉野 秀雄 文芸時評 深田 久彌 座談会 石川 達三・林 房雄・川上徹太郎 亀井勝一郎・上田 広・草野 心平 船橋 聖一・今 日出海 風神雷神 (匿名のコラム) 編輯後記 亀井勝一郎 |
記事の一部紹介 |
文学界 後記
今月は 大岡昇平氏の「俘虜記」(百枚)をもつて 巻頭を飾ることがが出来た。 大岡氏は フランス文学の翻訳者としてすでに著名で、知ってゐる人も少くないと思ふが、作品としては これが最初のものである。 敗戦の孤島における 死との対決を主要テーマとし、外部の異常変化と、それが心裡に投影する刻々の相を 執拗に追求してゐるが、内面化の深さにおいては、従来のこの種のものの中では比を見ざる 第一級の作品と思ふ。 単に記録的興味だけではない。 これに付属した作者の精神と創作力は、生死無常の機微を克明に描きえて、戦時戦後の全期間を通してみても おそらく最もユニークな作である。 今年度劈頭の佳品として 愛読を頂きたい。
終戦後、あらゆる方面で日本古典の研究がおろそかになつたことは 遺憾である。 今こそ 一切の制約なく、自由にその個有美を発掘出来る筈なので、この方面にも 文学界は今後、折にふれて新しい開拓をつゞけたい。 二月は寒いが、やがて春の訪れも近いであらう。 読者諸君も 風邪をひかぬやうに御大切に。(亀井勝一郎) 空白
文学界 同人
井伏 鱒二 石川 達三
林 房雄 丹羽 文雄
堀 辰雄 川上徹太郎
亀井勝一郎 横光 利一
太宰 治 中村 光夫
上田 広 草野 心平
真船 豊 舟橋 聖一
藤沢 恒夫 深田 久弥
今 日出海 佐藤 信衛
坂口 安吾 岸田 国士
三好 達治 神西 清
火野 葦平 森山 啓
芹沢光治良
文学界社・社告
同人、横光利一は 去年十二月三十日眠去いたしました。 横光は わが文学界創刊以来の同人として、本誌のため 終始力をつくしてまゐりました。 我々同人一同 ここに深く哀悼の意を表するとともに、生前の諸友知己に対し 久しき御厚情を感謝申し上ぐる次第です。 告別式は 一月三日無事終了いたしました。 尚 本誌は四月号を横光追悼号として 霊前に捧ぐる予定であります。「文学界」同人 空白
終