表紙

目 次 　編輯同人 　刊行の趣旨 　『明治文化全集』は如何にして編纂されたか 吉野作造 　内容概目 　組方見本 　『明治文化全集』に対する感想 　明治文化関係図書目録の贈呈 　予約規定

『明治文化全集』は如何にして編纂されたか

吉野作造 識

　私は 編輯担当者を代表して 『明治文化全集』 が 如何にして編纂されたかを 一言して置きたい。

　私共が 日本評論社の申出に応じ 『明治文化全集』の編纂を引受けたとき、固より 之を成し遂げ得る自信が無かつたのではない。　何となれば 私共は早くから此の方面に特別の注意を傾け、今までに可なり多くの文献を集めて居るばかりでなく、又 周囲には沢山の同好の友を有つて居るからである。　敢て 「私共」とは云はない、「私共並に私共の周囲の後援者」がこの事に当るとき、『明治文化全集』の編纂に関しては、他に之れ以上の適任者を見出し得ざるべきは敢て自ら信ずる所である。　けれども 愈々手を下して見ると、注意の行き届いて居ない所 又 研究の十分ならざる所の多々あることが発見されて、更に大に努力せねばならぬ必要を痛感した。　それが為に 同人の会合協議したこと 幾回なるを知らぬ。　後援者の来会を乞ふたこと 亦一再ならずある。　且 一度は 東京及び京阪の大新聞に広告して 弘く天下の助言を求めたことすらもある。

　第一の準備行為として私共は、各自所蔵する所の書物を調べ上げ、それに友人後援者の秘蔵するものを追補して 「関係書目」稿本を作つた。　この中から『明治文化全集』に収載すべきものを択ぶのであるが、一層の完璧を期するため、目下 各大図書館の蔵書目録をも参照して 丁寧なる増訂を施しつゝある。

　第二に 私共は、日本評論社に対（むか）つて 編輯担当者としての希望を述べ、且 出版完成の責任を取るに付ての 決心を質した。　明治文化研究の基礎的典拠として恥しからぬ定本を供給するのでないなら、態々私共の乗り出す必要はないのだ。　この事業私共の参加を求め来る以上、搊をせよとは云はぬが、少くとも多少の犠牲を忍び 利害の打算の外に於て 幾分学界に奉仕するの公共心がなくては困る。　この点に駄目を押して、日本評論社の人々の熱心な賛同を得たのは、 私共の大に喜ぶ所である。

　第三に 私共は 同好の先輩友人に対つて、詳細の案を具し 其協力を求めた。　編纂に付ての助言も勿論必要だが、収載すべき文献の広く各方面に亘（わた）るだけ、其校訂解説に付ては 私共の手に負へぬものもある。　少くとも 私共自らやるよりも 夫れ夫れの専門家に願つた方が遙にましだと云ふ場合が稀でない。　責任を以て善本を提供するには、此点で 誠実な専門家の事実上の援助に恃む必要が大にあるのだ。　而して 先輩友人の多数が、私共の懇願を待つまでもなく、進んで出来るだけの助力を約束されたのは、私共の欣喜雀躍に堪へぬ所である。

　斯くて私共は 屢々会合協議を遂げ、大体 次のような編纂方針を立てたのである。

一、	雑然たる集成でなく、学問的研究の対象たるに応はしい 系統的彙類を立てること。
二、	各項目の中に収むる文献は 次の標準に依て 採択せらるべきこと。 （イ）当該事項の大体の発達を明にせる記述　（ロ）特殊重大事件に関する詳細なる報告　（ハ）側面から世相を写せるもの　（ニ）将来の発展を示唆するもの　（ホ）時代流行の特殊の思想の表明　（ヘ）時代の発達を促したる思想の説述
三、	坊間にありふれたものは 右（上）の条件に合するも 之を除き、之に反して 容易に得られざるものは 多少条件に欠くる所あるも採ること。
四、	成る丈け 原形を存するを本則とするも、一々専門家の目を通し、その責任に於て十分の校訂を加ふること。
五、	収載の各文献には 一々詳細なる解説を付し、その文化史的価値を明にすること。

　右（上）の方針に基き 『明治文化全集』は 左（下）の二十四篇に彙類することにした。

一、皇室篇	皇室と民間との接触、殊に皇室の動静が 明治初期の文献（就中 新聞雑誌）に如何に伝へられたかを 明にする。　明治大帝が自ら問題の中心になるは 申すまでもない。
二、正史篇	明治時代の進歩の大体を記述せしものを 収める。　但し 月並の歴史は採らぬ。　歴史としての正しい体裁はなさぬとしても、偽らざる材料の豊富なるものを集め、以て今後の研究の参考たらしめたい考である。
三、雑史篇	之は 正史篇の傍系に属するもので、例へば 福島事件の裁判傍聴筆記とか、保安条例に依る退京始末とか云つた類のもの 及び 社会の表面に活躍された人々の伝記閲歴等を集める。
四、憲政篇	維新直後、公議輿論政治が試みられ、やがて民選議院設立の建白となり、政党運動の盛な時代を経て、遂に憲法発布となつたまでの、表裏両面の史実を集める。
五、自由民権篇	封建時代の桎梏に圧されてきた 我々の父祖が、西洋の自由思想に触れて 如何なる感激を覚えたか。　その言ふ所に 皮想浅薄の非難を加ふる前に、之れが実に 近代日本国民の発展を促した原動力たるを知らねばならぬ。　この事は この篇に依て明にされる。
六、外交篇	明治初年の対韓対清その他の外交案件に関する記録と、条約改正 内地雑居の諸問題の論説が 主たる内容をなすだらう。
七、政治篇	明治の政治は 立憲制度の準備並に試行を 大体の要素とする。　その歴史上の運びは 之を憲政篇につくしたが、その根底となり指導精神となつた思想の何たるかは、この篇を以て 之を明にしようと期する。
八、法律篇	明治時代の モ 一つの特色は 法治国主義の採用である。　今日見るが如き諸法典は 日清戦争頃を境として大体整つたのだが、それまでの経過時代に於て、我々の先輩は如何なる法律思想に拠つたか。　是も大事な問題である。　則ち 本篇を加へた所以。
九、経済篇	明治時代の経済・財政・産業の諸方面に亘り、その理論と実地とが如何に影響し合つて 国運の興隆に貢献したか。　本篇は この点を十分に明にするだらう。
一〇、教育篇	学理及び実務の方面から、明治の教育の進歩発達に貢献した諸要素を明にせんことを期する。
一一、宗教篇	明治初年 猛烈に迫害されし仏教が、民間信仰として 又 国民の思想的の糧として、如何なる途を辿つて復興したか。　王政維新と共に台頭せし神道の 其後の運命は如何。　維新前後に於ける天主教問題と、其後に於ける新教の興隆、並に 之と日本国民思想との交渉如何等が、本篇の中心主題を為す。
一二、文学芸術篇	文学芸術の方面に於て、当初 所謂実学の摂取に忙しかつた我々の先輩が、如何にして 段々目醒めて来たか。　理論並に作品の両方面に亘つて 代表的文献を収録する。
一三、時事小説篇	言論の圧迫に憤慨した当年の志士が 小説に隠れて政論を吐いたものもあれば、段々時勢に遅れて行く往時の戯作者流が 題材を新奇な政界に取て 世上の好尚に迎合せんとしたものもある。　孰れも 芸術品としては許し難いが、当時の世相の反映として観るに 亦 俄にすて難いものが多い。　一般の民衆がその時代をどう観てゐたかを識るには、之に越した資料はないと思ふ。
一四、飜訳文芸篇	西洋の文芸ものは 可なり早くから我国で飜訳されて居る。　飜訳の動機は種々雑多であり、従て 原本の種類も 各般の方面に亘つて居る。　概して之を云ふに、之等飜訳文芸は、後年の日本文学創成の揺籃であり、又 暗々裡に 読者階級の思想的開発を促した道案内である。　明治文化の構成発達を考ふる上に 亦 欠くべからざる要素である。
一五、思想篇	文明開化・自由民権の声の喧しい時代に、或は之に伴つて 又 或は之に逆うて、色々の思想の民間に発酵したことは 怪むに足らぬ。　之等を陳列して見るのは、一面に於て 精細に時代を知るよすがとなるのみならず、他面また 国民精神活躍の方向を確むるたよりとなる。
一六、外国文化篇	明治初期の文化的活動は 泰西文明の刺戟に促されたものなるは 言をまたない。　そこで 当時の識者は外国の文化を如何に理解したかが問題になる。　問題の性質上 本篇には 明治と遠からぬ幕末の刊行物も 載ることになるだらう。
一七、新聞篇	日本の新聞は 外国新聞の飜訳から始まる。　維新当時は 新知識の紹介と時事の報道とを兼ね備へた。　やがて 官民間の中介の役目をつとめ、殊に庶民開導の機関に利用されたが、民選議院建白以後は 漸く官僚攻撃の政治的色彩を濃厚にする様になる。　之等初期の新聞の中から 最も興味あるもの数種を 代表的に収録する。
一八、雑誌篇	西洋の雑誌の飜訳は 幕府時代にも洋学者に依て試みられた。　併し 日本人が其思想発表の機関として最初に企てたものは 明六雑誌である。　一両年遅れて 政府攻撃の猛烈な政治雑誌も現われた。　憲法発布頃までに出た 之等の雑誌類の中から 最も明治文化に関係深きものを収める。
一九、風俗篇	維新以後の国民生活が 衣食住の全般にわたりて 急激な変化を受けたことは云ふまでもない。　而して 之等の変化は 如何の程度に襲ひかゝり、又 国民自身が如何の態度で 之を受容したか。　之等の興味ある問題に付き、本篇に於て 遺憾なき解釈が与へられる。
二〇、文明開化篇	明治初年 文明開化の風が日本の津々浦々を吹き捲つたことは 人の知る所である。　之に由て 人智の開発を促したことは勿論だが、浅薄軽率の外国模倣が 飛んでもない社会的混乱の因となつたことも疑ない。　新旧混淆の紛乱時代を明にするのが この篇の目的である。
二一、社会篇	近代的意義に於ける 所謂 社会問題の発生とは 日清戦争以後の現象と謂つていゝが、その萌芽とも観るべき思想と実行とは、明治の初年からあつた。　政府の施設として 平等思想に基く解放諸令の発布あり、民間の運動として 官権・財権に対する反抗がある。　経済的利害を同うせざる諸階級の争ひの 可なり深刻なるものも少くはない。　之等に関する文献を 本篇の中に網羅したい考である。
二二、軍事篇	軍事の 最近における発達と其動因とは、所謂 明治文化の一現象としては 特に注意する程のことはない。　我々の格別攻究するを要するは、昔し武士の独占的職業として 他の介入を許さざりし軍事が、如何にして 遂に国民一般の負担する所となり了うせたかの点にある。
二三、交通篇	明治になつてから出来たもので、国民生活の改造の上に最も大きな影響を与へたものは 交通機関である。　郵便・電信・鉄道・船舶等が 如何にして今日の様に普ねく行き渡るに至つたか。　之に関する先覚の苦心 又 之に対する民間の理解を明にすることが 亦 明治時代を考へるに頗る重要である。
二四、科学篇	自然科学も亦 概して窮理・舎密・博物等の名で 明治初年から段々我国に輸入された。　之等の新学に当時の人の付した値打は勿論、之等をどの程度に理解したか等は、其頃の学者の著作と共に、頗る我々の感興をそゝる題目である。　後年の発達を知る上に、そこまで進んで来た跡を辿つて見るのは、面白くもあり 又 有益でもある。

　猶ほ 以上各篇に差当り収載せらるべき予定書目は 別の個所に列挙さるるであらう。

内容概目

第一巻・皇室篇	行在所日誌 東巡日誌及還幸日誌 東巡録・東巡録・陸路の記 雲上明覧・御略譜 ｛東京城日誌・太政官日誌・新聞雑誌｝中より皇室に関する記事抄録 其他略
第二巻・正史篇	明治政史 （指原安三） 同上索引 （吉野作造 編輯） 大蔵省沿革史 （大蔵省） 横須賀造船史 （横須賀鎮守府） 其他略
第三巻・雑史篇	鶏肋 （勝安房） 明治建白沿革史 （戸田十畝） 内外政党事情 （中村義三） 福島事件公判傍聴筆記 （渡辺義方） 大坂国事犯公判傍聴筆記 （石川伝吉） 東京府会賄賂事件公判傍聴筆記 （伊藤哲三） 政党評判記 （利光鶴松） 明治十六年・各政党盛衰記 （酒井忠誠） 近事奇談・内幕話 （渡井新之助） ゆめぢの記 （島本仲道） 松本順伝・長与専斎伝 往事録 （西村茂樹） 回顧録 （塩谷良翰） 其他略
第四巻・憲政篇	御誓文 及 政体書 公議所日誌 及 集議院日誌 議案録 及 決議録 国権編纂起源 （宮島誠一郎） 民選議院集説 （桜井忠徳） 地方官会議日誌 府県会規則備考 村会議事便法 西哲夢物語（グナイスト） 須多因氏講義 私議考案（海江田信義） 国会設立方法論 （肥塚龍） 平民のめざまし （中江兆民） 第一期国会始末 憲法制定の由来 （穂積八束） 其他略
第五巻・自由民権篇	自由の理 （中村敬宇） ｛国体新論・真政大意｝ （加藤弘之） 自主新論 （高橋達郎 訳） 自主之権 （弘津弘信） 上木自由論 （小幡篤次郎） 天賦人権論 （馬場辰猪） ｛天賦人権弁・言語自由論・一局議院論｝ （椊木枝盛） 人権新説 （加藤弘之） 同上駁論集 無上政法論 （板垣退助述 和田稲積編） 主権論纂 （長束宗太郎） 自由略論 （大井憲太郎） 掌中論士必携 其他略
第六巻・外交篇	英国王子接待始末 馬利亜老士船裁判略記 （林道三郎 訳） 征韓評論 （佐田白茅） 大久保利通 「使清弁理始末」 日本支那談判始末 （多田直縄） 日清貫珍 （佐田白茅） 朝鮮京城事変始末書・井上大使復命書 金玉均 （葛生玄晫） 伊藤博文 「使清復命書」 下関償金 米国両院議事録 （鈴木徳輔） 外交秘話 （井上毅） 条約改正論 （馬場辰猪） 内地雑居論 （高橋自恃） 東方策 （稲垣満次郎） 日本外交始末 （渡辺修二郎） 其他略
第七巻・政治篇	｛鄰草・立憲政体略｝ （加藤弘之） 和蘭政典 （神田考平 訳） 英政如何 （鈴木唯一 訳） 英国成文憲法纂要 （尾崎三良 訳） 万国政体論 （箕作麟祥 訳） ルソー民約論（朊部徳 訳） マキアヴエリ 経国策 （杉本清胤 訳） ベンサム 利学正宗 （陸奥宗光 訳） エドマントポーリング 政治論略 （金子堅太郎 訳） スペンサア 代議政体得失論 （平松熊太郎 訳） 国権汎論 （小野梓） 近時政論考 （陸実） 経世新論 （杉田定一） 三酔人経綸問答 （中江兆民） 政党弊害論 （千賀鶴太郎 訳） 其他略
第八巻・法律篇	泰西国法論 （津田真道 訳） 性法略 （神田孝平 訳） 万国公法 （西周 訳） 万国通私法 （若山儀一 訳） モンテスキュー 万法精理（何礼之 訳） ベンサム 立法論綱 （島田三郎 訳） ベンサム 民法論綱 （何礼之 訳） ベンサム 刑法論綱 （林董 訳） 緬氏古代法 （鳩山和夫 訳） 法学指鉞 （フルベッキ） 合衆国民業律 （藤田九二 訳） 英国裁判所略説 違式註違条例 情供証拠誤判録 （高橋健三 訳） 探偵淵規 （森沢徳夫） 法律命令論 （伊東巳代治） 憲法大意 （穂積八束） 「法規分類大全」抄 （敵討禁止問題・妾名存廃問題等） 其他略
第九巻・経済篇	｛農商弁・経済小学・泰西商会法則｝ （神田考平） 商社規則 （通商局） ｛交易問答・西洋各国盛衰強弱一覧表・二百年後の日本人｝ （加藤弘之） 経済要旨 （西村茂樹） 会社弁 （福地源一郎） 立会略則 （渋沢栄一） 銀行規略 （加藤祐一） 銀行簿記精法 （大蔵省） 蚕種説 （柳川春三） 丸屋商社之記 万国政表 （福沢諭吉） 辛未政表 （杉亨二） 表記提綱 （津田真道） 人口論要略 （大島貞益） 経済事情 （伊東茂右衛門） 世界商売往来 （橋爪貫一） 英国賦税要覧 （何礼之 訳） 大隈重信 歳入歳出決算報告書 「東京経済雑誌」抄 其他略
第十巻・教育篇	モルレー稟報 和蘭学制 （内田正雄 訳） 仏国学制 （佐沢太郎 訳） 日本教育策 （森有礼 編） 日本教育史略 （文部省） 学校通論 （箕作麟祥 訳） 徳育方法論 （加藤弘之） 学制 小学入門 大学令 「教育雑誌」抄・「教育新誌」抄 「元老院改正教育令議事録」抄 其他略
第十一巻・宗教篇	唯一問答書並書継 三条演義 （田中頼庸） 十七兼題 修斎通書 （島地黙雷） 仏教一貫論 （村上専精） ｛真理金針・仏教活論序論｝ （井上円了） 天道溯原解 真理一班 （椊村正久） 求安録 （内村鑑三） 政教新論 （小崎弘道） 弁妄和解 教育ト宗教ノ衝突（井上哲次郎） 其他略
第十二巻・文学芸術篇	新体詩抄 （外山正一、矢田部良吉、井上哲次郎） 西画指南 （川上寛） 日本文章論 （末松謙澄） 日本美術論 （フエネロサ） 日本美術論 （岡倉覚三） 依緑軒漫録 （磯野徳三郎） ｛其粉色陶器交易・靴補童教学｝ （佐藤富三郎） 国語国字問題論集 戊辰以来新刊書目一覧 「国民之友」抄・「学芸志林」抄 其他略
第十三巻・時事小説篇	蓆旗群馬噺 ｛二十三年未来記・雪中梅・花間鶯・明治四十年の日本｝ （末広鉄腸） 獄裡の夢 （河野広中） 浪速の縲絏 （太田貞次郎） 青天霹靂 （須藤南翠） 日本之未来 （牛山良介） 時事新話 明治乗合船 （小柳津親雄） 新日本 （尾崎行雄） 二十三年国会未来記 （朊部誠一） 社会進歩 蜃気楼 （山内霊吉） 其他略
第十四巻・飜訳文芸篇	和蘭美政録 （神田孝平 訳） ユーゴー 五日記変英雄之肝胆 （野田藤吉郎 訳） 自由太刀余波鋭鋒 （坪内雄蔵 訳） トマスモーア 良政府談 （井上勤 訳） セキスピア　ロメオ ジユリエツト 西洋娘節用 （木下新三郎 訳） スコツト 梅蕾余薫 （牛山良介 訳） 仏蘭西革命記 自由の凱歌 （宮崎夢柳 訳） 仏国革命記 （河津祐之 訳） ギゾー 欧州文明史 （永峰秀樹 訳） 経国亀鑑ビツト伝 （土岐僙 訳） ユーゴー 愛国偉勲 （高橋基一 訳） 其他略
第十五巻・思想篇	泰西勧善訓蒙 （箕作麟祥 訳） ｛致知啓蒙・百一新論｝ （西周） 社会平権論 （松島剛 訳） 日本道徳論 （西村茂樹） 哲学一夕話 （井上円了） 理学鈎玄 （中江兆民） ｛将来の日本・新日本之青年｝ （徳富猪一郎） ｛真善美日本人・偽悪醜日本人・哲学涓的滴｝ （三宅雪嶺） 王法論・王道論 （鳥尾小弥太） 読書次第 （西村茂樹） 「栽培経済新誌」抄 「六合雑誌」（明治十二年）抄 其他略
第十六巻・外国文化篇	玉石志林 ｛鉛筆紀聞・曉窓追録・同補｝ （栗本鋤雲） 万国新話 （柳川春三） 蘭学事始 （杉田玄白） 世界七不思議 （青木舗清） 海外偉蹟叢伝 （星亨） 御雇外国人一覧 洋行漫筆並付録 （古川正雄） 西俗雑話 （松葉卓爾） 観風叢話 （藤田茂吉） 一読三嘆 （尾崎行雄 訳） 龍動新繁盛記 （丹羽純一郎 訳） 「輿地誌略」抄・「米欧回覧実記」抄 其他略
第十七巻・新聞篇	新聞紙実歴 （福地源一郎） 日本新聞歴史 （小池洋治郎） 新聞紙実歴談 （末広鉄腸） 新聞雑誌評判記 （高瀬紫峯） バタビア新聞 中外新聞 （明治元・二・三年分及別集） 都鄙新聞 内外新聞 郵便報知新聞 東京新報 新聞字引 新聞番付 其他略
第十八巻・雑誌篇	西洋雑誌 （柳河春三） 明六雑誌 （明六社） 洋々社談 （西村茂樹一派） 民間雑誌 （福沢諭吉一派） 家庭叢談 （箕浦勝人一派） 評論新聞 （集思社一派） 保守新論 （鳥尾小弥太一派） 利国新誌 （渡辺洪基一派） 憲法雑誌 「博物新誌」抄 「近事評論」抄・「政理叢談」抄 （中江兆民一派） 其他略
第十九巻・風俗篇	西洋衣食住 （福沢諭吉） 西洋料理通 （仮名垣魯文） 西洋時計便覧 （柳河春三） 西洋将棊指南 （柳河春三） 西俗一覧 （河津祐之） 英米礼記 （天野文雄） 東京開化繁盛誌 （高見沢茂） 開化年中行事 （松井惟利） 今昔較 （岡三慶） 安愚楽鍋 （仮名垣魯文） 明治の光 （石井橋南） 日本雑事詩 （清人 黄遵憲） 柳橋新誌 （成島柳北） 処世哲学 （犬養毅） 其他略
第二十巻・文明開化篇	｛文明開化・進歩の目的｝ （加藤祐一） 開化問答 （小川為治） 因循一掃 （増山守正） 開化新説 （黒田行元） 開化評林 （阿部敬五郎） ｛近世女大学・文明論女大学｝ （土居光華） 教訓洗湯論 （瓜生政和） 後世夢物語 （上条信次） 其他略
第二十一巻・社会篇	樊噲夢物語 一名 新平民回天談 （杉浦重剛） フオーセツト 貧困政治論 （大野直輔 訳） 英国今日の社会 （片山潜） 社会問題 （江口三省） 四民のめざまし （中江兆民） 労働問題 （吹田鯛六） 日本の社会軋轢及救済法 （下村房次郎） 現時の社会問題及社会主義者 （山路愛山） ｛社会主義全集・新社会｝ （矢野文雄） ミル 男女同権論 （深間内基 訳） 其他略
第二十二巻・軍事篇	兵士懐中便覧 （福沢諭吉） 兵役問答 （石村貞一） 徴兵免否要録 英国海軍律令全書 （子安峻 訳） 海軍沿革論 （内田正雄 訳） 撰兵論 （ポドウイン） 日本の社会軋轢及救済法 （下村房次郎） 現時の社会問題及社会主義者 （山路愛山） ｛社会主義全集・新社会｝ （矢野文雄） ミル 男女同権論 （深間内基 訳） 其他略
第二十三巻・交通篇	日本海運論 （日本経済会） 陸軍会社議定書 郵船会社沿革史 人力車の発明 （野口勝一） 「前島密自伝」抄 「駅逓公法」抄 「西洋事情」抄・「西洋聞見録」抄 其他略
第二十四巻・科学篇	｛百工開源・動物進化論｝ （石川千代松） ダルウイン 人祖論 （神津専三郎 訳） 陸軍会社議定書 格物入門和解 写真鏡図説 （柳河春三） 牛痘新説 （同上） 星学図説 （神田孝平） 天変地異 （小幡篤次郎） 奇機新話 （麻生弼吉） 窮理問答 （後藤達三） 長生法 （石黒忠悳） 精神病者の書体 （呉秀三） 「東洋学芸雑誌」抄 其他略

終