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表 紙 |
目 次 社寺建築略史 伽藍配置 仏堂 塔 門 社殿 構造概説 軸部・組物 屋根 構架 造作・装飾 堂内部 |
本文の一部紹介 |
社寺建築略史
古墳時代 (3世紀中ごろ~6世紀頃)
伊勢神宮や出雲大社の様式は、柱を掘立てとし、白木造りで、柱上に組物を用いず、床を高く張り、屋根は草ぶきで、反りがなく、壁を板壁とし、次の時代の仏教建築の様式とは違っているから、その成立は五世紀ごろとみてよいであろう。
飛鳥( 時代 (6世紀中ごろ~709))
6世紀の後半になって、朝鮮から仏教が伝えられると、大陸建築の様式により、飛鳥寺・法隆寺・四天王寺などが建てられた。 これらの建物は 高く基壇( を築き、床は土間で、柱は礎石) ( の上に立ち、柱上に組物を用い、屋根は瓦葺きで 反りがあり、壁は土壁で、木部には彩色が施されていた。)
奈良時代 (710~793)
仏教建築の黄金時代で、平城京を始め 各地に続々と大寺院が建立された。 唐( の建築様式が直接伝えられ、柱の膨みや 雲斗) ( ・雲肘木) ( がなくなり、組物が整備され、軒は二軒) ( となり、日本における仏教建築の基本的様式は この時代に完成されている。 仏教建築は神社建築にも影響を及ぼし、春日造) ( ・流造) ( ・八幡造) ( などの本殿形式は いずれも奈良時代末に成立したものと思われる。)
平安時代 (794~1182)
天台( ・真言) ( 二宗が伝来し、山地寺院が起り、礼堂) ( の付設が一般的となり、多宝塔) ( が 建てられた。 仏教建築の日本化が進み、日本住宅の床張り、檜皮) ( 屋根・蔀戸) ( などが仏教建築に採り入れられ、大陸風の土間のままのものは少なくなった。 中期からは 浄土教の発達により、阿弥陀堂) ( の造立が相ついで行われた。 神社に 仏教建築の廻廊・楼門・塔などを建て始めたのも この時代であるが、また 拝殿その他の諸建築も整備されていった。)
鎌倉時代 (1185~1332)
この時代の初頭、東大寺の復興にあたり、宋の様式が輸入された。 これを 大仏様( (天竺様) ( )と呼ぶ。 大仏様は豪放な様式で 東大寺その他に用いられたが、ごく生命の短いものであった。 しかし、これは 平安時代以来の様式(これを和様) ( と呼ぶ)に大きな影響を与え、その 貫) ( ・木鼻) ( ・桟唐戸) ( などは 和様に入って、和様に新しい美しさを増した。 禅宗の伝来に伴う 禅宗様) ( (唐様) ( )の輸入は、大仏様にやや遅れるが、禅宗の発展に伴って急速に発達し、鎌倉時代の末には全国的にひろがった。 禅宗様は 木割) ( の細い、装飾的手法の多い、整然とした様式である。 禅宗様の細部も 次第に和様のうちに採用されて、鎌倉時代末以後の建築で、大仏様・禅宗様の影響をうけない建築は ほとんど見られなくなった。)
室町時代 (1333~1572)
前半は 禅宗様建築の最盛期であったが、後半になって 幕府が衰微して行くと、中央の建築界は衰え、それに代って地方の建築界が勃興し、和様の禅宗様化が進み、建築装飾が次第に発達し、細部の変化あるものが多くなった。 神社建築も この傾向をうけて、変った社殿形式をもつものが多い。
桃山時代 (1573~1614)・ 江戸時代 (1615~1867)
初期は 応仁の乱後衰えた社寺建築の 復興時代であった。 室町時代以来 発達して来た建築彫刻は、その後 目覚しい発展をとげ、豪華・華麗な桃山様式を出現させた。 また中世に起った新宗派である 浄土宗・真宗・日蓮宗などが、大寺院としてその基礎を確立したのも この時代であった。 しかし、時代はすでに宗教建築の時代ではなく、建築界の主流は 城郭・住宅などに移って行った。
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金 堂
飛鳥奈良時代の仏教は 三論( ・成実) ( ・法相) ( ・倶舎) ( ・律) ( ・華厳) ( の いわゆる南都六宗で、平安時代に入ると 天台・真言の密教二宗が伝わり、鎌倉時代には禅宗が輸入され、また 日蓮宗・浄土宗・真宗などが相次いで起った。 宗派により 本尊をまつる堂の吊称が違う。 南都六宗では 金堂(仏殿)、天台・真言両宗では 金堂あるいは本堂、禅宗では仏殿、日蓮宗・浄土宗・真宗では 本堂という。)
南都六宗の金堂は 仏殿院 (2) の中央に位置し、奥行は四間が普通で、正面は五間あるいは七間のものが多い (36) 。 最前列の柱に壁をつけないで、吹放( としたのは ここに回廊がつながるためである。 立面は 一重、一重裳階) ( (36) 付、二重などがあるが、稀には 薬師寺のように 二重で各重裳階付という変ったものもあった。 屋根は 入母屋造) ( (49) か 寄棟造) ( (49) が 多いが、奈良時代には とくに寄棟造が多かったらしい。)
これらはみな 大陸伝来そのままの形式であるから、基壇 (38) 上に立ち、板床 (38) を設けず、土間のままである。 なお 金堂が三つあるときには その位置に応じて、それぞれ 中金堂・東金堂・西金堂 と呼ぶ。 現存する主なものに 法隆寺(飛鳥)・唐招提寺(奈良)・当麻( 寺(鎌倉再建)・東大寺(江戸再建)のものがある。)
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興福寺 東金堂
終