陶居房ね・ふたもの生活

蓋物いろいろ

食べ物を入れようと思って作った蓋物ですが、使うかたの発想は
作り手の想像を超えています。
「こんなもの入れました」というお話を伺うのはとても楽しいです。

〜2015年秋号・蓋物のページ〜 陶居房ね

お月見

蓋物  蓋物

小さい里芋を皮もむかずに蒸かしただけの料理に、「きぬかつぎ」と名付けた古人は洒落ています。 指でつまんでちょっと塩を付けて、つるんっと口の中に入れるのが楽しいので、お月見のお供えにたくさん用意しました。
お月見団子のように盛り付けてもおいしそう。
これはちょっと多すぎたかなと思っても、残り物にまた楽しみがあります。

月見のあとのお楽しみ

蓋物  蓋物

残ったきぬかつぎは、つるんっと皮を剥き、蓋物に入れて冷蔵庫にしまいます。これが明日のお楽しみになります。
翌日、蓋を閉めたまま電子レンジで30秒ほど温めます。器が熱くなっていることがあるので注意して蓋を開けたら、 まずは簡単にバターを載せて醤油を垂らすだけです。
バターに替えてオリーブオイルでも。う〜ん、よい香りです。

もう残り物とは言わせません

蓋物  蓋物

トッピングに肉そぼろを載せれば、副菜に早変わり。ビールにも合います。
炒めたしいたけも好相性です。秋いっぱいの一品になります。残ったきぬかつぎは、明日のお楽しみ、わざわざ残しておきたくなります。
最後は、しいたけの蓋物に入れておいたきぬかつぎです。柚子味噌をのせました。
秋深まります。

十三夜

蓋物  蓋物

旧暦8月15日は、お月見できましたか。お天気が悪くて、お月見ができなくても、もう一度お月見のチャンスがあります。旧暦9月13日の十三夜です。
このころには、栗なども出回っています。栗の甘露煮や、渋皮煮を作って蓋物に入れておきます。お食事の箸休めやお茶請けになります。
甘さを控えめに作ったら、冷蔵庫で保存しましょう。ポット型の蓋物なら、出し入れしやすいです。

お土産の月餅

ポット型の蓋物  ポット型の蓋物

本場中国の土産に頂いた月餅は、直径9pくらい、その大きさに驚かされます。
これは小さいもので、もっと大きいものがあるそうです。
三方風の蓋物に載せました。
もともと三方は、下の台に折敷を載せた構造ですから、台の部分を升型にして蓋物にしました。

幸を分け合って

蓋物 


月餅が大きいのには、訳があると教えてもらいました。
月餅は、文字通り、月をかたどった餅で、満月は、家族団欒の象徴。
(満月の円形=完全なるもの=調和の象徴)
中秋節に、一つの月餅を家族分切り分けて、全員で食するものだそうです。
その時、不在の家族がいても、その人の分も切っておくのだとか。

いろいろな味が食べたいという欲張りな気持ちから切り分けましたが、一つのものを大勢で分けて食べるというのは、そのこと自体が幸せなことだと気づかされます。 切り分けた月餅を、大きな蓋物に入れて、これがおいしい、こっちもいけるとワイワイ言いながら満月のお菓子を楽しみましょう。

 

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