陶居房ね・ふたもの生活

蓋物いろいろ

食べ物を入れようと思って作った蓋物ですが、使うかたの発想は
作り手の想像を超えています。
「こんなもの入れました」というお話を伺うのはとても楽しいです。

〜2020年冬号・蓋物のページ〜　陶居房ね

ポット型とカップ型の蓋物は「とって」も便利

　

蓋物は、冷蔵庫や電子レンジに出し入れをすることが多いので、持ちやすいように蓋物に取っ手を付けました。 注ぎ口の飾りを付けたポット型と、取っ手だけのカップ型の蓋物です。ポット型でも口に穴は開けていないので、 入れたものが乾くことはありません。
取っ手の無い蓋物には、持った時に滑らないよう、側面に凹凸をつけています。

めでたい奴ら

縁起のいいものは身近に置くだけで、楽しいものです。鶴と亀といえば縁起物の代表格です。亀の蓋物は甲羅が蓋になっています。「喜ぶ」につながる縁起の良い食べ物、佃煮昆布を入れました。海つながりで、勝つ魚に聞こえてめでたそうな鰹の角煮を亀に入れて、さらに縁起良く。

　

鰹は招き猫に入れたら、勝ちを招きそうです。福を招く招き猫の蓋物は、蓋の閉める位置で表情が変わったように感じます。
机に置いて、仕事に疲れたらコインに見立てたマーブルチョコを一粒招き猫からもらいましょう。蓋を閉めたら「お疲れ様」って聞こえます。

続いては、不苦労の当て字で人気のフクロウです。ふっくらしたかわいらしい姿と、深く思いにふけるような瞳が神秘的です。物静かそうで、実は猛禽類というギャップがまた魅力です。ナッツを入れて、夜のお酒のお供にどうぞ。ふくろうの蓋物も、蓋の閉める位置で表情が変わって、私のつぶやきに答えを返してきます。

縁起物には動物だけでなく、梅や桃、唐草模様などの植物もあります。瓢箪はその姿が人を和ませるうえ、六つ集まると六瓢、無病と同じ音で縁起物となります。大きな六瓢の蓋物に、医者いらずともいわれるリンゴを入れました。無病息災を祈って。

身近にあって気持ちが明るくなるなら、それが縁起物。
あなたのめでたいものはなんですか。