食べ物を入れようと思って作った蓋物ですが、使うかたの発想は
作り手の想像を超えています。
「こんなもの入れました」というお話を伺うのはとても楽しいです。
〜2022年冬から2023年春へ・蓋物のページ〜 陶居房ね
蓋物は、冷蔵庫や電子レンジに出し入れをすることが多いので、持ちやすいように蓋物に取っ手を付けました。 注ぎ口の飾りを付けたポット型と、取っ手だけのカップ型の蓋物です。ポット型でも口に穴は開けていないので、 入れたものが乾くことはありません。
取っ手の無い蓋物には、持った時に滑らないよう、側面に凹凸をつけています。
「すまねぇなぁ」
「おとっつあん、それは言わない約束よ」
時代劇の貧乏長屋、長患いの父親を健気に看病する娘、この場面に必ず供されるのがお粥です。お粥からこれを連想するのは、一定以上の年齢層でしょうが、病気や胃腸を壊したときには、やはりお粥が一番です。
まずは白がゆに梅干し、少し回復してきたら炒り卵と一緒に。油を使わない炒り卵は手間がかかりますが、からだに滋養が広がるのを感じます。
しかし、このところ、お粥は病人食の呪縛を解かれて、洒落た食事になっています。ゆっくり休日のブランチを楽しむのに持ってい。特に寒い季節にはほっこりまったり、気持ちも胃腸も癒されます。
中華粥に合うトッピングを蓋物に用意しました。
極細い千切り生姜、ネギは白髪ねぎと小口切りを両方揃えて、メインのチャーシューは小さく刻み、ホタテの貝柱、とりのささみはほぐして粥に混ぜやすいようにしました。
あれば楽しさ倍増の揚げワンタンの皮とザーサイで、さらに本格的に。
ふうふうと粥をすすり、のんびり休日を過ごせます。
ほうじ茶で炊いた香りのよい茶粥も、休日のまったり食事に嬉しい献立です。
茶粥には京漬物を合わせました。
壬生菜に京山椒ごぼう、すぐきなどいずれも刻んでいます。茶粥に混ぜれば漬物のよい香りが広がります。それに、松葉と呼ばれる潮吹き昆布に、これまた香りのよいちりめん山椒で、気分はすっかり旅先。
七草粥は正月だけと決めずいただきましょう。7種類すべてそろえるのは大変ですが、春の七草のうち「なずな(蕪)」「すずしろ(大根)」なら簡単に用意できます。それぞれ葉を細かく刻んで炒め煮にするだけです。見た目は似ていますが、風味は全く異なります。白粥にのせて、即席七草粥風です。
お粥が恋しくなってきましたか。
蓋物にいろいろ用意して、休日のお粥時間をゆっくりお楽しみください。
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