食べ物を入れようと思って作った蓋物ですが、使うかたの発想は
作り手の想像を超えています。
「こんなもの入れました」というお話を伺うのはとても楽しいです。
〜2023年秋から冬へ・蓋物のページ〜 陶居房ね
蓋物は、冷蔵庫や電子レンジに出し入れをすることが多いので、持ちやすいように蓋物に取っ手を付けました。 注ぎ口の飾りを付けたポット型と、取っ手だけのカップ型の蓋物です。ポット型でも口に穴は開けていないので、 入れたものが乾くことはありません。
取っ手の無い蓋物には、持った時に滑らないよう、側面に凹凸をつけています。
湿度の高い空気がさわやかな秋の風に変わると、ナッツがおいしい季節です。秋に収穫されるピーナッツは殻付きのまま店頭に並びます。でも、実はピーナッツは、ナッツと言えども豆の仲間で、殻と見えたのは豆のさやだそうです。
サヤでも殻でも剥くのが面倒と思いますが、剥いて食べるうちに剥くことが楽しくなってきます。これも本能というものでしょうか。
とは言え、剥きピーナッツもおいしさは一緒、剥く手間の分口に運んで食べ過ぎてしまいます。蓋物に入れて食べ過ぎを防ぎましょう。
ピーナッツの甘味に醤油味の柿の種がよく合う柿ピーは、口に運ぶスピードが加速する危険なおいしさ。さらに柿ピーをつくね状に固めたお菓子は、もはや反則技。蓋物に入れても、伸びる手を止めることは難しいかもしれません。
ピーナッツはポリッとした食感だけでなく、煮落花生や茹でピーナッツでも独特なサクッとした食感が魅力です。煮落花生は他の煮豆ほど一般的ではありませんが、箸休めにおすすめです。茹でピーナッツは近年人気の台湾スイーツ豆花(トウファ)にトッピングされていますね。
甘じょっぱい落花生に味噌を絡ませた味噌ピーナッツは箸休めよりご飯のお供に。新米がすすみます。味噌は大豆ですから、実に豆豆しい食べ物です。
ピーナッツは、味も食感も個性的なのに、どんな味とも仲良くなれるため、いろいろな衣をつけて加工されています。どれもおいしくて困ります。
サクッとした衣にポリッとしたピーナッツが包まれています。衣はいろいろなものに変わります。
ピーナッツとチョコレートは切っても切れない深い仲。チョコボールの中身もピーナッツでしたよね。子供のころから知っている味。
胡麻ピーナッツは、その名の通り胡麻がまぶされて、香ばしさ二倍。ビーナッツのポリッと胡麻のプチッが噛むたびに香りを立たせます。
そしてコーヒー味は食べる前から蓋が閉められないと分かる組み合わせ、危険な香りいっぱいです。
右の梅干しっぽいのは、梅味の衣付きピーナッツです。合いそうになく思いますが、食べるとさわやかな酸味がピーナッツの甘味を引き立てています。
梅の酸味が合うなら、ラズベリーやリンゴ、ヨーグルトもやっぱり合いました。
いまや何と合わせても安心な抹茶味、何と合わせても大丈夫なもの同士なら、さらに大丈夫です。食べだしたら止まりませんよ。
色々な味とコラボするピーナッツ菓子には、不思議な名前の付いているものがあります。
左の亀の蓋物に入っているのは「出世豆」、割ったピーナッツに黒糖がまぶされています。濃厚な黒糖の甘味がピーナッツとよく合います。
右は「おとぼけ豆」、青のり・海老味・海苔味の三つの味の衣掛けです。三種類の味違いが食べ飽きさせません。
左のルリ色の蓋物に入っているのは「イカ寿(イカス)豆」、するめ入り衣の塩味が後を引くおいしさです。
右は「おのろけ豆」、醤油味の衣ですが柿ピーとはまた異なった風味です。
どれも言葉自体が使われなくなっている昭和な響きです。
イカ寿豆はするめイカにかけた名前だと気づきますが、他はさっぱりわかりませんので、売り場の方に伺いました。
出世豆は、真っ黒になるまで働くと出世できるという、古き良き時代のネーミングにグッときました。
次に、おとぼけ豆の名前の由来を想像できますか。それは、三種類の味を一緒に食べるととぼけた味になるという予想をはるかに超える驚きの由来でした。
最後におのろけ豆は、見た目には分かりませんが、実際に食べてみるとなるほどと思い当たりますよ。
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