食べ物を入れようと思って作った蓋物ですが、使うかたの発想は
作り手の想像を超えています。
「こんなもの入れました」というお話を伺うのはとても楽しいです。
〜2024年夏から秋へ・蓋物のページ〜 陶居房ね
蓋物は、冷蔵庫や電子レンジに出し入れをすることが多いので、持ちやすいように蓋物に取っ手を付けました。 注ぎ口の飾りを付けたポット型と、取っ手だけのカップ型の蓋物です。ポット型でも口に穴は開けていないので、 入れたものが乾くことはありません。
取っ手の無い蓋物には、持った時に滑らないよう、側面に凹凸をつけています。
蒟蒻って読めますか。蒟も蒻もどちらも他で使われているのを見たことがありません。そんな漢字を当てられた、不思議な食べ物が「こんにゃく」です。
こんにゃく自体には強い味はなく、ぷるぷると柔らかいのに噛み応えもある
個性がなさそうで個性の塊、唯一無二の存在感です。
まずは定番、こんにゃくを醤油味で煮漬けます。
玉こんにゃくにはスルメの旨味がしみ込でいます。
ピリ辛こんにゃくは甘辛醤油に七味を効かせました。
どちらも、箸休めにピッタリの常備菜です。
一つ一つこんにゃくを捻る手を想うからでしょうか、手綱こんにゃくからは、家庭料理の温かみが伝わります。捻ることで味がしみ込みやすくなります。
こんにゃく好きの私が見つけた赤こんにゃくです。鉄分で赤く染まっている滋賀県の郷土料理だそうです。食材としては珍しいマットな赤です。赤こんにゃくのしらたきは、白和えにしました。
衝撃的な色ですが、食感はこんにゃくそのものです。
暑くなってきたら、こんにゃくを煮るのは負担です。
そこで夏には、刺身こんにゃくが手間いらずです。刺身こんにゃくが水っぽくならないように、つけだれとは別々に冷やしておくのに蓋物が便利です。
以前は、柚子味噌や酢味噌のつけだれで、こんにゃくの臭みを消していましたが、最近の刺身こんにゃくは、まったく臭みがないため、いろいろな味で楽しめます。明太子マヨネーズやはちみつレモン味噌、ちょっとドロッとしている方が、刺身こんにゃくに馴染みやすいです。
臭みがないだけでなく、刺身こんにゃくは食感も進化しています。
右上はどう見てもそーめんですし、言われなければ気づかない食感で、その名もこんにゃく豆乳そーめん。だし汁に入れたまま冷やしておいても、ふやけないのが夏にピッタリです。
このカロリー高そうなジャージャー麺も、実はこんにゃく麺です。米粉が入っているので、しらたきとは違い麺っぽい食感です。進化していますね。
ダイエット食品、健康食品としても、こんにゃくは注目されています。こんにゃくの唯一無二の食感は世界に広がって、ますます姿を変えてゆきそうです。
刺身こんにゃくも食べ飽きて、筑前煮やお煮しめがおいしそうと感じたらもう夏も終わりです。こんにゃくは、煮物だけでなく炊き込みご飯や豚汁やけんちん汁にも入っています。入っていなくてはという食材です。
熱々のこんにゃくに味噌だれをつけた田楽が、恋しくなったら秋も深まります。大好物の真子をまぶしたしらたきが食べられるのは冬、もう少し先です。
料理の主役にも、脇役にも一年を通して出番の多いこんにゃくです。
今日の食事にこんにゃくありましたか。
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