インド皆既日食紀行

1999/8/11のヨーロッパ・トルコの皆既日食が近づいてきました。
私は今回は諸般の事情で観望に出かけられません。
1995/10/24のインド皆既日食のときにホームビデオで録画しました。
その一部を掲載します。
何度見てもその日素晴らしかった情景が蘇ってきます。
今年の観測、観望が成功することを祈りながら過去の記録を掲載します。

このビデオを再編集している際新たな発見がありました。
それは第2接触フィルタ使用の一画面でした。当時は気がつきませんでした。

1995/10/24の日食、インド サリスカ パレスホテル中庭にてホームビデオで録画
第2接触前後の動画    第3接触前後の動画
557kB            747kB
注意 どちらも長〜い時間が掛かります
追記 この動画は都合により外しました。興味のある方はメールを戴ければメールで送付致します。1999/12/23

ページ末に静止画像があります。

この記事は飯能天文同好会会報カノープス通信No.47とSKY WATCHHER1996年3月号に一部紹介されました。
1999/07/14再処理を行い記入

'95インド皆既日食観測ツア−に参加して
富田五郎      
 還暦を過ぎ体力の衰えないうちに一度は皆既日食を体験したいと思っていましたがなかなか機会がありませんでした。
 今回コプティック星座館のツア−の中に中心帯又は中心帯を外れていてもホテルの中庭で観測することができ、また前後にはシンガポ−ル、インド国内の観光も含まれた気楽な8泊9日のコ−スがあることを知り参加することにしました。

観測地デ−タ

観測日時 1995年10月24日
観測地 インド、サリスカパレスホテルの中庭
緯度経度 北緯27度23分35秒 東経76度22分15秒
標高 約650m
太陽高度 24.9度 最大継続時間 43秒
皆既帯幅 41.3km 最大食分 1.003
皆既中心帯からの偏差 南南西に約11.6km
第1接触 07時24分18秒 LT 高度 10.9度
第2接触 08時32分52秒 LT 高度 24.8度
食の最大 08時33分13秒 LT 高度 24.9度
第3接触 08時33分35秒 LT 高度 24.9度
第4接触 09時51分21秒 LT 高度 38.7度
(以上コプティック星座館の資料より)
以上の条件と初めての観測なので気楽な計画を立てることにしました。

観測計画

1 目視による観望を主体とする
2 気温の観測を行う 時刻気温のデ−タはホ−ムビデオに録音する
3 ホ−ムビデオによる映像記録を撮る 時分秒を表示させる
4 コンパクトカメラでスナップ写真を撮る

機材リスト

1 ソニ−ビデオカメラレコ−ダ− CCD−TR1000 35mmカメラ換算f=45−450mm
2 ソニ−テレコンバ−ジョンレンズ VCL−2052 ×2.0
3 フィルタ Kenko ソ−ラ−PRO ND10000
4 三脚 GITZO #417
5 雲台 Velbon PH−173
6 小型経緯台 誠報社製の改造改良品
7 コンパクトカメラ FUJI CARDIA Travel mini
8 温度計 小型アルコ−ル温度計

ツア−開始
10月21日 成田発シンガポ−ルへ
10月22日 シンガポ−ル発デリ−へ

10月23日
 デリ−発アグラを経由し夕刻サリスカの日食中心帯の観測地の下見を行い夜間になってからパレスホテルの中庭の観測地点で機材のセッティングをしました。
 当夜の空は天の川の暗黒星雲まで見える程の透明度、星星が点に固定される程のシ−イング、素晴らしい晴天でした。
 O氏が持参したBORG76mmEDで見たM42のトラペジュウム、M33は圧巻でした。

10月24日
 早朝より快晴予定通り観測観望を開始しました。
 第1接触よりビデオの撮影も快調に進み、第2接触直前に"コロナが見える!"の声にフイルタ−を外し第2接触の素晴らしい情景を記録することができました。
 このさいにダイヤモンドリングの時コロナも一様に広がっているのを実感しました。暗紫色の太陽が目に焼き付いています。
 第3接触の時にダイヤモンドが2個並んだのは壮観でした。
 皆既時間が短く感じたのですが、私だけではなかったようです。
 第4接触迄の気温の変化は別図のとおりで皆既の時に約12度低下し約10分の時間差が観測されました。
 予定では目視による観望を主体とするつもりが数秒しか見ていなかったようです。
 皆既日食時にコンパクトカメラで1枚だけ手持ちで写しました、その時にフラッシュが発光していました。
 本影錐の移動やシャドウバンドも見たかったのですが完全に忘れていました。
 この日の感激感動は当分忘れそうにもありません。 午後ジャイプ−ルへ

10月25日 ジャイプ−ル観光
10月26日 ジャイプ−ル発デリ−へ
10月27日 ニュ−デリ−観光、夜シンガポ−ルへ
10月28日 シンガポ−ル観光
10月29日 シンガポ−ル発一路成田へ

感想

 皆既日食中に手持ちで写したスナップ写真を街のDP屋さんでプリントしたところコロナとホテルのシルエットだけしか写っていませんでした。
 気温測定は簡単な温度計でも丹念に記録すれば良い結果を得ることが出来るものだと実感しました。
(グラフ参照)


FUJI SUPER G ACE 400、F3.5、f28mm
手持ちで撮影 露出 AUTO(0.5sec?)フラッシュ発光

インド サリスカパレスホテルでの皆既日食
シルエットはインド、サリスカパレスホテル(旧マハラジャの宮殿)


ビデオ画像より静止画に       表示時刻はUT
  

 第2接触フィルタ使用      第2接触フィルタ無し      食の中心付近   :
                           


   

      絞り込む         第3接触 倍率変更

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