最近の雑誌を見て思うこと

• 高タンパク質食は腎臓に障害を招く？
  
  　ウェイトトレーニングとは、切ってもきれない高タンパク質食に関する記事でした。
  
  
  • 腎臓は、タンパク質の代謝物である尿酸を排泄する機能を持つ。高齢になると機能が低下するため、高タンパク質食を続けることで腎機能障害を引き起こすことはよくあることである。
  • 健康な人の場合、高タンパク質食によって腎臓が肥大し、ろ過機能が高まるとの研究結果がある。腎臓は、食生活に合わせて適応する能力を有しており、高タンパク質食が原因で腎機能が低下するという報告はないようである。
  • 安全性を高めるためには、水分をできるだけたくさん補給することが勧められる。
  • また、高血圧・低血圧は腎臓の機能を低下させるため、血圧を十分管理する必要がある。血圧を正常なレベルで維持するためには、ビタミン・ミネラルの十分な摂取が必要である。
  • 最近の研究では、アミノ酸のＬアルギニンに加齢による腎機能の低下を抑制する効果があるとのことである。
  
  　とりあえず、水分をたくさん摂取しておけば、プロテインの摂取も安全であるようです。いつもプロテインシェイカーに水をたくさんいれて溶かしていますが、それ以外にも、まめに水分を補給するように心がけたいと思います。
  
  
  
  

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• 筋力トレーニングの疲労耐性を高める効果について
  
  　現在、筋力トレーニングに繰り返される最大収縮に対する疲労耐性を高める効果があることがわかっています。しかし、従来は５週間〜３ヶ月程度の比較的短期間にトレーニングを実施した研究結果しかないそうです。本記事は、数年間に渡るレジスタンストレーニングの効果についての報告でした。
  
  
  • 被験者は、トレーニング群１４名（男性７名、女性７名、１７歳〜２５歳）と非トレーニング群１４名（男性７名、女性７名、２０歳〜２９歳）とした。
  • トレーニング群は、最低２年間のウェイトトレーニング経験を持ち、オフシーズントレーニングに３ヶ月以上参加していた。オフシーズントレーニングは、足底屈筋に関する下記のトレーニングを含むものである。
    • トレーニング部位：足底屈筋
    • トレーニング頻度：週３回
    • 使用重量：７５〜９０％１ＲＭ
    • レップス数：３〜１０回
    • セット数：３〜５セット

  • 疲労前後には、筋肉に電気刺激を与えて、単収縮のトルクのピーク値を測定した。
  • 疲労テストとしては、活動時間１６秒＋休憩時間４秒の電気刺激のサイクルを最大随意収縮（ＭＶＣ）の５０％を１０秒間維持できなくなるまで続けた。そして、疲労後の随意収縮特性を筋電図（ＥＭＧ）でモニタした。
  • 疲労直後の随意筋収縮の低下は、非トレーニング群の方が大きいかった。
  • 疲労後における拮抗筋の活動状態は、トレーニング群に方が大幅に低かった。トレーニング群が疲労後にも大きな力を出すことができたのは、これが要因と考えられる。このことは、拮抗筋の活動レベルを低下させることが筋力強化の重要な要素となることを示しており、主働筋、拮抗筋および共同筋のコーディネーションが必要なフリーウェイトを用いた複合トレーニングの導入の重要性を示唆している。
  
  　疲労に関する研究でしたが、フリーウェイトの重要性を認識する結果となっているようです。一般のスポーツを行う人たちにとっては、マシントレーニングよりも筋肉のバランス感覚が養われるフリーウェイトを採用することが勧められるようです。
  
  
  
  

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• サプリメントによってドーピング検査で失格に
  
  　最近、プロホルモンというサプリメントが出回っていますが、これを飲むことによってドーピング検査で陽性となり失格となるケースが増えているそうです。サプリメントに含まれていることを知らずに飲んでも、失格は取り消されることはありませんから、十分な注意が必要です。
  
  
  • １９９９年世界陸上の前に、オッティなどの有力選手が事前のドーピング検査で、ナンドロロン・デカエイト陽性となり失格した。しかし、彼らはナンドロロン・デカエイトの使用を否定していた。
  • 彼らが摂取していたのは、19-ノルアンドロスンジオール、および19-ノルアンドロステジオンといったプロホルモン・サプリメントだったと言われている。
  • 最近、アンドロステジオン、４アンドロステジオール、１９ノルアンドロステジオンといった３種類のプロホルモンが人気があり、いずれも市販されているものである。いずれの物質においても、体内のテストステロンレベルを高める作用があるため、ドーピング検査で陽性の反応がでることがある。
  • 英国において、サプリメントにこれらの物質が入っていることを知らずに飲んだということで、失格の判定に関する裁判があったが、結局失格は覆らなかったそうである。サプリメントの摂取によるドーピング陽性は自己責任であり、摂取まえに十分な検討が必要である。
  
  
  
  

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• エリスロポイエチン（ＥＰＯ）
  
  　最近ニュースで話題になるようになった禁止薬物ＥＰＯに関する解説でした。
  
  
  • ＥＰＯは、腎臓で生産される糖タンパクホルモンであり、赤血球生成の調整を行うものである。腎不全性貧血の治療薬となる。
  • １９７７年、熊本大学の宮家氏がはじめてＥＰＯを純化して取り出すことに成功した。１９８５年以降は、遺伝子組換技術によるＥＰＯ（ｒＥＰＯ）が生産されている。
  • スポーツ界での使用は、１９８０年代から始まった。従来の血液ドーピング（血液を採血したのち一定期間保管して再び体内へ戻すもの）よりも安全かつ簡単であること、さらに検査方法がないことが人気の理由である。
  • １２週間のｒＥＰＯの摂取で、赤血球の量が１リットル当たり２０１億個から４１６個に増えるという研究報告がある。
  • スウェーデンの学生を用いた実験においては、ＥＰＯを使用した場合に競技力が８％向上したとの結果も出ている。赤血球は乳酸を緩和することから、無酸素運動のエネルギーシステムも向上させると考えられている。
  • ｒＥＰＯの注入は、血液の粘度を高め、身体全体の循環機能を低下させ、やがては死にいたることもある。１９８０年〜１９９６年にかけて、確証はないものの、ベルギー、オランダで１８名の自転車選手がＥＰＯの摂取が原因で死亡したと考えられている。
  • ＥＰＯとステロイドの併用は、赤血球がさらに多く生産されるようになり、危険であると言われている。
  • ＥＰＯは、摂取後３日でその痕跡がなくなるため、検査が難しい。シドニーオリンピックへ向けて検査方法の開発が進んでいるが、ＥＰＯ検査の実施は難しそうである。
  
  　ドーピングといえば、真っ先に筋肉もりもりもボディビルダーが思い付くものですが、実際には持久系の選手（自転車、マラソン、テニス、など）の一流選手にも広く蔓延していたのですね。検査方法がないという点にも、驚きました。ボディビルやパワーリフティングの世界で行われているような抜打ち検査を、他の競技で実施した方が良いように思います。それとも、ギアのひとつとして容認してゆくようになるのでしょうか？
  
  
  
  

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• 下半身のカットを出す方法
  
  　学生の頃には毎年ボディビル大会に出場していたのですが、下半身のカットが全然出ず、遺伝的なものなのか？となかばあきらめていました。その下半身のカットを出すためのノウハウに関する記事でした。
  
  
  • 上体が先に仕上がってしまったとすれば、それは正しい減量をしたことになる。身体は、上半身の脂肪を先に燃焼させるため、その後に下半身に脂肪を使い始めることになる。下半身のカットを出す秘訣は時間をかけることである。
  • 脚のカットが出ないからといって、エアロビクス運動を増やしたり、レップス数を多くすると、オーバーワークによって筋肉を失い、新陳代謝が低下し、結局は脂肪が燃焼しずらくなってしまう。
  • 上半身に素晴らしいカットが出ている場合には、『サイクル・ダイエット』を行うことによって上半身のコンディションを保つことが勧められる。

    • ２〜３日間低炭水化物・高タンパク質の食事を行い、その後１日だけ高炭水化物・中タンパク質の食事にする方法である。

      食事	炭水化物の量	タンパク質の量
      低炭水化物・高タンパク質	４０〜６０ｇ／１日	３〜３．５ｇ／体重１ｋｇ／１日
      高炭水化物・中タンパク質	２ｇ／体重１ｋｇ／１日	２ｇ／体重１ｋｇ／１日（記述なく推測です）

    • 『サイクル・ダイエット』のメリットは下記のとおりである。
      1. 筋肉中のグリコーゲンレベルを高め、低炭水化物ダイエット中でもハードなトレーニングを可能にする
      2. 低炭水化物食による筋肉へのダメージを軽減できる
      3. 身体が飢餓状態になり新陳代謝が低下することを防ぐ
      4. 高炭水化物の食事がご褒美となり、ストレスをあまり感じることなくダイエットを続けられる
  
  　なるほど、時間を十分にかけることが大事だったのですね。減量期間と根性が不足していたようです(^_^;。次に減量する機会があったら、是非実践してみたいものだと思います。
  
  
  
  

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• エクササイズの順序はトレーニング効果に影響を及ぼす
  
  　ワークアウトでは、大筋群エクササイズを先に、小筋群エクササイズを後の順に行うのがウェイトトレーニングの常識となっています。また、ベンチプレスのような複合関節種目（ストラクチュラルエクササイズとこの記事では呼んでいます）を先に、単関節種目を後に行うことも推奨されています。これらのエクササイズの順序がトレーニング効果に与える影響を調べた報告でした。
  
  
  • 被験者は、５年間のウェイトトレーニング経験を持つ１８〜２９歳の男性１７名
  • 下記の２種類のトレーニング・セッションを行った。
    1. セッションＡ（複合関節種目⇒単関節種目）
       1. スクワット
       2. レッグエクステンション
       3. レッグフレクション
       4. ベンチプレス
       5. ミリタリープレス
       6. トライセップス・プッシュダウン
    2. セッションＢ（単関節種目⇒複合関節種目）
       1. レッグフレクション
       2. レッグエクステンション
       3. スクワット
       4. トライセップス・プッシュダウン
       5. ミリタリープレス
       6. ベンチプレス
  • 各種目は８ＲＭの重量で疲労困憊するまでのセットを４セット行った。
  • 休憩時間は、セット間２分、種目間３分とした。
  • セッションＡ、Ｂの間には４８〜７２時間の回復期間をおいた。
  • 評価には以下の数値を用いた。
    1. ＴＦ（総発揮力、Total Force）＝負荷×反復回数
    2. ＦＲ（疲労度、Fatigue Rate）＝(TF(1set）−TF(4set))／TF(1set)×100％
  • 計測結果は下記の通り。（数値は平均値）

    セッション	種目	TF(1set)	TF(4set)	FR
    セッションＡ	ベンチプレス	720	301	58.2%
    	スクワット	896	486	45.8%
    	レッグエクステンション	470	358	23.8%
    	トライセップス・プッシュダウン	208	156	25.0%
    	６種目の合計	5049	1301	44.0%
    セッションＢ	ベンチプレス	179	156	12.9%
    	スクワット	698	349	50.0%
    	レッグエクステンション	505	421	16.6%
    	トライセップス・プッシュダウン	289	210	27.3%
    	６種目の合計	3674	1137	31.9%

    
    
  • ６種目トータルのＴＦがセッションＡの方が大きいことから、トレーニング全体での筋力発揮は複合関節種目を先に行った方が大きくなることわかる。
  • ベンチプレスにおいては、セッションＢにおいてＴＦが大きく低下している。これより、肩、上腕三頭筋の疲労によってベンチプレスのパフォーマンスが大きく低下することがわかる。胸部の大筋群に過負荷をかけるためには、肩、上腕三頭筋を十分に休ませる必要がある。
  • スクワットに関しても、セッションＢでＴＦが低下しているが、その量はベンチプレスほど大きくない。これは、本研究で測定しなかった臀部、下背部、腹部の筋群もスクワットのパフォーマンスに影響するためと考えられる。
  • レッグエクステンション、トライセップス・プッシュダウンでは、セッションＡとＢでＦＲの差異が小さい。これは、トレーニングの順序に関係なく、小筋群に過負荷がかけられることを示している。
  
  　これまで常識とされている話に、科学のメスが入ったといったところでしょうか。これまで行ってきたトレーニング方法に間違いがないことを確認することができました。ごくたまに、ジムで腕から先にトレーニングする人をみかけますが、大筋群を大きくすることを考えた場合には、とてももったいないことをしていることになります。腕だけを鍛えたい人は別ですが、筋肉をたくさんつけたい、体を大きくしたいと考えている人は、大筋群を先に鍛えることが重要なようです。
  
  
  
  

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• 電波（＝電磁波）の生体影響と健康リスク
  
  　最近電磁波の人体への影響を危惧する風潮があるようです。しかし、電波の人体への影響を考える上で重要な周波数が無視されてしまい静磁界の強さ（単位：ガウス）で測定してみたり、備長炭で電磁波の影響を防ぐなどという意味のないグッズまで売れてしまったりと、なんの根拠もない話がいわゆる都市伝説のように一人歩きしているように感じています（おそらくは、関連グッズを売るための企業戦略なんでしょうね）。私自身、会社では電磁波を扱う仕事をしておりますが（かなり電磁波を浴びてきました(^_^;）、電波の人体への影響をまとめた記事を目にしましたのでここに紹介します。
  
  
  • 電波と生体に関する研究の歴史は下記の通りである。

    １９世紀末	電波が発見される
    １９３０年代	電波を用いた温熱療法（ジアテルミー）が流行する。万能薬のように考えられて濫用されたが、やがて副作用に気づき、ここから電波の悪影響への関心が始まった。
    １９６０年代	アメリカにおいて、体系的な研究が行われる。電磁気学や循環生理学による科学的研究により、電波が身体を加熱することが支配的な生理作用であることが解明された。安全基準として、体表からの入射電力密度１０ｍＷ／ｃ�uという最初の数値が定められた。
    	同じ頃、体内に電子医療機器を装着する技術が発展し、電流による刺激に対する安全性の研究も行われた。安全基準として、商用周波数で、体外からは１ｍＡ、体内からは０．１ｍＡという数値が定められた。
    １９７０年代	人体の形状や、組織の組成を考慮して、組織内部の電磁界の測定や解析を行う研究（電磁界ドシメトリー）が急速に発展する。それまでの研究に誤りが発見され、見直しが行われた。
    その後	体外からの電波照射に対する安全性、および電流による刺激に対する安全性についての知識が確立されるとともに、上記安全基準の見直しが行われてきた。

  • 電磁波の生体への影響は、以下の通り考えられている。
    1. 刺激作用
       • 人体表面に誘導される電流により神経が興奮し、ビリビリと感じる現象である。
       • １００ｋＨｚ以下の周波数で生じる。（ＡＣ１００Ｖ電源、など）
       • 人体深部で生じる電流は小さいため、内臓等への影響は小さい。
    2. 熱作用
       • 人体が電波を吸収することにより体温が上昇する現象である。
       • １００ｋＨｚ以上の周波数で生じる。（携帯電話、電子レンジ、など）
       • 体重７０ｋｇの人が２００Ｗ程度の電波を全身に浴びた場合、体温が１℃上昇することになる。
       • 体の一部に集中して電波が当たった場合、そこだけ集中的に加熱され、短時間でも熱傷が生じる。皮膚は４４℃で低温やけどに、眼は４３℃で白内障になる。眼の場合には、血液の循環が少なく加熱され易いという特徴がある。
         
    3. 細胞レベルの影響
       • 電波の照射により、電波の無いときと何らかの違いが見られるとの報告はあるが、実験結果に再現性がないことが多く、実験条件の制御が十分に行われていないようである。
       • 人体内部では、生体活動によって様々な電磁界が生じており、これら自然の雑音にかき消されないような影響が生じなければ、健康に影響があるとは考えられない。
    4. 長期曝露の影響
       • 化学物質の場合は体内に蓄積され、Ｘ線の場合には遺伝子を傷つける。これらについては長期間の効果を考える必要がある。しかし、微弱な電波の場合には、体内に蓄積されることも遺伝子を傷つけることもないため、長期間の影響はないものと考えられてる。
    5. ガンへの影響
       • 電波は遺伝子を傷つけないことから、ガンを発生（イニシエーション）させる働きはないと考えられており、発生したガンを悪性腫瘍化（プロモーション）させる働きについて多くの研究が行われている。
       • 携帯電話の周波数において、脳腫瘍を発生させたラットを用いた２年間に渡る大規模な実験も行われているが、電波による脳腫瘍の促進は見られなかった。
       • その他にも、実験が行われているが、いずれにおいてもガンを促進する作用は見られていない。

  • 電波は周波数が高い程、人体に侵入できる深さは小さくなる。おおよそ下記の通りである。

    ＶＨＦ帯（テレビの電波）	数十ｃｍ程度。人体を貫通する。
    2.45GHz（電子レンジの電波）	２ｃｍ程度。

  
  　電波の人体への影響は、熱の発生が主な要因であり、血液の流れが弱い眼や睾丸などが危ないということがわかります。そう考えると、携帯電話は頭のすぐ側で使用しますから最も電波による人体への影響を与える機械であることになります。ここ数年、何億人もの人が使用しても大きな問題が発生していませんから、電波のことは心配するに当たらないと言えるのではないでしょうか。
  
  
  
  

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• 筋肉を作るための７つの条件
  
  　私のホームページでも断片的に紹介してきましたが、筋肉を作るために考えなければならないポイントについてまとめた記事でした。
  
  
  1. 停滞を減らし発達を促す
     • 勢いや反動を使うと、筋肉に対する刺激が薄れてしまう。
     • 行うレップスは、常に筋肉を緊張させた状態で繰り返さなければならない。

  2. 息を吐いて、息を吸う
     • 高強度な運動では、息を止めてしまうと酸欠で意識が朦朧としてしまう。
     • ネガティブで息を吸い、ポジティブで息を吐くようにすること。

  3. アミノ酸を体内に循環させて、成長を促す
     • タンパク質の摂取は、２〜３時間毎に行いたい。
     • お腹が空いてから食事を摂っても、アミノ酸に分解されるまで４５分くらいかかってしまう。したがって、食間にプロテインやアミノ酸を摂取することが勧められる。
     • プロテインは、ホエイとカゼインを混合したものが、時間差で血中アミノ酸濃度を高めてくれることから勧められる。

  4. ノーペイン、ノーゲイン！
     • スクワット、ベンチプレス、デッドリフトなどの複合関節種目は、とても辛く、気分が悪くなることもあるし、練習後の痛みも強烈である。しかし、全身のバルクアップやパワーアップが得られることは事実である。
     • まず、複合関節種目で高重量を扱い、その補助運動としてアイソレーション系の種目を採用することが勧められる。

  5. サイズアップのためのストレッチを行う
     • ストレッチは、筋膜を伸ばして筋繊維が成長するスペースを確保する働き、テストステロン受容体などのアンドロゲン受容体を増やす働き、そして筋肥大のトリガーとなるプロスタグランジンの放出を促す働きがあると言われている。
     • ストレッチ種目（対象筋がストレッチされた時点で最大の負荷がかかる種目、ダンベルフライなど）を採用すると、ストレッチとウェイトトレーニングの効果を合わせて得ることができる。

  6. 収縮状態を保持する
     • コントラクト種目（対象筋が収縮した時点で最大の負荷がかかる種目、ケーブル・クロスオーバーなど）で、収縮状態を数秒間保持することで、筋肉に強い刺激を与えることができる。
     • ゼロレンジ法（筋肉を最大限に収縮させた状態を可能な限り維持する方法。維持時間をワークアウト毎に長くしてゆく）は、筋肉発達の停滞を打ち破るためにお勧めできる。まず２０秒維持できる重量から始めて、３０秒維持できたら重量を増やし、再び２０秒から始める。レッグエクステンション、レッグカールなどに適用できる。

  7. パンプアップ、そして強烈なバーン
     • 強いバーンによって、筋中の成長ホルモン濃度が高まることが報告されている。
     • どんな部位のトレーニングにおいても、パンプアップとバーンが得られるような種目を採用することが勧められる。
  
  　反動の利用については、目的の筋肉にネガティブの部分でうまく効かせるようにチーティングを使えればメリットも大きいと思いますので、この当たりがテクニックということになるのかと思います。上級者は、上の７つの条件は基本として、いろいろと細かいテクニックを持っているんでしょうね。
  
  
  
  

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• 早く動けば筋の感覚は鈍る？
  
  　人は、目と閉じていても四肢の位置関係や関節の動きを認識できる『固有感覚』を有しています。これはフォームを正しく認識するために重要な役割を果たしていますが、この固有感覚に関する記事でした。
  
  
  • 実験対象；　９名（男７女２、２６〜５０歳）
  • 手首の運動（背屈、掌屈の繰り返し）を行った際の、尺側手根伸筋の経皮的電気刺激に対する感覚受容器の感度について調べた。
  • 運動の条件；
    1. 随意（高速）⇒メトロノームの音に合わせて、３回／秒
    2. 随意（低速）⇒メトロノームの音に合わせて、１回／秒
    3. 受動（高速）⇒モーターで手首を動かす、３回／秒
    4. 安静
  • 運動中ランダムに加えられた刺激に対して、刺激を知覚できたかどうか自己申告で測定した。
  • 随意（低速）、受動(高速）では、安静時と差異はなかった。
  • 随意（高速）では、安静時に比べて３７％まで感度が減少した。
  
  　速い動作で運動をすると、感覚受容器の感度が鈍くなり、固有感覚に影響を及ぼすことが推測されます。フォームを矯正しようと思ったら、まずはゆっくりした動作で、固有感覚を鋭くした状態でフォームチェックを行ってゆくのが良いようです。
  
  
  
  

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• 水抜きには水を飲め！？
  
  　ボディビルコンテストへ向けての最後の調整で、良く水抜きが行われています。筋肉の上の皮膚＋脂肪の部分から余分な水分をのぞいて、筋肉を極限まで見せようとするものです。この水抜きの方法に関する記事がありました。
  
  
  • 大会前に多量の水を飲み、直前に控えることで体内の水を排泄することは、ボディビルダーが水抜きとして行うポピュラーなテクニックである。
  • アルドステロンというホルモンが、身体の水分保留を制御しており、このレベルが高くなると塩分と水分を体内に保留しようとする。
  • 多量の水を飲むことで、アルドステロンレベルを低くすることができ、その後水分カットをしてもアルドステロンレベルが上がるまでに２４〜４８時間程度かかることから、直前に水分をカットすると大会で素晴らしいコンディションを得ることができる。
  • 摂取する水分量の目安は下記の通り（個人差があるため、何度も経験を積んで自分の最適な方法を探る必要がある）。
    • １週間前〜　⇒　普段の摂取量の２倍
    • ２日前　⇒　普段の摂取量
    • １日前　⇒　普段の摂取量の１／２
    • 大会当日　⇒　普段の摂取量の１／４、プレジャッジ中は口を濡らす程度に
  • さらに、体内から水分を減らすためには、下記の方法を併用すると良い。
    • １週間前〜　⇒　炭水化物の摂取を減らし、毎食毎に小匙１杯程度の塩分を加える
    • ３日前〜　⇒　炭水化物を増やし（カーボアップ）、塩分は０にする
  
  　私が学生の頃は、絞りが甘くて水抜き以前の問題でした(^_^;。しかし、こうやってきちんとした水抜きの方法があるということは今回初めて知りました。塩分０というのは大変そうですが、将来コンテストに出ることがあったら試してみたいものだと思います。
  
  
  
  

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• 無酸素運動こそ脂肪燃焼の切り札！
  
  
  　トレーニング後の酸素消費量まで含めて、有酸素運動と無酸素運動の比較をした実験結果についての解説でした。これまでは、トレーニング直後の酸素消費量のみ比べて、有酸素運動のダイエットへの有効性が言われてきましたが、今までの定説とは異なる面白い結果が得られたようです。
  
  
  • 運動内容
    • 無酸素運動：８種目のサーキットトレーニング×２セット（重量は1RMの60%程度）
    • 有酸素運動：トレッドミル、27分間（運動中に消費される酸素量は、無酸素運動と同じに設定）
  • 被験者数１５人、５日間にわたって実施された。
  • 運動後30分たってから測定した酸素消費量は、無酸素運動の方が高かった。
  • これは、疲労を回復するための体内活動（グリコーゲンの合成、クレアチンリン酸の合成、など）にたくさんの酸素が使われるためである。
  
  　結論として、低い強度の無酸素運動でも脂肪燃焼効果が期待できるということのようです。しかし、具体的にどれくらい差異があったか数値が書いてなかったので、すぐに無酸素運動だけで良い、という結論までは言えないように思います。従来通り、ウェイトトレーニングと有酸素運動を併用するのが、間違いのない選択のように思いました。
  
  
  
  

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• 筋肉痛と筋力低下
  
  
  　慣れないトレーニングをした後や、ハードなトレーニングをした後には、１〜２日後に筋肉痛が現れます。筋肉痛のメカニズムは完全に解明されていないようですが、この筋肉痛が筋力低下を引き起こすのではないか、と言われているのを検証した実験結果がありました。
  
  
  • 対象；２０〜２３歳の女性１２名
  • 運動群；６名ずつ以下の２つに分けた
    1. 筋肉痛群；伸長性収縮（ネガティブワークです）を実施
       • 筋肉　大腿四頭筋
       • 負荷　最大等尺性筋力の６０％
       • 回数　２０レップス×１０セット
    2. 非筋肉痛群；運動を行わない

  • 運動前と２４時間後で、以下の測定を行った。
    • 膝関節の最大等尺性筋力
    • NO（活性酸素の1種、ガス状で多くの生理作用を示すことから注目されている物質）
    • 8-OhdG（8-ﾋﾄﾞﾛｷｼﾃﾞｵｷｼｸﾞｱﾉｼﾝ、活性酸素によるDNA損傷の指標となる物質）
    • 主観的筋肉痛（10段階評価）

  • 実験の結果、筋肉痛群は以下の状況が確認された。
    • 最大等尺性筋力は１１％低下
    • NOは、非筋肉痛群より３倍高い値
    • 8-OhdGは、非筋肉通群より２０％高い値
    • 主観的筋肉痛は、６〜９のレベル

  • NOは、寿命が非常に短いことから、２４時間後に測定されたNOは、筋肉痛によって引き起こされたものと考えられる。また、NOには筋力を低下させる働きがあることが報告されており、筋肉痛による筋力低下は、筋肉痛によって発生したNOが原因と考えられる。
  • 8-OhdGの増加は、活性酸素によるDNA損傷が、筋肉痛の原因になっている可能性を示唆している。
  
  　この報告から、筋肉痛の残っているときには、力を十分出し切れないことがわかります。練習頻度を多くするなら、筋肉痛が残らないように注意してワークアウトを行う必要がありそうです。また、限界まで追い込むようなトレーニングをするなら、十分に筋肉痛が回復してから行うことが必要と考えられます。
  
  
  
  

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• レプチンについて
  
  
  　プロホルモンに関する記事の中に、以前肥満を防ぐ未来の薬として新聞などで取り上げられたことのあるレプチンに関する説明がありました。面白かったので、ここで紹介します。
  
  
  • レプチンは、１９９６年に発見されたホルモンである。脂肪細胞中で合成される。
  • 脂肪細胞が大きいほど多量のレプチンが合成される。
  • 脳へレプチンが運ばれると、食欲が減退し、脂肪が貯蔵される率が低くなり、脂肪の燃焼が促される。これにより、体脂肪が過剰になるのを防いでいるのである。脳は、自分の体がどれくらいの脂肪を持つことができるかを、レプチンの量をもとに判断している。
  • 肥満の人では、脳がレプチンにたいして感受性が低いことがわかっている。
  • テストステロンは、レプチンと拮抗する働きがある。レプチンの合成量が増えると、睾丸からのテストステロンの合成量が増やされ、レプチンの合成を抑制する。レプチンの合成量が減ると、テストステロンの合成量も減り、レプチン合成に関する抑制が弱まる。
  • テストステロンの分泌量が、低カロリー食に影響を受けるのは、レプチンが一因となっていることがわかっている。低カロリーな状態ではレプチンの合成量が減少しているため、テストステロンの量もこれに合わせて減少するのである。
  • レプチンの合成を促すには、ニコチンの摂取が有効である。（これが、タバコを止めると太る理由である）
  • ニコチンより弱いが、ピルビン酸、グルコサミン、ウリジンがレプチンの合成を促すという報告があるようである。（まだ、はっきりとはわかっていないようです）
  
  　以前、雑誌の記事でレプチンを脳へ直接送り込む（注射だったように覚えています）と、肥満が直ると言われていたのを思い出しました。肥満の人は感受性が鈍っているから、直接送り込まないと効かないんでしょうね。この記事を読んで納得しました。タバコの摂取は痩せるには有効そうですが、命と引き換えですからドラッグ以上に危険だと思います。（今年、肺ガンが胃ガンを抜いて死因の第一位になったはずです。タバコの煙には近づきたくないものですね。）
  
  
  
  

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• プロスタグランジンの知られざるアナボリック効果
  
  
  　プロスタグランジン（以下、ＰＧと略します）は、不飽和脂肪酸から体内で作られる物質で、ホルモンと同じような働きをする物質です。トレーニングをすると、筋肉の中で部分的に分泌され、筋肉の同化作用を促進する働きがあるそうです。このＰＧの放出を促すトレーニング方法に関する記事でした。
  
  
  • ＰＧの放出を促進するには、以下の３つの方法がある。
    1. ネガティブトレーニングを行う
       • 筋繊維に与えるダメージが大きいほど、多くのＰＧが放出され、筋肉を肥大させるメッセージが送られる。
       • とくに、力の一番かかるポジションで筋肉がストレッチされる種目において、より多くのＰＧが放出される。（フルスクワット、など）
    2. バーンを引き起こす
       • 乳酸の蓄積量が多くなると、ＰＧの放出が促進されることがわかっている。
       • ハイレップスでバーンを引き起こすトレーニングは、筋繊維を切らずにＰＧを高める手段となる。
    3. ストレッチを行う
       • ストレッチだけでも、ＰＧの放出を高めることができる。
       • セット間のストレッチは、次のセットで目的の筋肉にＰＧを放出させる準備となる。
       • ワークアウト後のストレッチは、全身のＰＧを高めて、疲労回復を促すものである。
       • ストレッチは、ＰＧだけでなく、ＩＧＦ−１（インスリン様成長因子１）やＦＧＦ（繊維芽細胞成長因子）の放出も高めることがわかっている。
         ＊IGF-1、FGFともに、ダメージを受けた筋肉内部で分泌され（傍分泌、自己分泌と言われます）、筋肥大のトリガーとなる物質と言われています。（『骨格筋肥大のしくみ』参照）

  • トレーニングの強度や量が増えるほど、ＰＧの放出量はどんどん増えてゆく。しかし、筋繊維の破壊がひどくなれば回復に必要とされるＰＧの量も増えてしまうため、発達へ使えるＰＧの量は減ることになる。したがって、最小限のセット数で、最大限のＰＧを放出させるようなトレーニングが望ましい。具体的な内容は、現時点では明確にできていないが、少なくとも原材料となる必須脂肪酸は、十分に摂取しておく必要がある。
  • コルチゾール（カタボリックホルモン）は、過度の量が放出されるとＰＧの作用を妨害することがわかっている。しかし、適量のコルチゾールは、逆にＰＧの放出量を高める働きがあることもわかっており、適度な運動レベルをみつける必要がある。
  
  　結論としては、トレーニング内容は特に変わったことはないのですが、適度なトレーニング量をみつけることで、ＰＧの放出を促せるということのようです。これは、個人差の法則と言われているものですね。これまで言われてきたトレーニング方法の正しさを裏付けるような記事でした。
  
  
  
  

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• テストステロンの感受性について
  
  
  　プロホルモン（アンドロステジオンのように、体内のテストステロンレベルを高めるサプリメント）に関する記事の中に、サプリメントとは直接関係ありませんが、面白い記事がありましたので紹介します。
  
  
  • テストステロンは筋量を増やす引き金となるが、その受容体は細胞の表面に少なく、ほとんどが核中に存在している。
  • 受容体は、核と細胞質の間を行き来しており、テストステロンがその効果を発揮するには、受容体が核中に入らなければならない。
  • 受容体が核中に入るにはエネルギーが必要であり、筋細胞中にエネルギー物質をたくさん用意しておくことが望ましい。
  • 筋細胞中にエネルギー物質を高く維持する方法は下記の通り。
    • クレアチン、炭水化物を摂取すると、トレーニング中に細胞中のＡＴＰレベル低下を防ぐことができる。また、トレーニングの直後に軽い食事を取ることで、枯渇した筋中のＡＴＰを高めることができる。
    • トレーニング直後の筋肉の張りは、トレーニングによって筋細胞内で塩分濃度が高くなり、浸透圧により細胞内へ水分が染み込むことが原因である。筋繊維を破壊しすぎると、傷から急速に水分が染み込むため、細胞はポンプによってこれを細胞外へ排出しようとする。このポンプがＡＴＰを消費するため、細胞のテストステロン感受性が低くなってしまう。過度なネガティブワークは禁物である。
    • 細胞内のエネルギーレベルが下がると、クレアチンの細胞への移入速度は非常にゆっくりとなる。減量中でも、４〜７日に１日は炭水化物を多く摂取する日を設け、細胞内のエネルギーレベルを高め、クレアチンを細胞へ補給すべきである。クレアチンレベルの上昇は、ＡＴＰレベルを上昇させ、テストステロン受容体が核中へ入り、アナボリズムが高まる。

  　過度の筋破壊が、テストステロン感受性を低下させ、アナボリズムが下がってしまうというのは面白いですね。量のトレーニングが筋肥大に効果があると言われていますが、重量で追い込まない分だけ筋破壊が比較的小さくて済み、アナボリズムが十分確保できるのかもしれませんね。
  
  
  
  

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• グルタミン酸に秘められた力
  
  
  　筋肥大に重要な物質と考えられているグルタミンを、いかに筋中へ取り込むかという記事でした。
  
  
  • 経口摂取したグルタミンの６０〜８０％は小腸で消費される。
  • 筋肉細胞（筋原繊維）の表面にグルタミンポンプがあり、ここから筋中へ取り込まれる。しかし、細胞中のグルタミン濃度が低くなっても、ポンプは動かない。細胞外の塩分濃度が高いことが必要である。
  • コルチゾールは、ワークアウトで血中濃度が高くなると筋肉からグルタミンを漏れ出させる働きがあり、グルタミンは肝臓や小腸で消費されてしまう。
  • インスリンは、筋中へグルタミンを運搬することができる。また、細胞から塩分を外へ追い出す働きがあり、グルタミンポンプが動く状況を作り出す。
  • 成長ホルモンは、食事の内容にかかわらず、筋中のグルタミン濃度を高める働きがある。肝臓で分解されるグルタミンを再利用させたり、腎臓でのグルタミン消費を防ぐことによる。また、ＩＧＦ−１（インスリン様成長因子、インスリンのグルタミン運搬作用を強める）のレベルを高める。
  • 以上の事項をまとめると、筋中のグルタミンレベルを高める方法は下記のようになる。

    1. グルタミンの消費を抑える。ワークアウト中でも血糖値が下がらないよう、炭水化物を十分に摂取すべきである。

    2. グルタミンを十分に摂取する。ワークアウト後は、すみやかにグルタミンやＢＣＡＡ（グルタミンの材料となる）を含むプロテインを摂取するとともに、３０〜４５分後には通常の食事を摂取したい。

    3. グルタミンを筋中へ取り込む。インスリンの分泌を高めるために炭水化物を摂取したり、成長ホルモンの分泌を活性化するような工夫が必要である。
  
  　結論としては、空腹にならないように気を付けたり、成長ホルモンが多く分泌されるようなパンプアップを心がけたトレーニングを採用した方が良い、ということになりそうです。これまでも言われてきたことであり、その有効性の一因がグルタミンだったということでしょう。
  
  
  
  

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• トライアスロン選手と喘息
  
  
  　国際トライアスロン連盟会長の談話によると、トップクラスのトライアスロン選手の９８％が喘息患者であるとの登録をしているそうです。全世界では、人口の１２〜１５％が喘息患者であることを考えると多すぎる割合であり、喘息薬の服用によって少しでもパフォーマンスを高めたいというのが、本当の理由のようです。
  
  　しかし、１９９０年代にアメリカで行われた実験により、喘息薬が喘息でない選手のパフォーマンスを向上させないことがわかっており、プラシボ効果のような心理的効果のみもたらすようです。
  
  　ボディビルやパワーリフティングの世界でも、効能がほとんどないにもかかわらず、様々なサプリメントが宣伝され使用されていますが（効果があるものは、ドーピング（＝ルール違反）ということになります）、トライアスロンの世界でも藁にもすがりたいという選手の気持ちは同じなんですね。初めて実感しました。
  
  
  
  

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• 色と筋力の関係
  
  
  　私は、トレーニングの時に赤いＴシャツと、赤いベルトを使用しています。赤色が少しでも気持ちを高めてくれれば、と考えてのことです。この色と筋力に関する記事がありました。
  
  
  • １９７９、１９８１年の実験では、ピンク色が握力を弱める、という結果が得られた。しかし、１９８２年の再実験では、変化なし、という結果であった。
  • １９８５年の実験では、赤色が握力を伸ばす、という結果が得られた。逆に緑や青は握力の低下を招くとのことであった。しかし、その後の実験では、赤色での筋力向上は認められなかった。
  • イリノイ州ウィートン大学の心理学者が、過去の実験では、明るさ、色調など（色のディメンション）が統一されていなかったことを発見した。在校生８３名を被験者に、色のディメンションをコントロールして再実験を行った結果、特に筋力を伸ばす結果は得られなかった。
  
  　結局、何色の服を着ても、トレーニングに効果はないようです。しかし、赤色が効果がある！と思い込むことでプラシボ効果があるのではないかと思います。今まで通り、赤いＴシャツを着て、トレーニングを続けたいと思います。
  
  
  
  

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• 水分摂取について
  
  
  　暑い夏につきものの、水分摂取の話題でした。私は中学生のときにはバスケットボール部に所属していたのですが、練習中は水を１滴も飲ませてもらえず、とても苦しかったことを覚えています。本当にきつかったです(;o;)。今では、考え方が大幅に変わっているようです。
  
  
  • 水分が不足すると、パフォーマンスが低下し、やがては熱障害（熱射病など）が引き起こされる。したがって、水分を十分に補給することが必要である。
  • １５〜２０分間隔を目安に、コップ１杯程度の水分を摂取することが望ましい。
  • 一度にたくさん飲むと、お腹にたまってパフォーマンスが低下してしまう。いつでも飲みたいときに飲めるように環境を整備し（置く場所を分散する、など）、飲みだめしなくてもよくすること。
  • 暑さに対する耐性にも個人差があるため、注意が必要である。暑さに弱い人には、試合前にあらかじめ水分を摂取させておくことともに、水分摂取の機会を増やす配慮が必要である。
  • 練習後のガブ飲みは、胃腸に負担をかけ、食欲低下や下痢の一因となる。少しずつ飲むように、練習後の水分摂取まで気をつける必要がある。
  
  　高校の全国大会に出場した全国６２０チームにアンケートをとったところ、７０％のチームで練習の合間や休息時に、いつでも自由に水を飲ませているそうです。ちなみに、まったく飲ませないチームは０．２％でした。
  
  　今考えると、水を飲ませず、ボーっとした頭で練習しても身が入らないですよね。リスクトレーニングとしての効果はあったのかもしれませんが、昔は根性論だったんでしょう。私は今では、ペットボトルを片手に、水をガブガブ飲みながらトレーニングしていますが、集中力も持続できますし、良い方法のようです。
  
  
  
  

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• パラレルスクワットおよびニーエクステンションにおいて足の向きが大腿四頭筋におよぼす影響
  
  
  　スクワットやニーエクステンションにおいて、足先の向きを変えると効かせる筋肉を変えることができる、と言われています。これが本当にそうなのか調査した報告でした。
  
  
  • 被験者は、過去にウェイトトレーニングの経験を持つ男性１０人、平均年齢１９．７歳
  • パラレルスクワットは、推定１ＲＭの６５〜８０％で実施。
  • ニーエクステンションは、被験者が各自で選択した重量で実施。
  • 各エクササイズとも、連続動作（エキセントリック２秒＋コンセントリック２秒）で、可動範囲全域の筋電図（ＥＭＧ）測定を行った。
  • 測定した足の向きは、下記の通り。
    1. 回旋なし；両足は平行
    2. 外旋　　；両足を外側へ向ける（スクワット時約８０°、ニーエクステンション時約５０°）
    3. 内旋　　；両足を内側へ向ける（約３０°、約４５°）

  • 結果は下記の通り。
    1. パラレルスクワットでは、足の向きによる差異はみられなかった。
    2. ニーエクステンションでは、外旋時に全体的にもっとも大きな活動レベル上昇がみられた。

  • 上記結果より、以下のことがアドバイスできる。
    1. スクワットでは、足の向きを変えてトレーニングしても効果はない。もっとも動作のしやすいスタンスを取ればよく、エクササイズの安全性も向上できる。
    2. ニーエクステンションでは、最大の効果を引き出すために、外旋を検討すべきである。

  
  　経験的に言われていることが、あてにならない場合もあるということでしょうか。トレーニングは、まだまだこういった迷信的なものがあるのではないかと思います。こういった最新情報にアンテナを張るとともに、話を鵜呑みにせずに、実際に試してみて取捨選択してゆかねばならないと感じました。
  

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