栄養の分類 |
私たちが食事から摂取する『栄養』はおおよそ下記の通り分類されます。
- 炭水化物
主要なエネルギー源となる。
- タンパク質
体の組織や酵素,ホルモンの原料となる。
- 脂肪
持続性のあるエネルギー源である。また、ホルモンの原料でもある。
- ビタミン類
体内の酵素系に作用して炭水化物,タンパク質,脂肪の代謝を助ける。
- ミネラル(無機質)
骨や歯などの材料である。また酵素の働き,筋肉の作用など全ての生理
現象に不可欠である。
|
炭水化物 |
- 炭水化物には3種類あります。
- 単純炭水化物(単糖類)
砂糖や果物に含まれる。吸収が早い。
- 複合炭水化物(デンプン)
穀物や豆類に含まれる。ゆっくり吸収される。
- 食物繊維
人間は消化吸収できない。
- 単純炭水化物は非常に早く血液中へとけ込むため,血糖値を下げるホルモンである
インシュリンが多量に発生します。インシュリンは糖分を脂肪へすぐに変換してしまう
ので,血糖値が急激に低下します。(インシュリン・ショックといいます)したがって,
食べても食べても空腹を感じる状況になります。
*これが、お菓子がやめられなくなる原因です。
- 複合炭水化物はゆっくりと吸収されるためインシュリン・ショックが起こらず,継
続的にエネルギーを生み出すことができます。
こちらをメインに摂取する方が良いです。
- 食物繊維は消化吸収を遅らせる働きがあり,インシュリンの急激な上昇を防ぎます。
したがって、糖分が脂肪に変換されることを防ぎ,筋肉へエネルギーを送り込みやすく
します。また、排便をスムーズにして痔や大腸ガンを予防する働きもあります。
- 1日の総カロリーの60%程度を炭水化物で摂取することが望ましいと言われて
います。
- 食物繊維は18〜35g/DAYの摂取が必要であると言われています。
|
タンパク質 |
|
脂肪 |
- 高エネルギー物質であり、9[カロリー/g]のエネルギーがあります。
炭水化物,タンパク質ともに4[カロリー/g]であり、これらの2倍のカロリーです。
したがって、減量にはまず脂肪を減らすのが近道となります。
- 脂肪には次の2種類があります。
- 飽和脂肪酸
室温で固体,主に動物性脂肪に含まれる。
- 不飽和脂肪酸
室温で液体,植物性脂肪,魚類の脂肪に含まれる。
- 飽和脂肪酸は循環器系の疾患(高血圧,脳卒中,心臓発作など)の原因となり
ます。体温でも固体であるため粘着性が強く血流を悪くし,酸素や栄養素の運搬も
阻害します。脂肪として蓄積もしやすく,特定の部位(男性では腹まわり,女性で
は臀部など)へ蓄積されます。あまり摂取しない方が良いでしょう。
- 不飽和脂肪酸には次の機能があります。
- 血圧を下げる。
- コレステロール値を下げる
- 血小板の粘着度を下げ,血流を良くする
- 傷ついた循環器系(血管など)の修復
- 炭水化物の代謝を高め、エネルギーレベルを向上させる
- 関節炎を緩和する
- 不飽和脂肪酸の摂取のために,週3〜5回魚を食べることが勧められます。
また、油としてオリーブ油を使う方が良いようです。
|
ビタミン類 |
- 人間の体を自動車のエンジンと考えると、ビタミンはスパークプラグ(発火
装置)にあたります。
- 体内の酵素系に作用し、スパークプラグのような働きで代謝を活発かつ正常にし、
体の調子を整え,高性能で機能するようにするものです。
- 必要量は微量であるが、1種類でも不足すると体全体の機能が損なわれてしまいます。
体にとって重要な栄養素です。
|
ミネラル(無機質) |
- ビタミンの作用に不可欠な物質です。ビタミンだけでは何もできません。
また、体内では決して作り出すことができません。忘れられがちですが,
重要な栄養素です。
- 病院では原因のわからない体調不良は,ミネラル不足が原因である可能性もあります。
- 体の機能の維持と調整に必要であることが確認されているミネラルは次の通りです。
カルシウム,塩素,クロム,コバルト,銅,フッ素,ヨウ素,鉄,マグネシウム,
マンガン,モリブデン,リン,カリウム,セレニウム,ナトリウム,硫黄,
バナジウム,亜鉛
|