パワーリフティング・ルール(要約版)
パワーリフティングのルールについて、少し詳しく紹介します。下記の内容を守れば、大会では白3つがもらえると思います(なかなか難しいですよね(^_^;)。ルールブックのすべてについては書いてありませんし、表現もわかりやすさを考えて変えてありますので、ご注意願います。間違いなどありましたら、ご指摘いただけると助かります。
目 次
- スクワット
- ベンチプレス
- デッドリフト
スクワット
- 動作
- バーをラックからはずして適当な位置まで下がり、足の位置を決めて、主審の合図を待つ。スタート姿勢は以下の通りとする。選手が静止し、正しいスタート姿勢を決めると、主審は手を上から下へ振り下ろし、「スクワット」と合図する。
- 選手はプラットフォーム正面に顔を向け、真っ直ぐに立つこと。
- バーの上端が、三角筋上面から3cm下の位置より上にあること。
- 足底をプラットフォームの床につけ、膝を完全に伸ばすこと。
- 試技の間、カラー、スリーブ、プレートに触れてはならない。ただし、バーを握った手が、内側のカラーの触ることは許される。
- バーをラックからはずすときには、補助員の助けを借りてもよい。しかし、いったんラックからバーがはずれたら、補助員の助けを受けることはできない。
- 主審の合図ののち、選手は膝を曲げ、ヒップジョイントの大腿部上面が、はっきりとひざの上面より低くなるまでしゃがむ。(下図参照)

- 選手は、自分の意志で立ち上がり、膝を完全に伸ばして立つ。このとき、立ち上がる動作を繰り返したり、バーが下がってはならない。
- 選手が静止した時点で、主審は手を後方に振り「ラック」と合図する。選手は、静かにバーをラックへ戻す。
- 反則行為
- 主審の合図前に試技を開始したり、バーをラックへ戻すこと
- レフリーの合図後、手を横へずらして、バーを握る位置を変えること
- 立ち上がり動作を繰り返すこと
- 試技開始前や完了後に、膝が曲がるなど、まっすぐな姿勢がとれないこと
- 試技中に、足の位置が前後左右にずれること(バランスの関係で、つま先やかかとが浮くことは反則ではない)
- しゃがみが、平行以上で浅いこと(上図参照)
- 主審の合図後、かついでいるバーの位置がずれること
- 試技開始、終了のレフリーの合図の間に、補助員がバーに触れること
- ひじや上腕が、脚に触れること
- バーをラックへ戻す努力を怠ったとき
- その他、動作に関する要求事項に応じなかったとき
ベンチプレス
- 動作
- バーをラックからはずして、ひじを伸ばし、主審の合図を待つ。スタート姿勢は以下の通りとする。選手が静止し、正しいスタート姿勢を決めると、主審は手を振り下ろしながら、「スタート」と合図する。
- 頭部、両肩、両臀部がフラットベンチの面に接触するように仰臥すること。
- バーは両手ともサム・アラウンド・グリップで握り、手のひらで確実に保持すること。
- バーの握り幅は、左右の人差し指の間が最大81cmとする。
- 両足は床面にぴったりとつけていること。
- 靴底を床面にしっかりとつける目的で、プレートや板などをプラットフォームの上に置いても良い。ただし、プラットフォーム床面より高さ30cmを超えないこと。
- 試技中は、上記の姿勢を維持すること。
- 主審の合図の後、バーを胸の位置まで降ろし、バーをいったん停止させてから、バーを押し上げ、ひじを完全に伸ばした状態で静止する。
- 主審は、ひじが完全に伸びきり静止したのを確認して、「ラック」と合図する。選手は、静かにバーをラックへ戻す。
- 反則行為
- 主審の合図前に試技を開始したり、バーをラックへ戻すこと
- スタート前に、誤ってバーを胸上や腹上に落とすこと
- 試技中に、頭、肩、臀部、足、手の位置が、始めの位置からずれること
- バーを静止した後に、胸上ではずませたり、沈めたりしながら挙上すること
- バーが傾くこと
- 挙上途中で、バーが下がること
- 挙上完了後、腕が完全に伸びきっていないとき(左右バラバラにフィニッシュしてはならない)
- 試技開始、終了の主審の合図の間に、補助員がバーベルに触れること
- 選手の足が、ベンチ台やベンチ台の支柱に触れること
- 試技中、故意にバーをスタンドに触れさせて、試技を有利に導くこと
- その他、動作に関する要求事項に応じなかったとき
デッドリフト
- 動作
- 選手は、プラットフォームの正面を向き、バーを両手で握り、1回の連続動作で完全な直立姿勢まで引き上げる。注意事項は下記の通り。
- 手幅は自由で良い。
- 引き上げが完了したとき、ひざを伸ばし、肩は後方へ返さなければならない。(「肩を返す」というのは、直立姿勢で胸を張り、肩が返った状態をあらわす)
- 主審は、バーが完全に静止し、選手が試技完了姿勢(上述)をとったときに、片手を振り下ろしながら「ダウン」と合図する。
- 床にあるバーベルが、引こうと努力しても浮かなかった場合、これを1試技とみなす。したがって、この試技は失敗とされる。
- 反則行為
- 引き上げ途中で、バーが下がること
- 引き上げ完了時に、肩が後方へ返っていないこと
- 引き上げ完了時に、ひざが伸びていないこと
- 引き上げ途中で、バーを大腿部で支えること(膝を前に突き出して、バーを大腿部へ載せた状態)
- 足が前後左右にずれること(バランスの関係で、つま先やかかとが浮くことは反則ではない)
- バーを戻すとき、両手でコントロールしてプラットフォームへ戻さなかったとき(ダウンの合図のあとでも、手を滑らせてバーを落としてはならない)
- その他、動作に関する要求事項に応じなかったとき