2002年に次いで2度目のCruiseに出た。米Regent Seven Seas Cruises社の客船Mariner号は11月1日夕方SingaporeのHarbourFrontの埠頭を離れ、2.5日の行程でBali島に向かっている。目的地に移動するのが目的ではなく船上の毎日を楽しむのがCruiseの趣旨だ。前回と異なりエンジンの音も振動も全く無い。多分エンジンの方式が違うのだろう。Borneo島とJava島の間の内海Java Seaを行くので今の所ウネリも全然なく、窓の外を流れていく小波を見なければ停泊中の船内か、ホテルの1室のようだ。
2002年の世界一周Cruiseでは、東京で途中乗船し西行してFloridaまで行き、太平洋の部分は最後にHawaii経由で飛行機で帰ってきた。だから今回の南太平洋Cruiseで世界一周完成という理屈である。
Marinerは5万重量トン、全長213mで幅28mと細身なのは、全室海側のベランダを持つ設計で内側の船室が無いからだ。我々の船室964号室は、991号室まである9階の左舷後部寄り、船首から64番目の部屋だ。揺れないように船の重心を狙ったのだが、海は静かで今のところ無意味だ。4階以下は機関室などの他 445人分の船員の空間で、5階以上が700人分の船客空間になっている。5階6階と7階の半分はレストラン、劇場、店などの共用空間、11階の大部分と12階がレストラン、プールなどの共用空間で、その間に船室が三百数十室ある。船室には7種類の広い特別室もあるが、大部分は我船室を含む一般室だ。部屋を出れば皆平等で等級が無いのは米国流だ。我船室は幅2.8m、長さ9.7mの鰻の寝床で27u、廊下側から1/5が浴槽トイレ洗面所などの水回り、2/5が寝室でWalk-in ClosetとTwin Bed、1/5強が居室でソファと小テーブルと机、1/5弱が海を望むベランダでビーチテーブル・チェアがあり、私はGPS受信機端末を縛り付けた。先ほど大洋の真ん中に石油Rigがある傍を通過したし、時々遠くの船とすれ違うが、そうでもないと360度水平線で単調だ。
船会社によっては主レストランも二部制をとっているが、この会社と船ではほぼ全員が一度に収容できる。その他に数箇所のレストランがあり、食事と標準ワインは全て無料だ。私たちは朝はロビーでContinental式朝食、昼は船尾のレストランでバイキング、夜は主レストランで"Company"を求めることに落ち着きつつある。Companyとは、「誰でもいいから食事仲間を見つけて」とBlind Dateをスタフに頼むことだ。大体は3組6名の食卓となる。会話が弾む時もあり、全然会話に付いていけない時もある。
定員700名に実乗船者は500名くらいらしい。大体世界のCruise人口の8割は米人だが、この船の米人率はかなり低いように思える。今まで出会った人は、英x2、豪、ベルギー、New Zealand、米の6組だった。日本人が私共の他に6名乗っていることが判った。夫婦2組と女性1人が若い女性の通訳兼添乗員と共にグループで乗船している。Cruiseの添乗員は楽でいいなあ。乗務員は、幹部として紹介された十数名のうち米人1名豪人2名の他は全て欧州人だった。船長は伊人だ。Waiter/Waitress/Maidなど現場で働く人は圧倒的にPhilippine人だ。皆流暢な英語を話すから助かる。
毎日の予定は前日にNews Letterで配布される。毎日40-50件の催しがある。一部にしか興味の無い催しもあるが、講義が午前2件、午後1件、夕食後のショーなどは多くの人が参加する。今日の講義は海洋環境学、豪州の歴史、アジアの食文化だった。ワイフと一緒に午前2件を聞いたら、ワイフが興味を示した午後の講義は草臥れてパスした。ショーは昨夜は船専属の10名ほどの歌と踊のグループだったが、今日はピアノ演奏会だ。船専属でないアーティストや学者は、寄港地から乗船して下船していく。ワイシャツの洗濯は朝出しておけば夜までに有料でやってくれる。カジュアルシャツや下着は3箇所に3台ずつある洗濯乾燥機とアイロンで処理する。
部屋でInternet接続は出来ないが、図書室の十数台のPCは有料で接続できる。Marinesatという静止衛星経由で1分25円だ。Windows XPのお陰で日本語表示はしてくれるが日本語入力は出来ない。自分のPCでFileを作った上でFloppy渡しで読み込む。
ワイフは喜んでいる。長年苦労を掛けたからな。 以上