うつせみ 
1996年3月20日
            Java Applets

 秋葉原の書泉で次の本を買った。

   Hooked on Java, Arthur van Hoff et al, Addison-Wesley
   181頁、CD-ROM付き、\4,500

多分「Javaに引掛かって夢中」というほどの意味であろう。出来合いの Java Appletを使い、Home Pageを豊かにしようという本である。先日個人 Home Pageを会社のサーバに入れて貰ったから丁度手頃な目標である。

 CD-ROMには、Java Appletが 3ダースほど入っていた。当初Solarisとい うDirectoryのAppletを動かそうとしたがビクとも動かない。Windows 95 という Directoryの圧縮ファイルを解凍して得られたAppletは動いた。 Java Appletは機種に依らないなどと生半可な知識が邪魔をした!

 さてどのAppletを組み込むかである。最初は興味津々であったが、いざ となるとあまり自分の Home Pageに組み込みたいものがない。通常の通信 速度で2-3分でDown Loadできる 50-100KB程度の Appletでどういう面白い ことができるかというのが Appletに問われている課題である。算盤やク ロスワードパズルもつまらないし、アニメを動かしても、グラフ表示をし てみても下らない、東芝Harmony展で誇らしげに出展していたLED広告画面 を走らせる Appletも何だ出来合いの Appletだったのか、と悩んでいる内 に面白い Appletを見つけた。

 Scrolling Imagesという Appletは、New Yorkの摩天楼の写真を回転レ ストランから見た360度パノラマであるかのように回転させる。幸い私は 八ケ岳を含む本当に360度のパノラマ写真を持っているから、それを組み 込むことにした。写真を次々に読み込んでつなぎ合わせてループにするの が実は一番大変であった。あまり縮小してしまうと山の迫力が出ないし、 縮小しないと巨大な画像になって画像処理ソフトで処理出来なくなる。最 初は視覚120度くらいを360度であるかの如く無理にループにしてみたが、 絵としてはよいが山を知る人には不自然だと思い至り、この試作品は捨て た。しかし試作のおかげで画像処理ソフトを3種類使い分ければかなり大 きくなっても処理できることに気づき、また Appletの仕組みも理解でき たので、覚悟を決めて写真14枚から成る360度パノラマを綿密につないだ。 この写真画面を作るのに試作失敗も含めて1.5日掛かった。なかなか迫力 がある。山や自然の好きな人は楽しんでくれるだろう。

 だがJavaが実行できないBrowserしか持っていない人が日本ではまだ多 いだろう。そう思ってパノラマ動画の頁の一部にせめて静的なパノラマも 含めることとした。その写真を見ているうちにまたアイディアが浮かんだ。 Zineという Appletがあって、画像の上の特定箇所にカーソルを持ってい くと指定場所に指定のテキスト文が表示できる。これでパノラマの紹介が できれば面白い。Java-Powered Browserではそれが出来て、古いBrowser でも静的写真だけは見られるようにはならないか或るトリックを試してみ たらうまくいった。写真にカーソルを感じる領域を十数カ所定義し、説明 文を付けた。位置指定は物差で計って電卓で Pixel数に換算して指定する。 説明文も嘘にならぬよう一応百科辞典も引いて確認して、などとこれも半 日仕事であった。残念ながらこの説明文に日本語は使えないが、一応うま く出来た。ただ Appletの欠点として、或る時間をかけて折角Loadingして も Appletが動き始めてから表示されるまでに当然遅れ時間が生じる。

 一応満足いく形で Appletの試用に成功したが、Home Pageをあまり頻繁 に変更するとinfoPepperに迷惑になるから、以上の成果の公開は4月号の お楽しみとしよう。他人様の作った Appletを使うだけでなく、次には自 分でAppletを作りたい。以前Visual C++を勉強したから言語的にはあまり 苦労しないで済みそうである。但し例によって何を作ればよいかが難しい。 一つだけ良いアイディアが出て、Home Pageの一角にボタンを置いて「面 白い」「面白くない」を投票して貰い、グラフ表示しようとその気になっ たのだが、最大の困難に気がついた。投票結果をどう当方に取り込むかで ある。勿論できるはずだがもう少し勉強が要る。その前にどんな Applet を作ってやろうかと今頭をひねっている所である。      以上