携帯電話でInternet
3つの逆転という話をNHKの人の講演で聞いた。(1)昨年度パソコン(PC)の出荷台数がテレビ(TV)を抜いた、(2)昨年度携帯電話の台数約60M台が固定電話を抜いた、(3)今年中には携帯電話でのInternetユーザ数がPCでのInternetユーザ数23M人を抜く(今年中は無理?)、という3点である。
(3)に刺激されて携帯電話のInternetを実体験してみたいものだと思った。今携帯電話は持っているが、難しい待ち合わせをする時以外はほとんど発信専用だ。一番便利なのは飛び乗った電車からワイフに迎えの車を頼む時だ。固定電話でも、当方の都合にお構いなく呼び出される電話という仕掛けがそもそも気に入らない上に、出先まで追いかけられる携帯電話が好きになれるはずがない。だから時々は業務に使うとしても会社にチャージもしていない。そもそもこれは愚息が何かの福引きでTsu-ka(京セラ・トヨタ系)の携帯電話を当てて、「僕持ってるからお母さんの名前で登録してよ」ということになり、ワイフの名義のまま私が使ってきた。
最近今度はワイフがInternet Tsu-kaを当ててきた。販促手段で多くの人に当たるのだろう。勿論京セラ製で軽い。既にTsu-kaを持っている人は駄目というのを、「いや主人に使わせますから」と貰ってきた。
NTTドコモのiモードが、水道橋のAccess社を中心に開発したHTMLのサブセットCompact HTMLを使っているのに対して、Tsu-kaを含むDDIグループは、米国Unwired Planet社(今はPhone.com社と改名)が定義したHDML=Handheld Device Markup Languageと、それをベースに標準化団体WAP=Wireless Application Protocolが定義した標準言語WML=Wireless MLを使ってEZWebという名の情報サイトを構築している。しかしドコモ先行の勢いはすさまじく、WAPの方から歩み寄りの意向が示されている。当然情報サイトもドコモの方がより豊かだ。私が一番欲しく思ったのは、ドコモサイトで月額180円−200円で有料提供されている交通渋滞情報であったが、EZWebには無いので諦めねばならぬ。
なお藤原紀香嬢で頑張っているJR系の携帯電話J-phoneは、MML=Mobile MLという独自言語を使っているが、HTMLサイトの文字だけをサーバでMMLに変換するから、PC用のURLが全部使えるとも(使えないとも)言える。
EZWeb上でEメイルが送受できる。但し十数個のキーで文章を入力するのは死ぬ想いだ。「タ行」キーを1回押せば「た」、5回押せば「と」という方式だから「所々」は31回、「元通り」は23回押してからかな漢字変換に移る。変換しなくていい英字は簡単だろうと思うとさにあらず、「2」のキーを1回押す度にABCabcと変化するから大文字小文字をキチンと使い分けようとすると哀れを留める。しかし機器が軽くて一体なのは使いやすい。電車の中で立ってLibrettoからEメイルを送ろうとすると、Librettoとコードと携帯電話を支えながら片手でキー操作しなければならない。立上げ・接続・終了に時間が掛かりModemはよく途切れる。携帯電話での入力の手間は大変だが扱い易い。従って簡単なEメイルなら携帯電話の方が便利だ。Eメイルを受信すると携帯電話が鳴ってくれるから、緊急メイルは(電源が入っていれば)直ぐ注意を引くことができる。しかし大きいEメイルや添付ファイルは当然駄目だ。PCに来たEメイルを携帯電話にも転送するようにして、誰から何のEメイルが来たかチェックするために携帯電話を使い、中身を見るのはPCという使い方をする人も居る。
J-Phoneは別として、PC用のサイトが見られる訳ではなく、携帯電話会社主宰のサイトに限られる。但し世界標準準拠を謳うEZWebはABCニュースなど横文字情報も含まれる。乗り換え案内が一番便利だ。どの駅で何時に乗れば目的地に行けるかを調べられるのは福音である。出張先でホテル予約とか、出先で天気予報とかも便利そうだ。別料金でPC上の PIMと連動する。しかしそれ以外であまり頻繁に使いそうな情報がない。他に手段が無ければ喜んで携帯電話を使うと思うが、会社にも自宅にもPCがあるという前提で考えると、携帯電話で航空券申し込みや銀行振り込みはしない。
EZWebは月額費用200円でタダ同然だが、無料情報でも通話料は嵩む。これが勿論携帯電話会社の狙いであろう。 以上