テクノうつせみ
1998年 7月11日

           Windows 98

 愚息が7/25の発売に先駆けてWindows 98を入手してきた。そうなるとすぐにも試したくなるのが私のモノ好きな悪癖である。

 ものの本にディスクに二百数十MBの余裕がないとインストールできないと書いてあったので、休日に家中のPCのディスクを調べた。少し前までのマシンは主ディスクが500MBが普通だったから、それにWindows 95が入ってアプリが入ってなお250MBも余っているはずがない。一部Folderを削りにかかったが、とても必要容量を確保できない。削っていいかどうか自信の無い部分はどうしても削れない。オフィスの紙ファイルが、収納場所がある限り増え続ける(不思議にも収納場所が無くなると増加も止まる)のと同じ構造である。それも個人用の紙ファイルではなく自分の預かり知らぬ紙ファイルを含む共有の紙ファイル収納に似ている。OSが勝手に使っている必須のPCファイルがあるからである。どうも古いマシンについては、主ディスクの大容量化から始めないとWindows 98は使えないと悟った。

 一つだけディスクに余裕のあるマシンは Libretto 70で、主ディスク 1.5 GBのうちまだ500 MB空いている。会社のマシンを別にすれば一番使い込んでいるマシンだけに不安がよぎったが、万一にも消えては困るファイルをZIP 2枚に退避した上で思い切って入れ替えることにした。

 インストールは CD-ROMから90分かかった。その間(4倍速ながら)CD-ROMかCPUが回り続けたのだから、たかがインストールとも言えない。インストール作業自体はただ退屈なだけで迷うこともなくスムースに進む。最後には説明を見て逃げ出さないとInternet ExplorerでInternetの加入手続きまで自動化されている。これではNetscapeの株価がもたない。この時の選択リストに入ってないプロバイダも大変だと思う。

 Windows 95上のアプリがどの程度引き継がれるか不安であったが、これは杞憂で、デスクトップの配置からプログラムディレクトリまで含めてほぼ完璧に継承された。ただなぜか電子メールの設定の一部が消えたが、これはOSをいじるとよくあることで驚くには当たらない。但しディスク容量が足りないという警告を無視してインストールを強行すると途中でハングアップして収集がつかなくなるらしい。

 結局インストールしての収支決算はどうであったかというと、まず500 MB近く余っていたディスクが200 MBの余裕となってしまった。300 MB近く増えた内には、万一の場合Windows 95に戻すためのバックアップファイル60 MBがあるから、これは少し様子を見てから消すことが出来る。それにしても巨大なOSである。Windows Folderには400 MB近いファイルがある。一方使い勝手はほとんど変わらない。起動が35%速くなったという宣伝が行き届いているが、今やWindows 95の「サスペンド」、Windows 98の「スタンバイ」で電源を切る人が多いだろうから起動時間はあまり関係ない。サスペンドとスタンバイでは有意の差は無い。最初はアイコンをクリックしてから動作までにやや時間が掛かるように感じたが、そのうちにそう感じなくなった。学習機能があるのだろう。Windowsなど画面のデザインを自由に変えられるのは楽しいが、ワイフのドレス選び同様あれこれ迷うし、しかしどうでもよいことでもある。プルダウンメニューが本当に上から下に伸びてくる。これはせっかちの私には合わないから早速止めた。

 スタートボタンを押すと上の方にWindows Updateというメニューがある。将来これを選ぶとWindowsの最新版がダウンロードされるそうだ。これは有難い。商売上関心のあるテレビ関連のBroadcast PCが入るのが秋になると言われるからだ。Windows 98の最大のメリットはOnNowではないかと思う。スタンバイでオフにしたPCに電源を入れると数秒で立ち上がるという。これはACPI = Advanced Configuration and Power InterfaceというHardware + BIOS(東芝が貢献した)が無いと動かない。Windows 98 Pre-installの最新メーカ品はこれを実装しているのだろうが、それ以外ではまだ入手が難しく、Windows 98をインストールしても働かない。

 Windows 98はCPUパワーとメモリを更に使い込んで、使い勝手を改良したOSと理解した。物好きな人以外は乗換えを急ぐ必要は無い。  以上