・第1日め(3/13)の夜 その2・


いよいよ夜の街だ。よけいなモノは持っていくのやめよう。なにがあるかわかんねーからな。一応身分証明のため、期限切れだけど国際免許を持っていく。顔写真付きで生年月日、国籍とか必要事項はわかるからね。あとは簡単な地図とお金だけ。カメラも置いていく。手ぶらが一番だよな。気合を入れて19:30頃ホテルを出る。

まずは明日のピピ島ツアーを申し込もう。たしかあのへんにツアー屋があったよな、とさっきの散歩が早速役立つ。時間が遅いのでちょっと心配だったが、まだやっていた。よかったねー。カウンタのお姉さんにツアーの内容と料金を確認する。ピピ島はプーケットから船で3時間位のところ。始めは行き帰りの船だけでいーか、とも思っていたが昼メシとシュノーケルまでつけてもそんなに変わらないので、結局パックのやつで申し込むことにする。650バーツ。明日はホテルにピックアップにきてくれるそーだ。よしよし。これで明日はバッチリだぜ。

さて、夕メシをどうしよう。さっきのメインストリートへ戻り、レストランがいくつかあるところを目指して歩いていく。街はすっかり夜のカオになっていて、さっきより人出も多くなっている。一人であるいていると怪しげなオニイさんたちが声をかけてきたり、オネエサンたちが日本語で話し掛けてきたりする。ポリスもあちこちに居るし。ちょっとコワイよー。でもまだ20:00頃だぜ。もっと遅くなったらどーなんだろな。しばらくしてレストランのあたりへ。いろんな店がある。屋台もある。そそられるよなー。でも屋台はめちゃくちゃ辛い、つー話と、屋台でアタって3日寝込んだって話を友達から聞いていたので、今回の旅行は食べ物に関しては冒険しないでおこう、と決めていた。迷ったけどやっぱり屋台はパス。思い切り高そうなとこは問題外のソトで、中くらいのグレードでオープンレストランをいくつか吟味する。結局「なんとなくよさそう」なところへ、てきとーに入ってみる。BanglaSeafoodというレストランだった。

メニューは写真つき。「タイ式ビーフン」がうまい、と聞いていたけど、どんなもんか知らなかったので聞いてみる。いくつか教えてくれたけど、結局「ライスヌードル」の文字と「醤油味」らしいので炒めモノ風のヤツにした。名前はよくわかんなかったんだけど。で、もちろんビールも頼む。シンハーの大ビンをね。料理が出てくるまで一人でビールを飲んでいたら、ウェイトレスのねーちゃんがビールをついでくれて、なんか話し掛けてきてくれた。タイは初めてだけどイーとこだよね、なんて感じでちょっとお話。ついでにチップをどうしたらいいかわかんなかったんで、普通はどーなの?って聞いたらこれが失敗。そりゃそーだよな、向こうの立場的にうまく言えないよな。おまけに英語もよくわからなかったみたいで、なんか気まずくなっちゃった。しばらくして料理が登場。一口食べてみて・・・うまいっ!うめぇじゃねーか、コレ。一緒に炒めてある野菜もシャキシャキして歯ごたえがイイし、味もイイ。なにより辛くなくて実にオイラの口にあう。大正解だった。料理の量もアメリカやヨーロッパみたいにめちゃくちゃな量じゃなくて実に丁度いい。ビールも進み、腹一杯。大満足さ。これで190バーツ。安いよなー。

さて、お腹もOK、ちょっと酔っぱらってイイ気分になったので夜の街をあそんじゃおーかなー。特にあてもなくうろうろしてみる。するとさっきのスーパーの先に巨大な体育館のよーなものがある。その中央にはリングがあって、なんと「ムエタイ(キックポクシングね)」をやっているではないか。とくに入場ゲートとか無くて、オープンだったのでふらふらっと入ってみる。奥にバーのカウンターのようなものがあり、どーやらそこで飲み物を買えば見ていてOKらしい。しかもリングのモロかぶりつきまで席があって、好きな所に座ってよさそうだ。こりゃー見とくか、とカウンタでシンハーの小びんを頼む。90バーツ。ちょっと高いけど、いいか。通りからすぐのリングサイドにはNAVYらしき連中がいっぱいいて騒ぎまくっている。あっちは危ねぇな。反対側の、リングからちょっと離れたテーブルに座る。でもしょっちゅう係の人や警備員らしきひとがまわっているので、危ない雰囲気は全然ない。子供連れや女の子だけのお客さんもいるし。

はじめてナマで見るムエタイはすげぇ迫力。ものすごい音がするし、ホントに殴り合っている。うっわぁ、痛そうー。マジ痛ぇって、あれ。オイラはそもそもこーゆー格闘技自体、ナマで見るのは初めてだったのでびっくりしてしまった。コーフンして飲んでいたらビールもすぐになくなってしまい、追加を頼んじゃったりしてね。1戦が3ラウンド。最後は判定で勝ち負けが決まる。もちろんKOもあるけどね。NAVYの連中は仲間内で賭けているらしく、打ち合いになると大騒ぎして応援している。それを見ているだけでもけっこう楽しめたりしてね。しかも選手達は試合が終わると客席におりて来て、お客さんに握手をしたり一緒に写真とってくれたり、すごくサービスしてくれるのだ。オイラも試合直後の選手と握手したけど、意外と手が柔らかかったのと、リング上とまるで顔つきが違っていたのが印象的だったな。(もっともこのサービスはチップが目的だってあとでわかったんだけど)ま、ともかくイイところを見つけた。ここは面白いぞー。

数試合見てイイ時間になってきた。そろそろオトナの時間だぜ。酔ってきたせいもあり、さっきの散歩でチェックしていた、「ヤバそうな雰囲気」のエリアに行ってみよーかなー、という気分になってきた。もちろん警戒はオコタラナイようにしてな。で、どこを目指したかっちゅーと、「Go−Go Bar」。なんとなく噂は聞いているけど、やっぱさ、せっかくさ、来たんだしさ、実際にさ、見てみねーとな。

いざ行ってみると、もう通りの入り口のへんから雰囲気が違う。道の中央、両脇にバーがずらっと並んでいて、ロックが大音量でガンガン流れている。NAVYの連中が飲みまくり騒ぎまくっていて、うじゃうじゃ酔っ払いがいる。大丈夫かなー。でもさ、なんかホントに危ないって感じじゃないんだよな。イカガワシイ雰囲気はするけど、それだけって感じ。空気は意外と健全だったりするのだ。(もう一個所、ホントにヤバそうなところは入り口だけでまずい、と思い引き返した)こりゃー大丈夫だな、と確信し通りに入っていく。実はこの通りの奥にゴー・ゴー・バーの看板があったのをチェックしていたのだ。看板を目指して行ってみると、周りにも何件かある。うーん、どこにしよう。そのなかで表に立て看板があり、料金が明記してあるところがあった。ドリンク70バーツだけ、追加一切ナシ、みたいな文句で。こーゆーのってどこも同じなんだねーと思いつつ、一応入り口のオニイさんに確認。ホントにこれだけとゆーのを再確認して中に入る。School Girlという店だった。

中は「いかにも」ってカンジ。イカガワシイぞ。わくわく。店の中央にお立ち台があって、棒があって、女の子が3人くらい踊っている。みんなお店の名前どおり、セーラー服みたいなのを着てね。うーむ。意外と普通じゃん、としばらく踊りをみていると、注文をとりに来たのでシンハーを頼む。ホントに70バーツだった。これだけ。あとはカブリツキで女の子の踊りを見ていればイイのだ。でもなー。いつまでたってもみんな服着たままだぞ。脱がないのかなー。なんか聞いた話と違うなー。ビールを飲みつつ、ぼーっと見ていたら、そのうちの一人がノーブラで、服のワキからちょっとチチが見えた。そしたら隣のあんちゃん(たぶんNAVYの白人)が大喜び。「ノーブラジャ、ノーブラジャ」って。隣のオイラも合わせてやって、手を取って2人して喜ぶ。バカだねー。こーゆーとこだとオトコってみんな同じなんだよな。チョー単純。やがて隣のあんちゃんが女の子にチップを差し出した。すると、彼女が彼だけにサービスショット。おお、そーか、この店はそーゆー仕組みなのね。オイラにもビミョーに見えたのでちょっとウレシかったけど、こんなことしてたら、かえって高くついちまうよな。するとしばらくして、となりの席に女の子が座ってきた。なんか話しかけてくる。「あたしと、どう?」的な話だ。やっぱ来たか。これは聞いていたとおりだぞ。でも全然そんな気なかったし、そもそもお金を持ってきていないので丁重にお断りする。するとそんなにしつこくもなく、あっさり退散してくれた。このままいても面白く無さそーなんで、ビールを飲みおわると同時に店を出ることにした。

もうホントいい時間になってきた。明日はホテルのピックアップが7:30の予定だから、あんま夜更かしするとまずいな、とゆーことで、今日はこのへんにしておくことにした。さあ、ホテルに帰ろう。けっこうイイ気分で酔っぱらったしね。で、帰る途中にディスコがある。明日もあるし、料金だけでも見ておこうと入り口まで行き、お店のシステムを説明してもらった。入場料100バーツ、中での飲み物は80〜100バーツ位らしい。日本円で計算したら安いけど、スーパーとかレストランとかの物価を考えるとちょっと高いな、と思った。そしたらその途中で日本人の若者、たぶん大学生くらいのヤツが来た。「一緒に入りましょーよ、オレ昨日も来たけどめちゃ楽しかったっすよー」だって。「でもちょっと高くない?」「えーだって100バーツっすよ」うん。そう思うのわかるけどさ。こっちの人には決して安くはないんだぞ。「ごめん、あんま金ナイからさ、またね」と言って帰ってきた。そもそも、もう時間が遅いってのもあったけどね。なんでこーゆーとこ、シビアになっちゃうんだろ、オレ。とてもさっきまでゴー・ゴー・バーでハナノシタのばしていたヤツと同一人物とは思えねーぞ。

24時間のコンビニで絵葉書を買ってホテルに着いたのは23:45。フロに入ってビールを飲んだ後、友達と元奥さんに絵葉書を書く。内容はほとんどナイけど、ともかく楽しい気分を伝えたかったんだよな、きっと。切手代はホテルのフロントで3枚45バーツだった。部屋に戻り、モーニングコールを頼んだ後、再びベランダでビール。今日一日をふりかえってみる。

まだ一日目だぜ。あと5日もあるんだぜ。楽しすぎておかしくなっちゃわねーかな、なんてさ。夜風がキモチいい。暑い。でも暑さが心地イイ。遠くではだれかが花火をあげている。夏の夜ってなんでこんなに気だるくて気持ちイイんだろう。毎日こんなんだったらいいのに。

あーホントにタイにいるんだよな。

さ、明日はピピ島だ。早起きだぞ。がんばろーな。と思いつつ、結局もう一本ビールを飲んでしまい、寝たのは1:30頃だった。大丈夫か?


次の日に進む

メニューに戻る