・第2日め(3/14)の夜 その3・


とりあえずはホテルに帰ることにした。もう23:00はまわっているのに、メインストリートはまだまだ活気がある。NAVYたちはあちこちで酔って大声をあげているし、人通りも全然減っている雰囲気はない。すっかり酔っぱらったせいもあり、人込みの中をなんかボーっとしながら歩いていたら、気が付くとホテルへ帰っていた。いったん部屋にもどり、シャワーを浴びる。ベランダに出て例のごとくビールを飲みながら夜風にあたっていたら、すこし醒めてきた。せっかくの最後の夜だってーのに、なんか不完全燃焼だよなー。こんな気分のままじゃなんかヤだよなー。なんとなく、もうひと騒ぎしないとおさまりがつかねぇって気分になってきた。だってさー、せっかくのプーケットの夜だぜ。今度はいつ来れるかわかんねーもん。ヘタしたらもう2度と来れないかもしんないもん。そして思い出した。あのディスコ、確か2:00までって言ってたよな。まだ0:00前だ。よゆーで行けるじゃん。よおおーし。もうひと暴れしちゃおっかなー。燃えてきたぞー。早速着替えて、ディスコに行くことにしたのだった。ホテルを出るとき、そろそろ0:00をまわろうとしていた。

ディスコまでは歩いて10分かかんない。高いとは思ったけれど、最後の夜ってことでフンパツして入場料100バーツを払い、いざ入場。そもそもディスコっつーもん自体が久しぶりだからなんかわくわくしてきた。腹に響く大音量のビート。ド派手な照明。こんな時間だっちゅーのにかなり混んでいる。おおー「でぃすこ」だぁ。わーい。気分がウキウキしてきた。まずはドリンクバーに行って、ウィスキー・ソーダを注文。80バーツ。めちゃ高けぇ!ま、でもしょーがないか。シラフじゃいられねーもんな。コップを片手にまずは場内探検。フロアはけっこう広くてたくさんの人が踊っている。ここはわりと白人密度が低くて、現地人やアジア系の客が多いようだ。ふと見ると2階があるので早速登ってみる。上からフロアと店のほぼ全体が見渡せる。こーして見るとなかなかのお店。六本木にあっても全然OKって感じ。つってもオイラ六本木のディスコって行ったことないんだけどな。で、上から眺めていたらなんかむずむずしてきた。どーせ誰もオイラのことなんか知らねーんだ。踊っちゃおっかなー。

1階のフロアに降りてウィスキーを飲み干し、ダンスフロアへ踏み込む。でも端っこのほうだけどね。てきとーにリズムに合わせて体をゆする。踊るんじゃなくてホント音楽に合わせてノッているだけって感じなんだけど、なんか気持ちよくなってきた。へへ。楽しくなっちまうじゃねーか。いぇいっ。年寄りの冷や水と笑いたければ笑え!かんけーナイもんねーだ、と、一人忘我の境地に入り込んでいたら、ちょっと離れたところの女の子達がこっちを見ている。そのうちの一人がこっちにむかって手をふってくる。え?おれか?まさかな。回りを見渡すが、彼女のツレらしい人はいない。気になって彼女を見ると目があっちまった。そしてまた手をふってくる。マジ?マジでおれか?恐る恐る手を振り返すとニコッと笑ってこっちに近づいてきた。おいおい。逆ナンだぜぇー。やべぇんじゃねーの?けっこうカワイイ娘だぞー。

「一人ですか?よかったら一緒に踊りません?」てなかんじだったかなー。どっから見ても普通の娘。格好も地味めだし、20歳前後の地元の子って感じ。「オイラでよければ是非!」。昼間のキンちゃんのこともあり、日本人ってだけで興味があるんだろーな、と思い込み一緒に踊ることにした。踊るっつったって、向き合っててきとーに体を動かしてるだけなんだけどね。そのうちちょっとノドが乾いてきた。「ひと休みしよーよ」と声をかけて、フロアの周りにあるソファーへ誘う。「なんか飲む?オゴルよ」「あ、じゃあ私が買ってきてあげる。ナニがいい?」優しいじゃねーか。ウィスキーソーダを頼み、お金を渡してソファーで一服。昨日、日本人の若者が言っていたことが思い出される。確かにこんなんだったら「めちゃ楽しいっすよー」だよなぁ。しばらくして彼女がコップを手に戻ってきた。「ありがとー、とりあえずカンパーイ」ってオヤジ丸出しで飲みはじめる。並んでソファーに座り、まずは世間話なぞをしてみようかね。「この店にはよく来るの?」「うーん、わりと来るかな」「さっき友達もいたようだけど、いいの?」「うん、大丈夫だよ」なーんて感じで。この時点では全く警戒も下心もなく、ただ単純にお話をしているつもりだった。しかーし。世の中そんなに甘くはナイ。そのうち彼女が体を近づけてきた。つーか、ひっついてきた。オイオイ、積極的すぎねーか?これはもしかして・・・と思っているが早いか「ねえ、私とシたくない?」と来た。「うーん、そりゃー正直シたいけどさぁ・・・」「1000バーツでいいわよ」。え゛え゛ー。ブルータス、おまえもか。ショックだった。こーんな普通の娘が。結局こーなるんかっ。

考えた。まーた迷った。すげぇ迷った。ホント正直な話、ヤリてぇ欲はそれほど強くはなかった。なれない土地で緊張が続いていたのと、昼にトバしすぎたせいだったと思う。いつもよりは全然性欲はなかった。でも、さっきの娘のことを思い出した。さっきの気持ちも思い出した。ここで断ったらまたさっきと同じ煮え切らない気分になって帰ることになる。同じことはしたくないと。さらにいーかげん酔っていて、自制するオイラも弱くなってきていた。好奇心と大音量の音楽もオイラを後押しした。もうどーでもいいや。行くだけいったれ。

「OK、行こうか」返事をしてしまった。OKしてしまったのだ。もう後戻りはできねーぞ。どーするっ!

まだまだ続く・・・・・


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