・第4日め(3/16)の夜 その3・


「うーん、わっかんねぇなぁ。どこに行くの?オイラと日本に行きたいの?」「もう!あとちょっとお金をだしてくれたらイイとこに行けるのよ。わかるでしょ」。やっぱな、来たか。だいたい話は聞いていたし想像はついたんだけどね。ナニを言っているのかは。「うーん、お金かぁ。いや、もう100バーツしかないんだ。ホント。だって、明日日本に帰るのね。もう全然残ってないのね」 とりあえずみえみえのウソをかまして、かわしておく。いったんはこれであきらめたようだった。その後は普通の話に戻り、しばらくステージを眺めながら会話を楽しむ。時々「ね、ほんとはお金あるんでしょ、行こうよ」と言ってくるが、あくまで「ねぇものはねぇ」で押し通す。そのうちほんとにあきらめたのか、会話も途切れがちになってきた。ま、これだけつきあってくれたし、なかなか良い娘だったので、お礼のつもりでコーラをごちそうすることにした。ただし「もうホントにこれが最後の100バーツ札だからね。見て、もうなにもナイでしょ」とケンセイをかまして納得させてからね。コーラは90バーツ!高けぇ〜。おまけにチップで10バーツとられて丸々100バーツが飛んでいった。

そして。「さっきの話だけどさ、後学のために一応どーゆーシステムか教えてくんない?」と切り出す。もうオイラに全然お金がナイのがわかっているし、コーラのオゴリがあるから「しょーがないわね」いった感じで、それでもちゃんと教えてくれた。お店の奥か3階に ”そーゆーため” の部屋があり、使用料としてお店に200バーツ。彼女には別に1000バーツ。それで全てOKなんだそうだ。日本円に換算するとやっぱり信じられない金額だ。でもこういう感覚をマヒさせちゃあいけないよな。日本円に換算して考えちゃいけない。現地の感覚でいえば大変な金額なんだぜ。彼女がコーラを飲み終えた頃、お礼とお別れを言って店を出た。よし、本場のゴーゴーバーは制覇した。これでもう夜のバンコク・パッポンは十分だ。ほんと、もう十分だ。

時間を見るとまだ21:30だった。このままホテルに帰るのももったいない気がした。といってパッポンをうろうろするのも気がのらない。そーだ、昨日メシ食べたサヤーム・スクエアのハードロックカフェ、行ってみっかな。さっき別に隠しておいた500バーツがあるし、ビール位なら飲めるだろう。おまけにサヤーム・スクエアならスカイ・ウェイで行けるしな。つーことで、移動することにした。

まずはスカイ・ウェイ初体験だーい。切符の自販機は10バーツか5バーツのコイン専用。お金を入れ、目的地の駅までの金額(25バーツだった)のボタンを押す。と、テレホンカードみたいのが出てきた。これが切符なのだ。なんか贅沢っちゅーかムダっちゅーか。改札は自動改札。カードみたいな切符を入れて、引き抜くとゲートが開くしくみだった。中に入ると、さすができたばかりでめっちゃキレイ。エスカレータで登っていき、ホームはビルの5〜6階くらいの高さにあった。ホームには必ず警官がいて見張っているので治安は完璧。電車は5〜10分毎に来るらしい。ちょっと待っていたらピカピカの電車がやってきた。乗り込んでまたびっくり。すげぇキレイ。エアコンも効いていて快適そのもの。乗客も少なくてほとんど貸し切り状態だった。

10分ほどでサヤーム・スクエアの駅「セントラル・ステーション」に着いた。2路線あるスカイ・ウェイの唯一の乗り換え駅だ。出口も自動改札。切符を入れるとゲートが開く。あーんなに立派なカードみたいな切符なのに使い捨てってのがもったいねーなあ。(後でわかったが、回数券のよーに買うことも出来たらしい)さて、ハードロックカフェへ行くか。

昨日ヘロヘロになりながらも歩き回っていたおかげで、このスクエアの土地カンはできていた。迷うことなく到着。中をのぞいたら相変わらずすげぇ混雑。でもその混雑がおもしろそうだよな。今日は飲むのが目的だしね。へへ。さっそく入ることにした。入り口で「食事か?」と聞かれたのでとーぜん「ドリンクだけ」。するとバーに行ってねってな感じで入れてくれた。奥にはステージがあって楽器がスタンバってる。ライブもあるんだな、きっと。わくわく。早速バーカウンターに行ってシンハーを注文。「130バーツ」。えっええ〜。高っけぇ。普通サイズだぜ。昨日は屋台でビッグサイズでも70バーツだったよなー。それにコンビニの値段で言えば6倍じゃん。びっくりしたー。でもこんなに高いのになんで混んでいるんだ?

ふと周りを見回すと現地人が多いんだけど、みんなボンボン風とか金がかかりそうな女ばかり。あとは観光客が少々。そーか、ここはバンコクの中でもそーゆーやつらのたまり場。日本で言えば六本木の遊びなれた金持ち連中とかが集まるトコなんだな、きっと。この店に出入りすることを自慢するよーな店、鼻持ちならねぇやつらの集まる店。そう思って見ると、確かに立ち振る舞いがわがままで威圧的。どこにでもこーゆー人種っているんだな。そーゆーやつらを狙った店があるんだな。ちょっとヤな気分になっちまった。日本じゃ絶対縁が無い世界。足を踏み入れたくない世界だからさ。オイラ昨日行った屋台みたいなトコがお似合いだもーん。

しばらくしてバンドが出てきて準備を始めた。おお、ライブが始まるぞ。バンドはハーフや白人ぽいのもいるけどみんなタイ人のようだ。そして演奏が始まり、出てきた音は・・・うまい!カッコいい。すげぇぞ、こいつら。ハコバンらしく、有名な曲やヒット曲などのコピーばかりだけど、演奏はめちゃうまい。ミスなんかしないし、店に合わせた音質・音量できっちり演奏する。さすがだな。世界のハードロックカフェだもんな。バンコクいちのハコバンと言ってもイイやつらなんだろうな。20分ほどでライブは終了。メンバーに声をかけて聞いたら一晩で3〜5ステージやるらしい。せっかくだからもう1ステージ見たいなー。30分ほどシンハーをちびちび飲みつつ待ち、次のステージも見ることにした。基本的なセットは同じで、2〜3曲を入れ替えてやっていた。やっぱめちゃうまい。いやあ、ハコバンかくあるべきっつーのを見せていただきましたよ。うん。

もうそろそろいい時間だ。23:05に店を出て、今日はスカイ・ウェイでホテルに帰ることにした。歩いて帰ったらまた屋台に行っちゃいそうだったしね。ホテルの前までは一駅10バーツ。23:25に部屋に無事到着。さっそくシャワーを浴びて風呂上がりのビールを飲みながらまったりしてみる。

あー、今日は王宮やらワットポーやらワットアルンやらカオサンやらいろいろ見て、夜はパッポンに行ってハードロックカフェにも行って、ホント昼も夜もめいっぱい遊んだなー。さすがに疲れた。でもおもしろかった。独りだからこーゆーめちゃくちゃできるんだよな、きっと。ま、明日はアユタヤツアーだし、明後日以降は菊川クンちにお世話になるし、むちゃくちゃすんのも今日でおしまい。ここまででやり残しっちゅーか悔いもないし、十分満喫できたからホント満足。

さて、明日は7:00にロビーに集合だ。ツアーだからなー。遅れちゃまずいよなー。朝メシちゃんと食べたいし、そーすっと6:00には起きなきゃな。うー、朝早いのニガ手なんだよなー。がんばって起きよーな、オレ。もう寝ようぜ。

時間は24:00過ぎ。バンコク2日めの夜はこうして終わったのでした。明日はアユタヤ観光だーい。


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