もう１４年間も愛飲を続けているプロテインに関する話題でした。考えてみると、１ヶ月で１ｋｇ飲んだとして、約１７０ｋｇも飲んだことになるんですね。これだけ飲んで体に異常がないということは、プロテインの安全性は人体実験済みということでしょう(^_^;。
- タンパク質を評価する基準は以下の３つ。どれも正確とは言えず、それぞれ特徴がある。
- PER（タンパク質効率）
- 1gのタンパク質を摂取した場合に、何g体重が増えるかを示す。
- ネズミで測定すること、成長段階の影響を受けることから、あまり重要ではないと考えられている。
- 成長段階にある動物では、動物性タンパク質の方がPER値が高いことがわかっている。
- BV（生物価）
- 吸収されたタンパク質の窒素量に対して、体内に保持された窒素量を比率であらわしたもの。
- 吸収されたタンパク質の窒素量とは、摂取した窒素量から、排便された窒素量を差し引いたものである。
- 保持された窒素量とは、吸収された窒素量から、排尿された窒素量を差し引いたものである。
- 被験者はヒトである。また、１００が最高値である。
- PDCAAC（タンパク質消化是正アミノ酸価）
- 最高値は１で、この値を持つタンパク質は、成長を促進し健康を維持するのに有効であることをあらわす。
- 大豆タンパクもミルクタンパクも、PDCAACは１である。
- PER（タンパク質効率）
- これまでの研究から、以下のことが報告されている。
- 大豆タンパク質は、異化作用を抑制する作用に優れる。しかし、肝臓内で代謝される率が高く、尿素となって排出される割合が高い。
- ミルクタンパク質は、同化作用の促進に優れる。また、尿素となって排出される割合は、比較的低い。
大豆タンパクにやや不利な内容の記事でした。しかし、大豆系のプロテインを飲むと、尿が大豆くさくなることを経験しているので、納得してしまえるところが、大豆プロテインユーザーとしては少々悲しいです(;o;)。
最近は、お徳用の３ｋｇパックでホエイプロテインが売り出されているようですし、少しお値打ちになってきましたので、ホエイプロテインの利用も考えてゆきたいと思います。
毎日のように摂取しているカフェインに関する記事でした。
- 摂取後45〜60分で胃、腸から吸収され、血中値はピークに達する。
- 脳を刺激するほか、血圧、心拍数を上昇させる。効果は数時間持続する。しかし、４日間以上連続して摂取すると、体が慣れてしまい、効果は薄れてしまう。
- パワー系競技には、あまり効果がないとされている。
- 持久系競技には、筋肉のエネルギー源であるグリコーゲンの枯渇を遅らせ、脂肪酸の燃焼を早める効果があり、疲労を感じるまでに時間を延長する効果がある。また、カフェインの効果を最大限引き出すには、レースの３時間前から炭水化物の摂取を控えると良いとされている。（炭水化物が脂肪酸の放出をブロックするため）
- コーヒーから摂取した場合、効果がほとんどないことが報告されている。カフェインの効果が、コーヒーに含まれる他の成分に抑制されてしまうようである。
- カプセルで摂取した場合、効果が確実にあることが確かめられている。
パワー系の競技で効果がない、とは今まで知りませんでした。大会の時には必ずコーヒーを飲むようにしていたのですが、直接的な効果はなかったのでしょう。しかし、記事にもありましたが、コーヒーを飲むことにより心理的な安心感が得られるそうですので、まったく無駄というわけでもなかったようです。
＊『コーヒーブレイク』のページに、最近の研究では、パワー系の種目にもカフェインの効果があるとの情報をいただいております。日進月歩、新しい効果が明らかになりつつあるようです。
まとまった記事があったわけではないのですが、いくつかの記事の中で指導時の｢どなり｣についてコメントがあり、目に付きました。
どの記事からも共通して感じたのは、どなりは良くない、ということでした。たとえば、野球でゴロを捕ろうと飛びついて捕れなかった場合、｢何やってるんだ｣と怒鳴るのではなく、｢ナイストライ｣とポジティブに声をかけた方が良いということです。
また、どなりは心の奥に防衛反応を植え付けてしまい、萎縮した消極的な選手を育ててしまうことになるそうです。
なるほど、と思うと同時に、どならずに選手を指導するためには、選手に自発的なやる気があることが前提だと感じました。きっと、良いコーチというのは選手のやる気をうまく引き出せるのでしょうね。どなるのは簡単ですが、選手個人のやる気を引き出すのは非常に難しそうです。今年の阪神の大活躍の影には、きっと野村監督の選手のやる気を引き出す手腕があるのだと思いました。
試合において最高のパフォーマンスを引き出すには、興奮の度合い（活性レベル）を最適にコントロールする必要があります（Yerkes-Dadson法則）。活性レベルが低い場合にはモビリゼーション、高い場合にはリラクゼーションを行って、興奮を調整しなくてはなりません。これらの内容について、まとめてありました。
- モビリゼーションテクニック
- ジャンプ／体の揺らし
- 動作ピッチを徐々に上げてゆくとモビリゼーションが起こる
- トレーニングの直前、または試合開始の直前に行うと瞬時にモビリゼーション効果が得られる。
- 身体エクスプレッション
- 動作によって抑制的な心理状態を開放するもの
- 身体のいろいろな部分を叩く、叫ぶ、その場での爆発的な飛び上がり、など
- 身体インプレッション
- アイソメトリックに筋収縮を行い、筋緊張を解いた瞬間にプラスの動機へと変換するもの。
- 筋緊張の間に深く息を吸い、緊張を解く瞬間に息を吐く。
- 活性化呼吸法
- 吸気にアクセントをおき、呼気は自然にまかせる。すばやく、深く呼吸する。
- ジャンプ／体の揺らし
- リラクゼーションテクニック
- プログレッシブリラクゼーション
- 筋肉を緊張状態と弛緩状態に交互にすることによって、筋肉の過度な緊張を緩和するもの。
- 自律トレーニング
- ある決まり文句を復唱することにより深い筋弛緩状態をつくるもの。
- 文例：『私は今完全な休息状態にあります』
- 身体中心化
- アジア発祥の瞑想法からきたものであり、身体の中心をエネルギーの中心として捉えるものである。
- 背筋をまっすぐにして仰臥し、両手をへその下に置き、ゆっくりと深呼吸する。
- 弛緩呼吸法
- 呼気にアクセントをおき、吸気は自然にまかせる。ゆっくりと、深く呼吸する。
- プログレッシブリラクゼーション
叫ぶ、体を揺する、など、これまで自然に行っていたものもあり、興味深く記事を読みました。リラクゼーションテクニックは、仕事で、たとえばお得意様へのプレゼンテーション前の緊張をほぐすのにも使えそうですね。是非、試してみたいと思います。
毎週末、ジムに通うときに往復約２時間かかります。そこで、ちょうど時間がつぶせて、ためになるということで、Newsweek日本語版を読んでいます。日本のマスコミと違ってくだらない記事などなく、ジャーナリズムを感じさせる雰囲気があり、話題も政治・経済から映画・音楽まで幅広く、大変読み応えのある週刊誌です。
その中に、面白い話がありました。
- 心の傷を記述することの効果を確認する実験が行われた。
- 被験者は学校内のクリニックを訪れている大学生４６人で、過去のつらい体験を１日１５〜２０分、３〜４日間にわたって書くように指示された。
- 対象群として、自分の部屋の様子など些細なことを記述させたグループと比較した。
- その結果、悩みを記述した学生がクリニックに来なくなる割合は、そうでない学生に比べて５０％減ったことがわかった。
- その他に、血圧が下がる、免疫力が改善される、などの報告があり、悩みを記述することが健康に大きく影響を与える可能性があると言われている。
なるほど、効果絶大ですね。そういえば、学生の頃よく日記を書いていましたが、あれで受験勉強などのストレスが少しは解消されていたのかもしれません。最近は、このホームページを作ることが日課のようになっていますが、悩みを書いているわけではありませんが、少しは自分の健康の役にたっているのかもしれませんね。
私が学生の頃から、その重要性が唱えられており、ここ最近特に雑誌に多く取り上げられているグルタミンというアミノ酸に関する記事がありました。
- グルタミンは筋中のアミノ酸タンクの約６０％を占めており、生命活動の維持に重要な役割を果たしている。
- 必須アミノ酸ではなく体内で合成されるが、体内で作られる量には限度がある（50g〜120g）ことがわかっている。
- 無酸素運動中に筋肉内で発生する乳酸を中和する作用がある。
- マラソン直後にグルタミンのレベルが激減し、その期間に白血球のレベルも低くなることから、グルタミン濃度の低下が免疫機能の落ち込みに影響している可能性がある。また、経口グルタミンの摂取により、免疫機能が強化されたという報告がある。
記事の中では、経口グルタミン・サプリメントをワークアウト前後に５ｇ摂取することが勧められていました。しかし、摂取しすぎは成長ホルモンの分泌を低下させるとの報告もあるようであり、理想的な摂取量は決まっていないようです。
かなり以前からアンチカタボリックな効果があると言われてきましたが、経口で効果があると言われてきたのは最近のことだと思います（以前は単体では吸収されない、と言われていました）。とりあえずは、グルタミンが比較的多く含まれる大豆プロテインを摂取するのが無難な選択のように感じました。
気になる話題がありました。怪我を予防するために、多くの人が実施しているストレッチングが最大筋力を低下させるという研究報告があったようです。
- 普段ストレッチングを行っていない学生（女子１５名、男子１５名、平均年齢２２歳）を対象とした。
- ２つのグループに分けた。
- ＳＴ群；膝関節伸展と屈曲に関係している筋群にストレッチを実施するグループ
- ＮＳ群；ストレッチなしで１０分間安静にするグループ
- 各群に対して、レッグエクステンションとレッグカールを実施した。２回実施し、各回でＳＴ群とＮＳ群を入れ替えて同様の測定を実施した。
- ＳＴ群のレッグエクステンションの１ＲＭは、ＮＳ群に対して８．１％低い値を示した。また、レッグカールも７．１％低い値を示した。
- 以上の結果から、ストレッチングの即時的効果は、最大筋力に対してマイナスに作用することが示された。
最近では、このことから競技の前にはストレッチングを行わないウェイトリフターやスプリンターが現れているそうです。私もこれまで必ずストレッチングを行ってきていたので、結構ショックを受けました。しかし、ストレッチングによる怪我の予防というのは否定できませんので、ストレッチをしてから十分時間をおいて試技に望めるように、時間配分を考えたいと思います。
日本のドーピングテストは１９８６年から始まりました。日本国内の他のスポーツ団体にさきがけて、ボディビル連盟とパワーリフティング協会が国内大会で実施したものです。これまで、国内でもかなりの数の陽性者が出ていますが、最近では検査の裏をかく方向が考え出されており、コンテスト時の検査のみでは不十分な状況になってきています。そこで最近実施されているのが、選手が予期しない時期に検査を実施する『抜き打ち検査』です。その実施方法について、解説がありました。
- どうやって連絡が来るのか？
- ある日突然、配達証明書付きの手紙が１通、速達が１通、連盟から届けられる。
- 選手は電話等で、すぐに連盟に返事をする。指定された場所に出頭できない場合は、理由を説明し、ドーピング委員に選手のところに来てもらうことになる。
- 検査を受ける。ドーピング検査代は有料。交通費・旅費等は連盟から支払われる。
- 出頭しなかった場合には、陽性と判断され、罰則が適用される。
- 抜き打ち検査では、タンパク質同化剤、利尿剤、ペプチドホルモン剤およびその同族体に検査対象を限定している。そのため、風邪薬（エフェドリンなどが入っている可能性あり）を飲んでいても陽性にはならない。
- 今後は、年間に数回実施し、いつ検査があるかわからない状態にしてゆく予定である。
陽性者が多いということは、逆に言えは検査が厳しいということであり、これからもこういった検査を進めていって欲しいと思います。ボディビル、パワーリフティングでは、連盟をあげてドーピング検査に力をいれていることがわかりましたが、他のスポーツではどうなんでしょうか？気になりますね。
最近私がすっかり忘れていた音楽の重要性に関する話題でした。トレーニング中の音楽に関して以下の実験が行われたそうです。
- トレッドミルを用いたランニングで、音楽の有無の影響を調べた。
- 音楽のある環境下では、ノルエピネフリン（ストレスホルモンの１種）のレベルが１７．５％減少した。
- 音楽のある環境下の方が、筋肉中の乳酸レベルが２２．５％低かった。
- 音楽によってリラックスした状態になり、筋肉がリラックスすることにより、筋肉中を流れる血液が老廃物を溜まりにくくしたことが原因と考えられる。
音楽によって、少しでもアンチカタボリック効果が得られるなら、是非試してみたいです。学生時代には（もう１０年も前になるんですね(;o;)）ハードロック（バンヘイレンやモトリークルー）を聴きながら、トレーニングしていました。あれは、リラックス効果に加えて、体を興奮させて臨戦態勢にする効果があったように思います。明日から、早速ハードロックを聞いてトレーニングしてみるつもりです。
月刊ボディビルで連載されいている『より強くなるためのトレーニング生理学』の記事です。
- トレーニング動作と筋力発揮
- スポーツの動きに向いたバリスティック（初動負荷）トレーニングは、筋力の発揮時間が短く、トータルとしては刺激が少ないため、筋肥大には向かない。
- ラバーチューブを用いたトレーニングは、終動負荷（動作の終わりに大きな力が発揮される）であり、スポーツにおける筋力発揮とは形態が異なるため、スポーツ競技の筋力トレーニングには向いていない。しかし、危険性が少ない事から、中高齢者やリハビリテーション用のトレーニングには適している。
- 加圧筋力トレーニング
- 筋肉の中を加圧して、酸欠状態でトレーニングするものである。
- 筋肥大に大きな効果があることがわかっており、以下の原因が考えられている。
- 筋肥大に関連する遺伝子の作用を変化させる。
- 成長ホルモンの分泌を促す。安静時の３００倍程度分泌されたという報告もある。
- 筋肉中の酸素環境がホルモンの分泌を刺激して調整しているらしい。したがって、筋肉内部の状況をいかに悪くするか、というトレーニングが、筋肉を肥大させるのに有効であると考えられる。
- 筋肥大に効果的なトレーニング
- マルチパウンデッジ法
- リバースドフェイズ法
- 通常のフィニッシュの状態をスタート状態としてトレーニングするもの。
- 中高齢者の筋力トレーニング
- ７０歳以上長生きする場合、より活発に過ごすために筋力が非常に大事であることがわかってきた。７０歳の女性でも、トレーニングによって筋断面積が２０％増えたという報告や、８９歳の女性でも筋肥大が起きた、という報告もある。適切なやり方で行えば、６０歳から筋力トレーニングを初めても決して遅くはない。
- 骨密度を増やすにも、筋力トレーニングは効果がある。骨の代謝は大変遅いため、長い期間トレーニングを続ける必要がある。
リバースドフェイズ法は、最近バーベルカールに取り入れていますが、とても良くパンプします。重い重量は使えなくなりますが、効くトレーニングですね。いかにパンプさせるかも考えてトレーニングし、もっと大きな体になりたいものです。
トップアスリートになるためには遺伝的な要素が必要、と言われてきましたが、その遺伝子の１つが発見されたそうです。ＡＣＥ（アンギオテンシン転換酵素）遺伝子というもので、血流を司り、持久力のパフォーマンスを高める役割があるとのことです。これに関して、以下の研究結果があるそうです。
- 7000m以上の高い山を酸素ボンベなしで登る事のできる一流登山家について調べた場合、一般人と比較してＡＣＥ遺伝子のＩ型が非常に多く含まれることがわかった。
- 軍隊の新兵については、以下の実験が行われている。
- １０週間のトレーニングの後、２分間重量をつけて上腕屈曲運動を行い、疲労までの時間を調べた。
- Ｉ型を１つ、Ｄ型を１つもつ場合、２１％向上した。
- Ｉ型を２つもつ場合、６６％向上した。
- Ｄ型を２つもつ場合、６％しか向上しなかった。
- ＤＮＡテストによって、選手の才能を見出すことが行われる事は、はるか先のことではなくなってきている。
ＤＮＡテストで、その人に適したスポーツがわかる時代が、すぐそこに迫ってきているんですね。究極を目指すには必要なのでしょうが、複雑なところですね。たとえ適性でなくとも好きなスポーツをするか、または究極を目指してＤＮＡの適したスポーツをするのか。
月刊ボディビルで連載されいている『より強くなるためのトレーニング生理学』の記事です。以前に理論的な話を紹介しましたが、ここでは色々な具体的なトレーニング方法がまとめて解説されていました。この連載は、とても勉強になります。早く、１冊の本としてまとめて欲しいものです。
- バリスティックトレーニング（初動負荷トレーニング）
- トレーニングで大きくした筋肉を、スポーツにおける実際の動作に結び付けるには、ハイクリーンなどのクイックリフトが効果的である。
- バリスティックトレーニングとは、動作の初期に強く負荷を加速する運動であり、クイックリフト以外に動きのための筋力発揮機能を養成することができる。
- たとえば、スクワットでしゃがみこんだ瞬間にすばやく切り返して立ち上がるものである。４０ｋｇくらいの負荷でも１５０ｋｇのバーベルを担ぐのと同じ筋力が発揮される。また、瞬間的に大きな加速度を出すことができるようになる。
- 複合トレーニング
- ノーマルなスクワットのような筋肉を肥大させるトレーニングと、瞬間的に大きな力を発揮するトレーニングを組み合わせると、非常に大きな効果が生まれる。
- プライオメトリックトレーニング
- 多くの動作で大きな力が出る瞬間は、負荷を降ろしてから立ち上がるまでの境目である。その瞬間に出る大きな力を利用して、すぐ次の動作に移るのがプライオメトリックトレーニングである。
- バリスティックトレーニングも、プライオメトリックトレーニングの１種である。
- たとえば、箱の上から飛び降り切り返してジャンプするもの。筋肉を強く引き伸ばして、その瞬間に出た力を利用するものである。瞬間的に大きな力がかかり、ケガの危険性が高いため、通常はバーベルなどの負荷は使わない。
- 旅行や出張でバーベルに触れない時に、ある程度筋肉を維持するのに利用できる。自分の体重のみでも、加減速することで大きな負荷が得られる。
- ピリオダイゼーション
- スポーツ選手が、試合日程に合わせて計画的にトレーニングを実施するもの。
- 原則は、トレーニングの量を減らしながら質（強度）を高くし、疲労を回復させながら技術練習を多くして行く。
- ８０％１ＲＭ程度の負荷を使い、ショートインターバルで筋肉を太くする。
- 神経の抑制を低めるために、強度を高めて量を減らし、ロングインターバルにする。
- 負荷をかけすぎることなくバリスティックトレーニングを実施して、競技に近い筋力発揮ができるようにしてゆく。
- ボディビルの場合でも、こうしたピリオダイゼーションの効果が大きなものである。３〜４ヶ月トレーニングして、ある程度伸びが止まってきたら何かを変えなくてはいけない。いつも３〜４ヶ月毎に種目や、強度、挙上スタイルを見直してやり方を変えてゆくことが、実は長い目で見ると大きな差になって出てくる。
ピリオダイゼーションというのは、私が現在採用しているサイクルトレーニングも含む考え方のようです。私のトレーニング内容も少しマンネリ化してきましたので、筋肥大を中心とする時期と、神経系の抑制を解く時期を少し明確にして、メリハリをつけてみようかと思っています。
物騒なタイトルですが、カタボリックホルモンであるコルチゾールを、いかにしてコントロールするかという記事でした。
- 最近の研究で、ワークアウト直後に炭水化物とタンパク質を摂取すると、インシュリンの分泌が高まり、コルチゾールの作用を鈍らせるという報告がある。体重１ｋｇ当たり１ｇの炭水化物を直後、１時間後に摂取する必要がある。また、同時に５０ｇのタンパク質を摂ることが勧められている。
- 経口グルタミンをわずか２ｇでも摂取しておくと、成長ホルモンの分泌が増加するという実験結果もある。成長ホルモンは、コルチゾールと全く逆の作用がある。また、成長ホルモンの分泌が高い状況では、コルチゾールの分泌が減少するという実験結果もある。
- ＢＣＡＡのひとつであるロイシンは、ネズミを使った実験で、大幅にコルチゾールの異化作用を抑制したという実験結果がある。
- 食事に関しても、ランナーを対象にして、以下の実験が行われている。
- 食事を３種類用意し、食物脂肪が血漿ホルモンにどのような影響があるか調べた。
- 食事は、脂肪の割合を１７％、３２％、４１％の変えた。
- その結果、３２％の場合、１７％に比べて明らかにコルチゾールレベルが抑制されていることがわかった。４１％では、コルチゾールはわずかにしか増加しなかった。
- 高脂肪食は、プロスタグランジン（ホルモン様物質、生理作用を有する脂肪酸）の合成を促進し、コルチゾールの分泌を抑制したと結論された。
いろいろな実験が行われているものですね。これまでも、経験的にトレーニング直後に甘いものを食べたり、アミノ酸剤を摂取してきましたが、カタボリズムの抑制に効果がありそうです。
サイクルトレーニングの１つに、ピリオダイゼーションプログラムというものがあります。これに関するまとめ的な記事があり、大変勉強になりました。
- 概要
- ピリオダイゼーションは、長期計画を立て、それを細かく分割し、各期間をクリアしてゆくことで最終的に目標を達成するトレーニングプログラムである。
- 大会に合わせてピーキングでき、またオーバートレーニングを回避しやすいため、オリンピック・ウェイトリフティング界で利用されている。
- 一般的なピリオダイゼーションは、４つの期間に分割されている。
- 第１期； 準備期
- 第２期； 筋力・筋量増大期
- 第３期； コンテスト期
- 第４期； 疲弊期
- 期間毎にワークアウトをわける
- 一般的なピリオダイゼーションの場合、前期の４つの期間に分割され、１サイクル１年であることが多い。
- この記事では、中級レベルのボディビルダを対象に、６ヶ月を１サイクルとし、持久力期、筋肥大＆筋力増大期、レベルアップした筋肥大期＆筋力増大期、パワーアップ期の４つの期間で構成されてものを紹介する。
- ｢マクロサイクル｣と｢メソサイクル｣
- マクロサイクルとは、大きな外枠に相当する期間のこと。通常は１年、オリンピック選手の場合は４年とするケースもある。ここでは、６ヶ月とする。
- メソサイクルとは、マクロサイクルを分解した期間（前期の第１〜４期）のこと。ここでは、以下のように期間を決めた。
- 第１期：２週間
- 第２期：１２週間（筋肥大期６週間、筋力増大期６週間）
- 第３期：８週間（筋肥大期４週間、筋力増大期４週間）
- 第４期：４週間
- マイクロサイクルとは、ひとつのメソサイクルをさらに細かく分割したもの。身体が一定の強度に慣れてしまわないように、種目・強度を決める。表１〜５に具体的な、トレーニング内容を示す。
- トレーニングプログラムの解説
- ｢全身を刺激する種目｣は、主要筋が不明確な多関節種目であり、全身を刺激するものである。
- ｢コア種目｣とは、主要筋を刺激する多関節種目（ベンチプレス等）である。
- ｢補助種目｣とは、単関節種目である。
ホエイプロテインと大豆プロテインを、その成分から比較した記事でした。
- ホエイプロテインには、ＢＣＡＡ（分岐鎖アミノ酸）が多い
- １００ｇ中２０．１ｇ含まれる
- 大豆プロテインでは、１８．１ｇのＢＣＡＡが含まれており、やや少ない程度
- 大豆プロテインには、グルタミンが多い
- １００ｇ中１０．５ｇ含まれる
- ホエイプロテインでは、４．９ｇしか含まれていない
- グルタミンは、筋肉の異化分解作用（カタボリズム）を抑制する作用があるといわれており、重要なアミノ酸のひとつである。したがって、ホエイプロテインだけがすべてという訳ではなく、それぞれに利点を生かすことが大事である。
ドクター榊原のページで、ホエイと大豆プロテインを組み合わせて摂取することが勧められていましたが、ここでもそれが裏付けられています。金額的なメリットもありますので、ホエイだけに限らず、大豆プロテインをうまく利用したいものです。
月刊ボディビルで連載されいている『より強くなるためのトレーニング生理学』の記事です。レジスタンストレーニングとは、ウェイトトレーニングとマシントレーニングを両方含んだものです。今月号では、レジスタンストレーニングについて、役立つ内容が満載でした。その一部を紹介します（私の言葉に置き換えた要約ですので、記事と少しニュアンスがずれるかもしれません( ^.^)( -.-)( _ _)）。
- エキセントリックな動作（筋肉が伸展しながら力を出す動作）では、サイズの法則（スポーツの神経生理学参照）が成り立たず、筋力発揮が小さいときでも速筋繊維から優先的に使われる。そのため、エキセントリックな動作は、筋力増大に効果が高い。
- エキセントリックな動作では、筋肉が力を出しながら無理矢理引っ張られることで破壊される（筋肉痛の原因となります）。そのため、エキセントリックな動作は、筋肥大に効果が大きい。
- コンセントリックな動作（筋肉を収縮させながら力を出す動作）では、決して筋破壊は起こらない。
- 筋肉をエキセントリックに引き伸ばしてから、すぐさまコンセントリックに反転して動作することは、大事なことである。この動作を『予備伸長』、『反転動作』などといい、非常に大きなパフォーマンスを生み出すことができる。ベンチプレスでも、胸で止めると挙がらなくなるのは、このせいである。
- 激しいエキセントリックな動作で破壊した筋肉は、回復に長い時間がかかる。もとのレベルに戻るまで約１ヶ月かかったという、実験結果がある。したがって、激しいエキセントリックな動作でトレーニングを行うと、１年間に１２回しかトレーニングできないことになり、最終的な筋力増大はそれほど大きくならない。
- トレーニングを続けると、筋破壊が軽減され、回復力が向上する。初心者は、どんなに軽い運動でも１週間程度回復に時間がかかるが、大筋群において中２日程度まで向上されると考えられている。
- トレーニングは、できるだけ多くの頻度で行うことが望ましい（回復力が最大として週２〜３回）。また、１〜３ヶ月に単位でオーバートレーニングのチェックを行い（挙上重量が落ちる、等）、トレーニングの見直しを行うと良い。
- 筋肉の内部環境を瞬間的にいかに悪化させるかが、成長ホルモンの分泌を引き起こす鍵である。たとえば、１０レップス×３セットのスクワットを１分間のインターバルで実施した実験結果では、通常の１００倍の成長ホルモンが分泌された（通常より高いレベルが約６０分間持続）。この量はドーピングした場合と同レベルであり、ショートインターバルで行うことの有効性を示すものである。種目の一番最後に、マルチパウンデッジ法のような方法を取りいれると、筋肉内部の環境を悪くする事で、成長ホルモンの分泌を刺激できると推測される。
今回の記事を読んで、長年疑問に思っていたボディビルのトレーニングと、パワーリフティングのトレーニングがなぜ違うのか？という点が、少しクリアになった気がしています。
ボディビルでは、全身の筋肉を万遍なく鍛える必要があります。そこで、筋肉をアイソレートして個別に鍛えることになります。比較的軽い重量で正確なフォームで、かつネガティブを重視するゆっくりとしたスピードで行うことにより、目的の筋肉に対して筋破壊をたくさん引き起こせることになります。あまり重い重量にこだわると回復期間が十分にとれず、練習頻度が低下して効果があがらなくなります。また、同じトレーニングを続けると、筋破壊が減少するため、刺激を変えたりすることになります。
パワーリフティングでは、３種目の挙上重量を極限まで高める必要があります。したがって、特異性の原則により、３種目の練習をできる限り高重量で行う必要があります。しかし、『予備伸長』、『反転動作』もフルに使って限界に近い高重量を扱うため、ネガティブの部分での筋破壊が激しく、サイクルトレーニングのように１〜２ヶ月に１度程度しか最大重量を扱わないほうが、回復期間を十分にとれるため有効なのです。また、軽い重量を扱う期間には、ボディビル的なトレーニングを行うことにより、筋肥大を図ります。
基本的なところは同じで、筋肥大のみを考えれば良いのか、特定の種目において使用重量を伸ばすことを考えるのか、といった目的に応じて、うまく考えられているということなのでしょう。面白いですね。
様々なスポーツにおいて、指導者が選手にどのように動きを理解させるか、というテーマの特集でした。直接、ウェイトトレーニングには関係しませんが、面白い話題がいくつかありました。
- 指導言語
- 指導言語とは、スキル、パフォーマンスを向上させ得る言葉のことである。
- キーポイントである動きの基本を客観的にとらえ、選手の主観に訴えるイメージに言語化したもの。
- たとえば、サッカーのキックにおいて、｢膝をかぶせてキックする｣といったもの。理解できない選手に対しては、選手の主観に合わせて｢ボールの裏側を見るようにキックする｣と、変えてゆく必要がある。
- ビジュアライゼーション
- スポーツの動作は、個々のフォームを単純につなげたものではなく、一連の動きとして学ぶ必要がある。
- 選手が、動作のイメージを明確に思い描くことができれば（これがビジュアライゼーション）、その動作をできるようになる。
- 逆に、選手のビジュアライゼーションを理想からズレさせるような指導言語は、指導そのものが選手にとって害になることに注意が必要である。
ここ数年スクワットのフォームが安定せず、思い悩んでいるのですが、私の中に自分の動作に対する明確なビジュアライゼーションがないことになるのでしょう。また、ときたま良い感じになるのですが、時間が経つと崩れてしまうのは、自分に対する明確な指導言語がないために、ちょっとイメージにズレが生じると、修正が効かなくなるからだと考えられます。なるほど、良いフォームのイメージが掴めたときには、それを自分のわかる言葉で置き換えておくのが重要なようです。
私が愛飲している大豆プロテインに関する記事でした。
- 大豆タンパクではメチオニンの含有量が低いため、プロテインではこれを補足して、アミノ酸バランスが完璧な状態となっている。したがって、動物性プロテインとほとんど変わらないものである。
- 最近行われた研究に、大豆タンパクと動物性タンパクの摂取による効果の違いを調べたものがある。
- １２名の健康な被験者を２つのグループに分ける。
- 一方には大豆タンパク質を、もう一方には動物性タンパク質を食べてもらう。
- 期間は２週間、摂取量は体重１ｋｇ当たり１．３ｇ、毎日２回タンパク食を食べる。
- タンパク質同化、タンパク質異化について、両グループの差はなかった。
- したがって、大豆プロテインを摂取することには、なんらデメリットはないようである。
大豆プロテインは、味がまずく、最近ではホエイやミルクプロテインに人気を奪われた感があります。しかし、なんといっても値段が安いですし（私が購入しているタニヨウプロテインは、１．２ｋｇが￥２９００で買えてしまいます(^-^)）、毎日飲むものとしては、ありがたいものです。漠然と、その効果について自信がなかったのですが、今回の記事を見て安心することができました。
米大リーグでホームラン争いを演じたマグワイヤ選手が服用していたことで、一躍有名になった『アンドロステジオン』という筋肉増強剤に関する解説でした。
- 精巣、卵巣、副腎皮質から分泌される、テストステロンより弱い男性化作用をもつホルモンである。全ての動物の筋肉中に含まれる。
- 摂取すると血中のアンドロステジオンとテストステロン濃度が上昇し、パワーの上昇、疲労回復といった効果があるといわれている。下記研究結果が報告されている。
- ５０ｍｇ服用時； テストステロン血中濃度１４０〜１８３％上昇
- １００ｍｇ服用時； テストステロン血中濃度２１１〜３３７％上昇
- 摂取後１５分で上昇しはじめ、約３時間効果が持続する。
- 服用から１〜１．５時間後に最もテストステロン濃度が高くなる。
- ＦＤＡが監視すべき薬物の対象から除外したため、処方箋なしで購入することができる。
- 使用の可否は以下の通り
- 使用禁止
- ＩＯＣ（国際オリンピック委員会）
- ＮＦＬ（北米アメリカンフットボール協会）
- ＮＣＡＡ（全米大学競技連盟）
- 使用可
- ＮＢＡ（北米バスケットボール協会）
- ＭＬＢ（大リーグ）
- ＮＨＬ（北米アイスホッケーリーグ）
- 使用禁止
- テストステロンを高めるため、アナボリックステロイドと同様の副作用（心臓発作、癌、肝機能障害、重度の躁鬱など）が起こりうるといわれている。
アンドロステジオンが、普通のショッピングセンターで売られているとは意外でした。しかし、パワーリフティング大会やボディビル大会では、ＩＯＣと同じ基準ですから禁止薬物ということになります。アメリカ製のサプリメント類には、もしかする混入しているかもしれませんので、購入前には十分内容を確認する必要があると思います。ドーピングチェックで検出されると、数年間（年数は忘れてしまいました( ^.^)( -.-)( _ _)）の出場停止になります。バスケットボールや野球の世界では、日本でも許可されているのでしょうか？日本国内の状況が気になりますね。
最近流行している２種類のプロテインを比較した記事でした。どちらも牛乳から精製されるものです。乳製品であるヨーグルトをしばらく放置しておくと、上澄み液と固形分に別れますが、この上澄み液から精製されるのがホエイプロテイン、固形分から精製されるのがカゼインプロテインと区別して良いかと思います。
- ホエイプロテイン
- 吸収速度が速い。摂取後４０〜１４０分でアナボリズムを６８％まで向上できる。
- しかし、その後急速に血中タンパク質濃度が下がり、アナボリズムが低下してしまう。
- 起床時、ワークアウト直後といった、カタボリズムを急速に解消しなければならない時に摂取することが勧められる。
- カゼインプロテイン
- 吸収速度が遅い。摂取後４０〜１４０分でのアナボリズム向上は３１％である。
- 吸収が遅い分長時間血中タンパク質濃度を維持できる。摂取後１２０〜４２０分の間、カタボリズムが高い割合で抑制されることが確認されている。
- 数時間も食事が取れない時（仕事中、睡眠中など）に摂取することが勧められる。
値段の安い大豆系のプロテインも、吸収が遅い点から推測すると、カゼインプロテインと同じような特性を持っていると考えられます。食事に摂取するのは安い大豆系、起床後とワークアウト後はホエイプロテインというのが、経済的のようですね。
トレーニング初期（始めたばかりの頃）には神経系の適応により筋力が増大すると言われています。そのトレーニング初期のトレーニング頻度が筋力、筋ダメージに与える影響について調べたものです。
- ３０名の男性（２１〜２５歳）をＡ〜Ｃの３群に分けた。
- Ａ群 ；週１回トレーニング実施
- Ｂ群 ；週２〜３回トレーニング実施
- Ｃ群 ；トレーニングせず
- トレーニングは大腿四頭筋（片脚）の伸長性活動を１日７０回（１０回×７セット）
- トレーニング効果は実施後、４日後、７日後で筋力と筋ダメージを測定した。
- ５週間後の結果は以下の通り。
- Ａ群 ；トレーニング後の筋力低下、筋肉痛が起こらなくなった。筋力は増加せず。
- Ｂ群 ；トレーニング後の筋力低下、筋肉痛が起こらなくなった。筋力が増加した。
- Ｃ群 ；４、７日後とも筋力が低下し、筋肉痛が起こった。
なるほど、トレーニング初期に筋力向上を目指す場合には、週２回以上トレーニングをした方が良いようです。従来から言われてきたことが正しいことが確認できました。トレーニングをしばらく休むと筋肉痛がひどくなりますが、週１回以上トレーニングしておけば筋肉痛が起こりずらいこともわかりました。
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