既報のように5月連休には、Ecuadorの首都QuitoとGalapagos諸島Cruiseの旅に出た。観光の他に、旅にまつわる想定外の要領も得た。
今迄私共は米船で計200泊を過ごしたが、添乗員の居る外国船Cruiseは初体験だった。英語の説明を理解するには或る種の緊張が必要だから、ボンヤリ聞いていられる通訳は(正しければ)助かる。日本語だけで外国船Cruiseを可能にする添乗員の力量を賞賛した。一方我々は大体まとまって観光し食事するから、米人が多い他の船客や船員との交流が薄くなり、過去の経験と対比して若干淋しかった。私共のグループは医師ご夫妻2組、実業家の父子、それに私共の計8名だったが、実は元日本IBMの日本人ご夫妻が独立に個人参加しておられ、英語社会を堪能しておられた。
旅行社が手配した航空会社はAmerican=AAだった。傘寿の老妻を労わりBusiness Classを手配して貰った。今迄の経験から、そんな愚かなことをするのは私共だけだろうと思っていたが、実は8名全員がBusinessだった。私は昔AAの機能性のファンだったが、9.11以降米航空会社は避けて来た。その間ANAのBusinessが世界一だと信じていたが、いやどうして、AAのBusinessも立派だった。日本人の「おもてなし」を勉強したかに見える白人乗務員の物腰だ。Flat Bedにもなる座席は外人向きで広く長い。通常誰も見ていない安全ビデオが、見ごたえのある舞台ビデオ仕立てだった。有料だがInternetが使える。14"(?)の大きなTV画面でFlight Mapを選択すると、地図の他に操縦室から見たようなSimulation画面が出て来る。夜でも表示される山谷が明瞭な地形情報は衛星写真を加工したものらしい。その上に緑色で速度・高度・方向・傾きなどが重畳されていて面白い。
思わぬ収穫があった。自宅から出掛けに着て行くつもりで玄関に吊るしておいたリゾート用の上着を忘れて出発してしまった。新宿でNEXの予約をずらして時間を作り、西口のユニクロで探し、青白縞の厚めのシャツ地を3つボタンの背広型に仕上げた上着を\4kで購入した。これが大正解だった。3つボタンだから空調下の防寒着になる。背広ほど嵩張らず皺にもなり難い。機内着・室内着・リゾート用背広として今後重宝しそうだ。
Galapagosでは、ゴムボートを砂浜に乗り上げて波打ち際をバシャバシャ歩いて上陸すると言われ、考えた末Crocsの靴を生涯初めて買って持って行った。米社発売の発泡合成樹脂の一体成型のサンダルで、濡れてもすぐ乾く。女性のパンプスのように踵のバンドが付いていて、激しい動きでも脱げない。バンドを前に倒せば突っ掛けサンダルにもなる。水際だけでなく、室内履き・機内履き・リゾート履きとして便利であることを知った。今後は海外旅行はなるべくCrocsで行きたい。非公式なパーティー位ならCrocsで勘弁して貰い、短靴を荷物に入れたくはない。
今回往路はハイキング可能なリゾート革靴を履いて行ったが、波打ち際に大波が来て濡らしてしまったのが乾かず、帰路はCrocsで通した。これが意外に良いと実感した次第。Galapagosは動植鉱物やその製品も持ち出し禁止だ。だが生憎私は砂と小石の収集家で、世界中から記念に集めている。帰りの出国の際は1/4ほどの確率で本人立会いの下で荷物を全部ひっくり返して違反摘発をする。さてどうするか。真剣に考えた。
ゴムボートが本船に戻ると、梯子を上る前にホースから海水が勢いよく出ていて、船の清掃の観点から靴の土砂を洗い落とす場所があるが、乗船者が次々に上がって来るから落ち着いて清掃はできない。船室のテラスで綺麗に洗えばよいのだが、最後は敢えて完璧には洗わなかった。濡れた革靴と複数の靴下の内側に若干の砂と小石(?)が付着したまま、外からよく見えるように透明なビニール袋に入れて荷造りをした。1/4の光栄には浴さなかったが、例え指摘されても驚いて見せれば済む範囲内だ。帰国後に入念に清掃したら2gほどの砂と小石が回収でき、良い記念になった。乗船口の海底に沈めるよりは有効活用になったというのが、私の言い訳だ。
船会社から全員に、手頃なリュックと、付属のアルミ製の円筒型水筒をプレゼントされた。リュックは早速高尾山登山に使った。ペットボトル全盛時代に、立派な金属製水筒をどう使おうか頭をひねっている。 以上