苦労を掛けたワイフに感謝し、結婚45周年記念に再びCruiseに出た。Cruise船基地として有名なFloridaのFort Lauderdale港を1月10日に出航し、現在Cubaを左舷に遠望しつつMexico湾を横断中だ。船上で65泊し南米大陸を反時計回りに一周し、36の港(内31港は我々は初めて)18の国(内13は初めて)に立ち寄り、3月16日に再びFort Lauderdaleに帰港する。
仕事仲間には気が咎めるがemailは通じるので航海中も在宅中の如く使って欲しいと言い置いた。船室には快適な机もあり充分仕事が出来る。2002年には船備え付けの10台ほどのPCでInternetが使えた。2006年にはその周辺でのみ無線LANが使えるようになった。今年は各船室で無線LANが使える。Marinesat経由でNetworkに接続するが、接続速度は遅い。
船は、米国のCruise会社 Regent Seven Seas Cruises社が運航するBahama船籍の Seven Seas Mariner号だ。5万トン、船長216m、12階建て(内船客用8)だ。米船らしく等級は無く全員平等だ。船室は大きいのも少数あるが、私共は一般型の28uを占める。2.8m x 10mくらいの鰻の寝床で、一方は廊下、他方は海に面したベランダだ。下階は揺れが少ないが公共施設があって若干やかましい。中を取って8階の、揺れが少ない中央を予約した。寄港する時は船も飛行機も大体は左舷で着岸する(だから左舷をPort Sideという)から、左舷の船室を選んだ。
私共はこの船会社に惚れ込んでしまった。経済的な大型船を敢えて避け、目が行き届き船客同士の交流も可能な中型船に拘り、定員700名の船客に対して定員445名のスタフがサービスし、(食事が二部制とか座席指定の定食でなく)何時でも誰とでも着席できメニューから注文するレストランがあり、(日々金が掛る船が多い中)食事も上陸旅行の多くもチップも全てタダというのが気に入っている。レストランで何百人がそれぞれWell Doneとか勝手な注文をしても、あまり待たせないからすごい。
船客の定員は700名だが、目分量で400名余りが乗っている。定員に近くなるとかなり混雑感が出るからこれは有難い。何時ものことだが船客のほとんどは米人で、まだ確信は無いが日本人は我々2人だけらしい。65泊もすれば大分英語の勘が戻るだろう。別の船で一度日本人の御一行と1〜2週間一緒になった経験がある。添乗員が居て、食事もまとまってレストランの一角でとり、複数の選択が可能な上陸旅行も全員団体行動だった。一度日本の旅行社に「往復の団体行動は遵守するが乗船中は個人行動でよいか」と尋ねたら、「いや乗船中の添乗員サービスが売りなので」と保留された挙句にOKをくれた経緯から、OKとは言っても気まずくなりそうだと判断し、日本の旅行社に頼ることは諦め、某米社に頼んでいる。
18時以降の服装は日によって決まっている。最近までFormal=Tuxedo、Informal=背広、Casual=シャツ・セータの3種だったが、今回はほとんどがCasualで、Formalが2週間に1回となった。それも良く読むとFormalの晩には「Tuxedo、Evening Dressを着てもよい」と書いてあった。そうは言ってもFormalの日はTuxedoで虚勢を張らないと日本人はみすぼらしく見えるのではないかと思った。南米という田舎航路だからかと思ったが世界一周航路も同様だ。米国もCalifornia文化が有力になってきたのだろう。おかげで私はTuxedo用のエナメル靴を少数回のために持ってくる気がしなかった。ワイフも和服の枚数を減らしたので、荷物は若干楽になった。
私共の今までの旅行経験は、米州ではMexico City以南ではBrazilの東海岸とIguazuの滝をサッと舐めただけで、中南米は初めてに近い。明日はYucatan半島のMaya遺跡を訪ねる。Mexico City周辺のピラミッドで有名なTeotihuacan遺跡は訪れたがMaya文明に触れるのは初めてだから楽しみだ。熱帯雨林に小舟で分け入り動植物を観察する旅もある。Panama運河を是非見たかったのも今回の船旅を選んだ大きな理由の一つだ。Machu Picchuも楽しみだ。Cape Hornを周るから南極に近いPatagonia地方の風物が見られるはずだ。戦場になったFolklandにも立ち寄る。Buenos AiresではTangoのショーを予約した。初めてAmazonを遡りManausまで行く。旅行記は http://club.pep.ne.jp/〜shigmats.1/に掲載していく。 以上