寒緋桜

 寒緋桜とも緋寒桜ともいう。文字面で寒桜や、音として彼岸桜と間違えやすい。南中国・台湾・沖縄の野生種だ。気象庁は開花宣言の標準木として沖縄と奄美大島では寒緋桜を用いている。真っ赤な釣鐘状の花は華麗だが、日本人の「桜」の概念からは遠い花だ。江の島に数本、新宿御苑にも数本、多摩森林科学園には入口に大木がある。立川の昭和記念公園中央を東西に流れる川の岸を中心に公園内に10本ほどある。染井吉野が咲き始める前に満開を迎える。

 沖縄の開花宣言は毎年1月に行われるが、関東地方に連れて来ると気候の相違から寒桜よりも開花は遅い。

 写真は新宿御苑で2月初旬に撮影。

琉球寒緋桜というのがあることを知った。よみうりランドに多く、染井吉野の白と琉球寒緋桜の濃いピンクの対照が美しい。寒緋桜が真っ赤で釣鐘状に咲くのに対して、琉球寒緋桜は赤がやや薄く濃いピンクであり、花の形は染井吉野に近い。沖縄には寒緋桜もあり、琉球寒緋桜も野生しているようだ。