何かと話題になることが増えた飛鳥U(Asuka Two)に初めて乗船した。と言っても一晩だけ横浜大桟橋から四日市まで片道だけ乗って遷宮から間もないお伊勢参りをした。JTBが1往復を貸し切り、往 路乗船、復路乗船、往復乗船(あまり観光時間が無い)の多数のツアを企画した。往路乗船+往復乗船だけでも四日市から先はバス40台が様々な目的地に散っ た。JTBは行く先々に要員を配置して、顧客層取り込みに力を入れていた。
出身の山口県立光高校の東京同窓会で会った当時のマドンナから、飛鳥Uで世界一周複数回を含めご夫婦で計5百泊したと聞いた。一般船室は 割引は別にして1人1泊65千円が最低正規料金だ。青春時代のマドンナには、何時までも綺麗で恵まれた人生を送っていて欲しい。因みに我が家のマドンナに も米船で3回の長期クルーズで通算200泊を体験してもらった。
飛鳥Uは5万トン、全長241m幅30m巡航速度23ノット(少し遅い)で、客室462室、乗務員440名、乗客定員は設計上940名だ が公称720-800名、当日の乗客は約750名だった。ディーゼル電気推進と言って重油で発電機を回し電気でスクリューを回す比較的新式のエンジンを備 えている。三菱重工長崎で1990年に竣工し、当初は日本郵船の米子会社Crystal Cruises社でCrystal Harmony号として運航していたが、2006年に同系列の日本子会社郵船クルーズが買い取り、大浴場、会合用和室、ウォッシュレット取付、窓の無い客 室の閉鎖(だから定員減に)などの改装の上、飛鳥Uとして就航させた。初代飛鳥は売却され、今はBalt海で活躍しているという。飛鳥Uの乗務員のうち日 本人は少数の幹部のみで、作業員はフィリッピン人が大半のアジア系、バーの接客スタフだけ白人女性だ。外人も通常業務に差し支えない日本語を話すが、込み 入った話は英語の方が通じ易い。
1月9日午後、横浜の日本大通り駅(なぜか「り」が付く)で降りて大桟橋に向かった。乗船ターミナルでは予約船室の階層別に長蛇の列があ り、船室のキー兼船内IDのICカードを受け取って乗船した。我々の一般船室は23平方米だ。海側にバルコニーがあり、窓側に机とソファ、中央にツイン ベッド、廊下側にトイレ兼浴室とクローゼットがある。ハンガー18個のクローゼットは世界一周などの長期航海には狭いかと思われた。
早速船内を探検した。12階建てで、4階以下は乗務員用だ。12階にはパドルテニスコート、大浴場、フィットネスなど。11階にレストラ ン、プール、船首展望室、バー、コンピュータ室など。10階は広く高価な船室で専用のレストランを持つ。7,8,9階が一般船室、6階が劇場2つ、映画 館、商店街だ。5階が大食堂、受付カウンタ、高級船員の船室だ。コンピュータ室には、Notebookが10台ほど置いてあったが、船でアサインされる Mail番地しか使うことが出来ず、衛星経由だからと10分千円も取る。外国船は各船室で無線LANで一般Internetに接続できるのが常識だから遅 れている。
私共は11階のバーで飲み物とレストランで軽食をとった。飲み物も3種類の軽食メニューも夕食同様全てタダだった。避難訓練に続いて出港パーティが7階デッキで行われた。音楽と共に16時定刻に船は岸壁を離れた。
大食堂は2回の入れ替え制で定食だった。世には入れ替え無しでメニューで注文できる船もある。食事時間と並行して大劇場でショーがある。 食事は遅番の私共はまずショーを見た。日本人のマジシャンが主役で、船専属の10名のルーマニアと英国の白人男女の歌手・ダンサがSexyなショーで手品 を盛り上げた。夕食は自由席で、2人用テーブルが30cm間隔で置いてあってお隣と対話してもしなくても良いという苦心の配置だった。私共の隣は2千人の 人材派遣会社の社長夫妻で、ご主人の季節の花探訪と写真の話を拝聴した。興味本位で大浴場に行ってみた。小規模な銭湯ほどの広さがあり、浴槽も大きい。船 の揺れで大波が立つのが大浴槽の欠点だ。
翌朝6am頃外を見たら、船は既に四日市港外で時間待ちをしていた。明るくなってから港内に入り7:30am定刻に接岸した。通常入港は 感動を伴うものなのだが、四日市港は工業地帯の真ん中なので感動は無かった。ただコンビナートの煙を赤く染めて日が昇ったのは美しかった。
また乗りたいとは思わなかったが、これで話題に追随できそうだ。以上