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短編随筆シリーズ「うつせみ」より代表作 Photos of flowers, butterflies, stars, trips etc. '96電子出版の句集・業務記録

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うつせみ
2009年 1月 3日
          ダイヤモンド富士(その3)

 新年には富士山の話が相応しい。やっと満足できる「ダイヤモンド富士」の写真を撮ることができた。次のWeb頁の最後の写真がそれだ。
  http://www.geocities.jp/shigmatsybb/diafuji/index.html
「ダイヤモンド富士」の定義は、広義には富士山頂の日の出または日没で、ダイヤモンドの指輪が連想される。狭義にはそれに放射状の光線が加わる。今回の写真は両方を完璧に満たしているので、大満足だ。

 「ダイヤモンド富士」という概念を知ったのは、1年前の京王電鉄の中吊広告だった。冬至前後に高尾山頂から見ると富士山頂に日が沈むと写真入りで誘っていた。2007年12月20日に登り、高尾山頂で初めて「ダイヤモンド富士」を見て、持って行ったコンパクトデジカメの自動露出でかなり良い写真を撮ることが出来たので上記Web頁に掲載した。その後、富士山→高尾山の延長線上ならよいはずと、八王子市内で「ダイヤモンド富士」を1月半ばまで追いかけ「うつせみ ダイヤモンド富士その1、その2」を書いた。しかしなぜか上記以上の写真を撮ることは出来なかった。

 2008年末に再び京王電鉄の中吊広告を見て、また「ダイヤモンド富士」を追いかけた。しかし今年は暖かい冬至で午後から夕方になると地平線上に雲や霞が出てきて、態々高尾山に登っても恐らくは無駄足と思われた。半信半疑で12月23日に八王子IC南側の台地南端に出掛けた。雲があって富士山は見えずあまり期待していなかったが、靄んで雲と一体化していた富士山の背後に太陽が回り込んだ時に、富士山がシルエットとして浮かび上がり、太陽が富士山頂のど真ん中に沈む「ダイヤモンド富士」がバッチリ見えた。しかし盛んに連写した写真は、1年前に高尾山頂で同じカメラで撮った写真ほどは良くなかった。その理由を考えると、最大にズームしても暗い近景が入るため、それが自動露出に影響して太陽が露出過剰になったと分析した。高尾山に登らぬ限りこのカメラでは駄目だと悟った。

 12月24日は天気が悪くて諦めた。25日には2日前の日没方向とは変わるので、谷を挟んだ隣の台地でここぞと見当を付けて選んだ場所で日暮れを待った。しかし富士山頂には雲が掛かっていた。見当も狂って太陽は富士山頂の南側に沈んだが、これで現地合わせの土地勘が出来た。マニュアル露出と拡大率の大きいズームを備えた中型デジカメを使ったが、最大に露出を絞っても太陽に対しては露出過剰になることが判明したので、スモークのアクリル板を切り出して減光フィルタを自作して翌日に備えた。

 26日には大和田町7丁目の名刹大善寺の近くで日没を待ったが、待つうちに疑念が生じた。この時期太陽は北方向に斜めに落ちて地平線と約52度をなす。どうも富士山頂の南側に落ちそうなので、展望のきく場所を北側に求め、道なりに数百米先の小宮公園で富士山が見える場所を発見して待った。結果的には過修正だった。100mほど北北西に寄り過ぎ太陽は富士山頂の北端ギリギリに落ちた。加えて自作フィルタの減光効果が充分でないことが判ったので、アクリル板を重ねて改良し捲土重来を期した。

 27日に前日の誤差分と1日分のズレを計算して大善寺で待ち、冒頭の写真を撮ることに成功した。私としては1年越しの無念を晴らし理想的な写真が撮れたので、これで「ダイヤモンド富士」は無事卒業とする。

 けだし「ダイヤモンド富士」は八王子住民の特権だ。富士山に雲が掛かる確率が低い冬に狙うなら、高尾山から八王子にかけての方向である。冬至前後には日没方向の変化は小さいが、段々大きくなり、春秋には日没の位置が毎日富士山頂の幅ほども動くので、山頂に日が沈む場所と日を捉え難い。高尾山頂が冬至前後に丁度「ダイヤモンド富士」の位置になるのは偶然ながら大変な観光資源だが、確信が持てない天候に高尾山まで登って無駄足は御免だ。駄目モトで簡単に行きたい。なお太陽の直径は視角約 0.53度だ。一方富士山頂が平らに見える噴火口の直径は780mで、高尾山から見た視角は0.81度、八王子市街から視角0.69度、東京都心からだと視角0.45度で太陽よりも狭いから、山頂に日没とは言い難くなる。高尾山よりも西南西は山地で、相模湖CCか道志村のどこか山の上に適地があるかも知れない。後は山中湖まで行くかだ。やはり八王子は恵まれている。以上