元来朝型だったが年をとって益々早起きになった。朝が私の一番頭の良い時間だ。ふとつけたNHK教育テレビで毎日6amから25分間、美女たちが出演する語学講座があることを発見した。月曜は萬田久子が出演する「テレビでイタリア語」、同様な番組名で火曜は原沙知絵のドイツ語、水曜は知花くららのフランス語、木曜は片瀬那奈のスペイン語だ。因みに金曜はアラビヤ美女と美男俳優宍戸開が出演するアラビア語、土曜はロシア語だ。朝の放送はいずれも深夜0時または0:30amに放送した内容の再放送だ。
この番組は通常の語学講座とは異なり、語学はあまり上達しそうもないが楽しい番組だ。そもそも週に25分ずつ勉強したからと言って語学が上達するはずがない。多分そう達観した番組企画者が発想を転換して、語学が上達しなくてもいいから、片言がしゃべれてその国の文化や雰囲気が身近に感じられることを目標に掲げた番組を作ったのだと思う。視聴者もそう割り切れば楽しく見ていられる。或いは学校や独習で別途語学を勉強している人が、副読本のように楽しむ番組という位置付けでもあろう。
美女4人の講座には「Euro 24」という統一タイトルがついている。「こんにちは、私の名は何々です」から始まって毎週1つずつ、半年で24個の実践に役立つ表現を身に付けましょうという統一目標だ。4人の美女が毎週それを学んでいく設定だ。加えてそれぞれの主要都市での生活と伝統文化の紹介にかなりの時間を費やす。紹介は立て板に水の原語と日本語テロップだが、私には独語が少し聞き取れる程度で他の言語はほとんど聞き取れないから、日本語テロップで楽しんでいる。つまりこの部分は初心者には外国語の雰囲気に親しむ以上の意味は無く、語学上達にはつながらない。しかし美女4人を出演させた番組企画者には賛辞を贈りたい。
萬田久子(本名。芸名が万田久子?)は1958年大阪生まれ、奈良の帝塚山短大在学中の1978年にMiss Universe日本代表に。ミスコンから女優として成功した意外に珍しい例だ。「イタリアのワインに詳しい」ことが伊語講座出演の契機とか。若い頃よりも四十路を過ぎてから「いい女」になったと私は感じている。女優としての演技も良いし身だしなみのセンスが優れている。但し年のせいか、語学センスだけは駄目なのか、4人の中で語学に関しては一番苦労しているが、可愛く苦労しているのは流石だ。
原沙知絵(本名は原幸恵)は1978年福岡市生まれ、173cmの長身で陸上部・バレー部で活躍し県立高校時代にモデルにスカウトされたという。理知的なイメージで売っている女優だけに、語学センスはありそうだ。
知花くらら(本名)は1982年那覇市生まれだ。2006年Miss Universe世界大会2位として知っていたので、ある意味で馬鹿にしていたが、最初に"Bon Jour !"と言ったのを聞いた瞬間に見直した。鼻音と喉の奥を震わせる仏語の"r"(発音できる日本人を私は数人しか知らない)が本物だったからだ。すぐWebで調べて上智大教育学部卒の才媛と知った。翌2007年の優勝者森理世が忘れられかけているのに対し知花はタレントとして成功しつつある。この2人を見て思うのだが、昔のミスコンはメンクイだったが、仏女性Ines Ligronが日本で指導を始めてからは心身の総合的自己主張で選ばれているようだ。知花は仏語が上手過ぎてこの番組の趣旨には合わない。Parisに10カ月ほど単身滞在したというが、それで上手になるはずはない。語学学校か個人教授かで相当きちんと仏語を勉強した人だ。
片瀬那奈(本名)は1981年東京生まれの歌手・女優だが、4人の中で唯一私が知らなかったタレントだった。1999年の旭化成水着キャンペーンモデルで、松下電工のCMの「きれいなおねえさん」だったそうだ。去年は映画で助演女優賞を獲得したとか。「家電の女王」を自称して秋葉原に配線コードを買いに行くとか。西語との関わりは今まで無かったらしく苦労しているように見えるが、持ち前の体育会系の明るさがよい。
最近の南米旅行で猛反省し初めて西語を真面目に勉強する気になった。簡単な会話が出来るレベルまで一旦上達してから忘却のフィルタがかかれば、英西辞書を片手に片言で意思疎通できる程度を維持出来よう。流暢さは望ま(め)ない。だから片瀬那奈としばらく付き合ってみるか。以上