このところ地震予知にはまっている。Webを見ると色々な方法で様々な人が予知を試みているが、それらをWeb情報から一覧してみよう。
正統的には地震学者が取り組んでいる地震計や精密GPSによる観測だ。最近は海底にまで観測機器を沈めている。しかし予知は成功していない。予震や地殻変動のパタンなど過去の観測データが揃えば対比して予知が可能になるのかも知れないが、何百年も前には地震計もGPSも無かったから比較が出来ない。一時国家予算で多くの研究者が予知に取り組んだが、無理だという結論となり、かってのURLは今廃止されて無いものが多い。
東北をドライブした方から、カーナビ内蔵の地図と現地がズレたと聞いた。高々数十cmのはずと思って疑ったが、数mズレた所もあると知って納得した。いずれにせよ一般庶民は地震計も精密GPSも持たないから、他の智恵を絞って予知に取り組んでおり、その一部は大変有望だ。
先回の「地震予知に役立つWebサイト」を読まれた方から「大気重力波と地震との因果関係が分からない」とのコメントを頂いた。私も分からないが仮説は持っている。そもそも英語では別表現の2つのものが日本語では「重力波」という1つの表現になっている。(1)Gravitational Waveは重力を司るHiggs粒子の波動を表し、(2)Gravity Wave(「別表現」か否か怪しいが)は、水の波など重力が原動力の波を表し、重力が関係しない光や音波と区別する。地震の予兆とされている大気重力波は勿論(2)の意味だ。岩盤の圧電効果で地上に電荷が生じると、電離層との間の力関係が変わり、その力が大気重力波を起こすという仮説はどうだろうか。水と違って100kmも上空の真空に近い大気に働く重力は小さいから、波の周期は十数時間にも及び、短時間ではほとんど動かないものらしい。その下の方に雲が発生した場合には、雲が縞模様になるのも分かる。俗に「地震雲」と呼ばれる雲の多くが縞模様を特徴としている。愛好家は衛星写真でそれを見張っている。雲が発生しない場合は勿論この方法では観測できない。
前述のように、地磁気の変動を見ていれば大地震は予測可能と私は確信し、毎朝iPadで体重記入後にAlaska大のデータを見るようになった。
岩盤の放電で電磁波が生じるとして、223Hzまたは0.1Hzの観測網を各地に設置した研究会がある。またFMラジオの同調をわざと外しておいて受信されるノイズを一定時間計数している愛好家も居る。雷ノイズは聞き分けて外す。地震前には電離層が変化しFM受信が変わるという観測もある。
「もぐりん」と命名した不思議な装置を開発した愛好家も居る。シート磁石をコイン大に切ったものに、浮(うき)と錘を付けて全体の比重を調整し、水を満たしたビーカの途中でも静止できるものを作る。地震が近付くとこれが水の底の方に数cmも引き込まれたり、側壁に吸い寄せられたりするという。地磁気が一時的に強まるのでないとこうはならない。
ピップエレキバンの球状の磁石を壁などに張り付け、クリップを数個次々に吸い付かせてブラ下げておく。地震が近付くと「磁石の磁力が弱まり」下の方のクリップから落下していくという。磁力が弱まるとは信じ難いが、(1)大気に電荷が満ち満ちてクリップ相互に反発力が生じるのか、あるいは、(2)上記実験と同様に地磁気が変化するのであろう。
「植物生体電位」に注目する愛好家も居る。立木の幹の1-2mほどの高さの樹皮を剥いで電極を付け、大地との間の電位差を計る。地震が近付くと0.1〜1Vのオーダの変位が表れるという。実は「植物生体」とは無関係で、庭にCarbon Fiberの釣竿を立てても同じなのではないかと私は疑っている。(1)電線がアンテナになって1 Hz以下の電磁波を捉えるのか、(2)梢から空中に放電が起こるため幹に電流が流れるか、どちらかであろう。植物が地震の予感におののくという説の方が面白いが、そうではあるまい。大気中のRadon濃度を放射線で測定している愛好者もある。マグマが上昇した時にRadiumが出て来て崩壊しRadonが発生すると言われる。また中国では動物の異常行動を民衆から集めて地震予知に成功した実績がある。
地震学者が愛好家の地震予知への努力に与しないのは了見が狭い。もっと民衆の集合知を科学に持ち上げる努力が望まれる。 以上