「うつせみ」の読者から「面白いからこれを取り上げてよ」と言われ
http://earth.google.com/
を教わった。Googleが6月末に開始した世界中の衛星写真検索サイトだ。ただBrowserから直接とは行かないで、Browserで上記のURLを表示し、そこからGoogle EarthというソフトをDownloadし、そのソフトを起動するとサービスが受けられる。無料サービスだが、HelpからGoogle Earth Plusという$20のソフトを購入したり、Google Earth Proというソフト群を単価$200で購入すると、更に高機能が使用できるらしい。衛星写真が紀伊国屋やWebで高価に売られていることを知っているから、無料の衛星写真なんて大したことはあるまいと思ったのが大間違いで、Googleの商売がどうなっているのかは知らないが、大したサービスだと直ぐ判った。
まず地球が表示される。それをZoom Inしていくと田舎は学校が識別できる程度まで、都会は家が1軒ずつ見えるレベルまで、米都会は1軒が画面上で2-3cm角に表示できるまで拡大できる。福岡市は高精細だが北九州市は低精細だったので、八王子の、それも外れの我家などは低精細で見えないだろうと思ったら左に非ず、東京都は一部の例外を除き高精細だったので、我家の庭にあるコブシの巨木(?)まで識別できる。東京の威力で奥多摩の山まで高精細なのに、なぜか三鷹だけ低精細だった。何か米軍施設があったかなあ。それとも偶々雲があって良い絵が撮れなかったのか。新宿の町並みや名古屋のよく行くビルなども鮮明に見える。さすがに八ヶ岳や伊豆となると低精細で、ゴルフ場と大きな建物が識別できる程度だ。
ではCaliforniaに居る息子達の家はどうだ? 住所で引いてZoom Inしていくと、東京よりも更に超高精細で、郊外の長男の家では奥さんの赤い車が写っていた。都心の次男のアパートのビルも良く見える。LondonやParis、Berlinなども高精細で懐かしいが、Frankfurtはなぜか低精細だった。米国内は番地までの住所で検索できる。英国も細かい住所が通用するが、独仏は文字が違うせいか細かい住所では検索できない。日本では主要都市名とShinjuku程度はローマ字で検索できる。米国内ではA地点からB地点に行くための左折や右折の案内も出て、曲がり角の写真も見られる。
家屋は2次元写真だが、地形は3次元になっているため、視点位置を下げていくと俯瞰図からパノラマ展望図に変わっていき、富士山やGrand Canyonが美しい。衛星写真だから写真の端の方の高層ビルは外側に倒れ掛かって写っている。それをつなぎ合わせるからつなぎ目はビルが両方から倒れ合っている。New Yorkはそれを感じさせないようにほぼ真上からの写真を上手につないでいるが、欧州の一部の都市や新宿などは歴然だ。Helpを見ると実に様々な機能があり、ゲーム感覚で楽しめそうだ。
最近になってインドの首相が、これはテロの危険を増大させると文句を付け、韓国も大統領府が丸見えだと不安を表明した。目標を迫撃砲などで狙うつもりなら、有料でも従来の衛星写真を購入して準備するはずと思うから、実効的には大差はないと思うが、これだけ自由かつ簡単にアクセスできることへの不安は確かに理解できる。
ADSLならZoomするのも、地図を掴んで前後左右に移動しても、大変スムースに動いてくれるからストレスがない。Googleの地図もそうだが、これはAJAXと総称されるJava ScriptやXMLなどの組合せ技術だ。操作を予測してデータを先取りしたり、粗いデータが最初に届いた段階で表示を始めてしまう技術や、検索の諸技術が用いられ、Googleの特技だ。
この衛星写真を提供しているのがDigitalGlobe社で、QuickBirdという自前の衛星を持つ。商業衛星写真会社として圧倒的な地位を占めるために更に2基の衛星を上げる計画が最近発表された。2006年までに打上げるWorldView Tは0.5mの分解能でパノラマ展望図の撮影が出来、2008年までに始動のWorldViewUは更に波長別の写真が撮れるという。
裏庭に干したパンツや日光浴まで写される世の中になりかねない。膨大なDatabaseの極く一部だけをユーザは請求するというInternetの特性の典型例だ。だがGoogleはどうやって金儲けをする気だろうか? 以上