Scientific American 5月号は、His Brain, Her Brainと題し男女の脳の構造が異なるというUC IrvineのLarry Cahill準教授の論文を掲げた。「そんなこと判ってラーイ!」だが、キチンを証明するのが科学だ。
女性の脳は、上級認知機能を司る前頭葉と、感情的反応の大脳辺縁系が男性よりも比率が大きく立派だとHarvard教授Jill Goldstein女史はいう。逆に男性の脳で比率が大きいのは、空間感覚を司る頭頂葉皮質、鼓動の高揚やアドレナリンの分泌を制御する扁桃体だという。脳組織だけでなく脳に接続される神経細胞の密度で見ても、女性は言語処理、言語理解、雄弁度を司る部分が発達していると加McMaster大Sandra Witelson女史はいう。昔から夫婦喧嘩は女は口で男は手で闘うものだ。彼女の話が16日のYahoo Newsに出ていた。間もなく消されると思うが、今なら間に合う。
http://news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/latimests/20050616/ts_latimes/deepdarksecretsofhisandherbrains
女史はホルマリン漬のEinsteinの脳を調べたそうだ。意外にも平均より重量は小さめだったが、神経組織が非常に発達していた他、左右二つに分かれているはずの頭頂葉(知覚の総合化や推論)が、シナプシス結合の稠密化で一体化していたという。Dual CPUが一体化した奇形だったらしい。
男女差は、脳発達の過程で性ホルモンが作用して生じると推察したくなるが、生まれ落ちた時から差はあるらしい。或る実験では、赤ん坊に色々な玩具を与えて、どの玩具と遊ぶ時間が長いかを計った。まだ性ホルモンとは無縁な赤ん坊でも、男はボールやモデルカー、女は人形で遊ぶことが多かったという。いやそれは親がそういう玩具を買い与えるから既に影響されているのだという疑念を晴らすために、実験者は猿でも同じ実験をし、同じ結果を得たという。男の子が選ぶのは、空間移動、障害物克服などで、将来狩をしたり結婚相手を見つけたりに役立つ。女の子は将来の育児に役立つものを選ぶという解釈である。1歳の赤ん坊での実験では、女の子は母親の顔を見ている時間が長く、男の子はモデルカーを見ている時間が長いという結果もある。赤ん坊の頭上にブラ下げるヒラヒラする回転体を日本語で何というのか浅学にして知らないが、英語ではMobileというそうだ。携帯電話と同じだ。生後1日の赤ん坊の傍に女子学生が立ち、彼女の写真をブラ下げたMobileを設置したところ、女の子は女子学生をより長い時間見たという。生後1日では目が見えないはずとワイフはいうが、見えているが意識的に認識・反応できないのだろうと私は解釈した。
脳には海馬という部分があって、記憶と、物理環境の空間的位置関係を司る。この部分が女性の方が発達しているそうだ。動物で実験すると、ストレスでメスの海馬周辺の神経細胞は非常に増えて、記憶が増していることが判るが、オスはほとんど変化しない。一般にオスはストレスに対抗し、メスはストレスに耐えることが上手だという。海馬の大小の結果、道を覚える際に、男性は方向と距離感に頼るが、女性は目印に頼る(ことができる)割合が大きいそうだ。ウム、これは納得!! 面白いことに鼠を迷路に入れて実験すると、オスとメスで人間と同じ傾向が出るとのこと。
映像を見た2-3週間後にその記憶を確かめる実験で、見た時点での脳の扁桃体の活性化度合いで記憶の強弱が決まることが判ったという。扁桃体は左右2個あるが、男性は右、女性は左が活性化される。右脳で記憶する男性はより大綱に、女性は左でより詳細な記憶に優れるという
多分冒頭のHarvardの研究を背景に、Harvardの学長がある講演で「科学系研究者に女性が少ない理由は脳の男女差」と発言して物議をかもし、或る女性研究者は退席して抗議を表したと、最近の米ニュースにあった。
私の出身高校は今話題の山口県立光高校だ。「進学校」と紹介されて驚いたが、私が入学した54年前には年2回田植と稲刈の時期に農繁休暇があった。しかし学力テストでも幅跳びでも全校の上位者を掲示した。体力テストは当然男女別だが、学科も(1)女子は教科書から出題されるテストに強い。(2)女子は論理思考学科より記憶学科で成績がよい、ことを私は知っていた。いいじゃないの。男性と同じ女性なんて見たくもないさ。以上