近年ご無沙汰中のSilicon Valley Map 2009年版を呉れた人が居て、仕事場に張り出した。大判のポスタに200社余りのロゴ、URL、建物の写真が配置されているアレだ。下部に購入企業の大きなロゴと2009年の12ヶ月のカレンダがある。思い出したい方は次のURLで2008年版を見て欲しい。
http://www.siliconmaps.com/SiliconValley08.htm
Trestriaという当地の販促会社が、Silicon Valley Mapを1989年に始め、Silicon Maps, Inc.を分社して今日に至る。2009年版は20周年記念だ。15万枚印刷して80カ国に配布していると豪語している。掲載した企業の広告料と、1部$25(企業購入は-30%)の販売で商売している。好調のSilicon Valley Mapだけでなく、同方式で今ではSouth CA, Bioscience CA, Green CA, Austin TX, OR WA, Phoenix AZの7種類に拡大した。
改めて地図を眺めてみると、Golden Gate橋が左上角にあり、San Joseの街が右下角にある。San Francisco湾を渡るBay橋、San Mateo橋、Dumbarton橋がある。南北に走るハイウェイは、Santa Cruz山脈を縦断する280号線、Silicon Valleyの真ん中を貫く101号線、湾の東岸を行く880号線、内陸の680号線だ。わが長男の住む町Los Gatosが最下部、次男の住む町Berkeley(の北)が最上部に見える。Oakland沖のAlameda島の米企業Wink社に私が就職し、初めて全社員に就任挨拶をした時「San Francisco湾の西側は今まで頻繁に来訪したが、東側はIndianの国だと思っていた。そう言えば酋長みたいなBossが何人か居るようだ」と言って爆笑を取った。地図で見ると湾の東側も西に負けないほど企業ロゴが掲載されている。飛行機がSan Francisco空港に近づく時、湾の南端に赤や緑に色付いた水面が見える。何年経っても進まない埋め立ての途中かと思っていたが、この地図ではSouth Bay Salt Flatsと書いてあった。海流の弱い湾内の浅瀬で汚染もあるだろうし、まさか食塩じゃないでしょうね。
San Francisco空港とOakland空港が見える。San Jose空港がないぞ、と探したら空港運営会社のロゴがあった。以前は、大空港San Franciscoではレンタカーを借りるにもバスで移動しなければならない不便を嫌い、こじんまりした空港屋上からレンタカーに乗れるSan Jose空港を愛用してよく通ったものだ。しかしSan Jose空港も段々大きくなり、遂にレンタカーもバス移動になった。そのうちにSan Francisco空港ではレンタカーのカウンタまで電車で移動しなければならなくなった。
この地区には大学が多数あるが掲載は少ない。上端のCalifornia大学Berkeleyと、280号線沿いのStanford大学の双璧と、学生数3万人のSan Jose州立大学が掲載されている。驚くのは、Silicon Valley's Business Schoolを称する学生数わずか800人のMenlo Collegeがその他に唯一掲載されていることだ。Menlo Collegeだけが有料掲載なのかも知れない。
Stanford大学下方に、Silicon Valley型の企業の嚆矢であるHPがあり、真ん中辺りにFairchildがある。Stanford大学の上方にSunがあるが、どうも今回の位置はおかしい。湾の南端に今をときめくGoogleと、悩みが深いYahooのロゴが並んでいる。近くにTIがあり、南にはIntelがある。しかし長年の常連だったAMDは出していない。MicrosoftもOracleもIBMもあるが、CupertinoにもどこにもAppleは無かった。Fry'sが5ヶ所出ている。昔はスーパだったそうだが、パソコン店にシフトして大きく伸びた。今は白物家電や書籍・DVDソフトから天体望遠鏡まで何でも売っている。
日本の会社が多い。日立は、IBMから買収して苦渋中のHDD部門を中心に4ヶ所ある。富士電機、富士通、日本無線、リコー、三洋、ドコモ、ヤマト運輸、近鉄Express、三菱商事、三井物産、伊藤忠、東京エレクトロン、菊水、など。トヨタはMountainviewにITS研究所を置く。半田の千住金属、真空機器の樫山工業など、私が知らない企業も多数出ている。
2009年版からだと思うが、地図のあちこちに20数名の人物を立たせている。皆有名人なのだろう。Bill Gatesや、恐らくHP創立者のHewlettとPackard、Google創立者PageとBrin、なぜかChaplin、などに気付いた。
Silicon Valleyの活力を感じさせる楽しい地図で飽きない。 以上