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短編随筆シリーズ「うつせみ」より代表作 Photos of flowers, butterflies, stars, trips etc. '96電子出版の句集・業務記録

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うつせみGeneral
2013年11月15日
           白神山地

 日本の世界遺産で唯一行ってなかった白神山地をJTBのツアで見に行った。ついでに八甲田山・奥入瀬・十和田湖・八幡平にも立ち寄った。

 10月下旬の早朝に東北新幹線で東京を発ち、北上駅からバスで日本海側を秋田県から青森県に入り、白神山地の十二湖地域に入った。地震の山崩れで川が堰き止められ33の大小の湖沼が出来た。数え方が悪かったとか、大きなものだけ数えたとかで、十二湖と呼ばれるようになったそうだ。

 33の湖沼を巡るハイキングルートは楽しそうだが、我々はバスでどんどん上った。数ヶ所の湖が湖畔の木々の間から見える。静かな湖を囲む森の木々が色付き始めている。美しいだけでなく神秘的な景色だ。バスを降り、「鶏頭場(けとば)の池」という湖の畔を行く。鶏頭の形だからだという。ガイドに導かれて山道に入り、木材で止めた土の階段を上れば、ほのかな森の香が漂う。なるほどブナの大木が多い。概して葉はまだ緑だが、一部色づき始めていて黄葉(もみじ)の季節は近い。

 「青池」まで上って来た。数十米の卵型の池だが、観光名所で木製の展望デッキがある。名の通り高級サファイアの深い濃い青だ。池の表面に黄色い落葉が吹き溜まっていて色の対照が見事だ。当然私はなぜ青いのかが気になった。帰宅後Webを漁ったが「科学的に未だ解明されていない」という孫引き記事ばかり。唯一見付けたのが「石灰石が溶け出したCaイオン乃至析出Caが希薄なコロイドを成し青を乱反射」という説明だった。

 更に上って丘を越え反対側の「沸壺(わきつぼ)の池」に達したが、これも青池を一回り小さくした深い青の池だった。湖畔の黄葉と映えて美しい。この湖底の水が湧き出すという(本当かな?)「長寿の水」でいれたお茶を提供する池直下の茶屋があったが立ち寄る時間が無かった。

 海岸に戻り、水森かおりのご当地ソングで有名な五能線の観光列車に乗った。「ブナ(の漢字)」「青池」「くまげら」の新鋭3編成の観光列車がある。日本海の岩海岸の景色を堪能する開放個室形式の車両だった。

 翌朝は白神山地の暗門川を遡り暗門滝を見に行った。手配して貰った観光ガイドから往復3時間と告げられた。昔は安門だったが、上流の銅鉱山を江戸幕府に知られたくなかった領主が暗門と改名して禁断の地にしたという。駐車場の近くに「ブナ原生林の水」という美味で有名な湧水があった。滝への道は川沿いだが右岸の「ブナ林散策道」の山道を上った。直径数十センチから1米のブナの大木が所々にあり、間を若木が埋めている。前日の十二湖よりも黄葉が進んでいて、黄色の世界になりつつあった。ブナは幹に大量の水を蓄えるというから成長が速いのかと誤解したが、直径数十センチの木でも150歳ほどだという。道端に久し振りに蛇を見た。

 暗門川に戻り川縁を標高3百米辺りまでひたすら上る。切り立った岩壁の間を行くようになると、道は建築現場で見掛ける鉄製の足場に変わった。川に張り出した岩は足場の階段で越える。意外に新しいので尋ねたら毎年雪で駄目になるので作り直すとか。川は透明な急流、岸は岩壁、その上にブナを中心とする黄色の木々が彩りを添える。所々に上下客のすれ違い場所があり、そこに退避して下り客を通すので中々進めない。やっと水しぶきが飛んで来る27米の暗門の滝に達した。これが三の滝で、二の滝・一の滝は急斜面を更に上るのだが、ガイドに時間切れだと却下された。

 午後は奥入瀬・十和田湖観光だった。直行するはずが好天を逃すまいとバスが頑張って八甲田山経由とした。標高7百余米に架かる全長360米の日本一のアーチ橋、城ヶ倉大橋を行くと、眼下と周辺のブナの森が黄色から赤茶になっていて、今回では最も美しい黄葉を見た。黄葉に埋もれた標高9百米の酸ヶ湯(すがゆ)温泉を横目に見ながら奥入瀬・十和田湖へ。

 翌日もう一度城ヶ倉大橋を渡り、八甲田ロープウェイで、標高6百米から13百米の木々の色模様を見た。下は赤茶色、上は冬の枯れ木だった。次に標高15百米の冬景色で実際に寒かった八幡平を秋田県から岩手県に抜けて帰った。霧が出て前日のような好天には恵まれなかった。

 世界遺産白神山地は、観光地ではなく自然保護地だったと再認識し評価した。今回一番綺麗だった黄葉は白神山地ではなく八甲田山だった。以上