毎朝暗い内から裏山に駆け上がり、ご近所様とラジオ体操をする広場に到着する頃に明るくなってくる。今週やっと夜明けが早くなってきたかなと感じた。冬至を過ぎても日の出は日々遅くなっていた。なぜかCasio社、keisan.casio.jp/exec/system/1236677229で、東京の日の出を秒単位まで計算してくれている。その東京の緯度経度が怪しいのだが、まあいいや、日々の変化を相対的に見て貰えれば絶対時刻はどうでもよい。
下表の数値 XX.YY は日の出時刻で、 朝6時XX分YY秒の意味だ。
12月19日 | 44.41 | 12月29日 | 49.11 | 1月 8日 | 50.39 |
12月20日 | 45.16 | 12月30日 | 49.28 | 1月 9日 | 50.37 |
12月21日 | 45.48 | 12月31日 | 49.44 | 1月10日 | 50.33 |
12月22日 | 46.20 | 1月 1日 | 49.57 | 1月11日 | 50.27 |
12月23日 | 46.49 | 1月 2日 | 50.09 | 1月12日 | 50.20 |
12月24日 | 47.17 | 1月 3日 | 50.19 | 1月13日 | 50.10 |
12月25日 | 47.43 | 1月 4日 | 50.27 | 1月14日 | 49.58 |
12月26日 | 48.08 | 1月 5日 | 50.33 | 1月15日 | 49.45 |
12月27日 | 48.31 | 1月 6日 | 50.37 | 1月16日 | 49.30 |
12月28日 | 48.52 | 1月 7日 | 50.39 | 1月17日 | 49.12 |
これで見ると、冬至は決して日の出が一番遅い日ではなく、冬至を過ぎても日の出はどんどん遅くなり、1月7-8日が一番遅く、以降は日に日に早くなる。なぜそうなるのか、2014年12月26日の「うつせみAdvanced」で解説したが、3次元幾何学的な図を使った説明は難しく、自分でもしばらく経つと再理解に時間が掛る。「よし、文章だけで易しく解説しよう」と2018年12月29日の「うつせみAdvanced」を書いた。それでも難しい。限界と諦めていたが、最近、うまく直感的に説明できる方法を思い付いたので、三度目の正直で以下「うつせみGeneral」で試みることとした。
まず東向きに(東西南北どちらでも良いのだが説明の都合上)立ち、頭が地球だと思って欲しい。地球は自転するから、頭が左(上から見て反時計回り)に回転するとイメージする。左方向(西方向)の遠方に太陽があると考える。太陽の光は左の真横から来ているはずだから、丁度日の出の時間だ。鼻先に蝿が止まっているとしたら、蝿は丁度日の出を見る。
ところで地球の自転軸は垂直ではなく23度傾いているから、頭も少し極端に傾けてみよう。どの方向に頭を傾けたら太陽が見易いか?
頭を前に倒してから左に回転させて太陽を見ると、(頭が垂直の場合と同じで)回転が少なくても太陽は見え易い。これは秋分の地球の位置関係だ。逆に頭を後ろに倒して同じだ。これは春分の位置関係だ。
頭を左肩に傾けてから回転させ、上目遣いで太陽を見ようとすると、回転の割に見難い。これは夏至の位置関係だ。逆に頭を右肩に倒してから回転し、下目使いで太陽を見ようとしても同様だ。これは冬至だ。
地球は一定の回転速度で自転し毎日24時間で1日を刻む。しかし冬至と夏至の周辺では、回転の甲斐なく太陽が見難い。つまり太陽の見え方に関する限り自転不足が起こり、太陽の動きが毎日少しずつ遅れる。逆に春分と秋分では、自転過剰が起こり、太陽の動きが毎日少しずつ早くなる。これは緯度に関係無く、北半球・南半球に共通に同時に起こる現象だ。
天動説で地球から見ると、太陽の動きが冬至周辺では遅れ、晩冬で反転して春分では太陽の動きが早まる。晩春で反転して夏至では再び太陽が遅れ、晩夏で反転して秋分で早まり、晩秋で反転し冬至では遅れる。
一方地球には四季の現象があって、北半球では冬至には日が短く、夏至には日が長くなる。南半球では反対だ。北半球に住む我々にとって四季現象だけを考えれば、冬至が近付くと日の出が遅くなり、冬至が一番遅く、冬至を過ぎれば日の出が早くなるはずだ。四季現象と自転過不足の2つの現象が重なり、北半球では、冬至前では相乗効果で急速に日の出が遅くなり、冬至の十数日後に最も日の出が遅くなり、以降は相殺効果でゆっくりと日の出が早くなる。なお日没は、相殺効果で冬至の十数日前に最も早い日没となり、それ以降は相乗効果で急速に日没が遅くなる。如何? 以上