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− てこの原理 −

その1
2004年2月19日
1.てこの原理とは
 てこの原理とは、次のようなものである。
てこの原理
 支点を挟んで一方の腕には距離mの位置に重さMのおもり、もう一方の腕には距離nの位置に重さNのおもりが吊るされて釣り合っているとき、
   m×M=n×N
の関係が成り立つ。

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 ここで、おもり以外の構成要素には重さが無いと仮定する。
 さて、この原理は、ギリシャの哲学者アルキメデスが発見したものとされている。アルキメデスによる証明は後で説明するが、その前に私流の証明を以下に示す。

2.証明の方向

 まず、m=nの場合、M=Nとなることは対称性から自明とする。簡単のために、このとき、m=n=1、M=N=1と書く。長さおよび重さの単位は自由だから、こうしても一般性が保たれる。
 このてこを「てこ1/1」と言おう。1/1は左右の腕の長さを表す。
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てこ1/1→てこ2/1
 次に、上のてこ1/1をおもりをつけたまま、別のてこ1/1の一方の端に吊るす。上のてこのおもりの重さは合計で2であるから、新たなてこの他端には重さ2のおもりを吊るせばつり合う。
 新しいてこの端にある元のてこの支点を吊るす紐を短くして元のてこの腕と新たなてこの腕とが重なるようにする。
新たなてこの支点の真下にあるおもりは、釣り合いに関係ないからこれを除去しても釣り合いには影響しない。
 結局、腕の長さが1:2のてこてこ1/2)の場合には、両端に吊るすおもりを1:2としたとき釣り合うことが導けた。
 つまり、m:n=1:2のとき、M:N=2:1であるから、
   m×M=n×N
が成立する。
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てこ1/1→てこ1/2
 今は、もとのてこを新たなてこの左端に吊るしたが、逆に右端に吊るせば、てこ1/2の場合が導ける。
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てこ2/1→てこ3/1
 次は、てこ2/1を新たなてこ1/1の左端に吊るす。てこ2/1のおもりの合計が3であるから、新たなてこの右端には重さ3のおもりを吊るして釣り合いを保つ。
 前と同じように、元のてこの支点を支える紐の長さを0にし、2つの腕を重ねる。
 そして、支点の真下のおもりを除去する。
 こうして、腕の長さが3:1の場合には、おもりの比が1:3として釣り合うことが導かれる。
 つまりこの場合も、
   m×M=n×N
が成立する。
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てこ2/1→てこ2/3
 今とは逆に、てこ2/1を新たなてこの右端に吊るそう。この場合には、新たなてこは腕の長さが左右とも2のものを使う。なぜかと言うと、元のてこのおもりの片方が新たなてこの支点の真下に来ることが重要なのである。
 今までと同じように、もとのてこの支点を吊るす紐の長さを0にして、新たなてこの支点の真下のおもりを除去する。
 こうして、腕の長さが2:3の場合には、おもりの比が3:2として釣り合うことが導かれる。
 つまりこの場合も、
   m×M=n×N
が成立する。

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  このようにして、てこm/n(m、nは正の整数)を次々と生成していくことができる。
 

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もう少し簡略化して、

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その2 につづく

[てこの原理(その1)/(その2)(その3)]

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