万葉植物園

万葉植物園の花と植物・万葉集の歌

東京都武蔵国分寺境内

水野暉久・てるちゃんのホームページ・花と植物

万葉植物園所在地 :JR西国分寺駅から南へ徒歩約15分 (東京都国分寺市西元町)

下表の万葉名をクリックすると詳細がご覧になれます。 まず表中(例)をご覧下さい。写真は順次掲載します。
番号 万葉名 和名 科名 読み人 万葉集の歌
(例)
075
すみれ すみれ すみれ 山部宿禰赤人の歌 春の野にすみれ採みにと来し吾ぞ
      野をなつかしみ一夜宿にける
巻8-1424
001 あおいぐさ ふとい かやつりぐさ 上つ毛野伊奈良の沼の大藺草
     よそに見しよは今こそ勝れ
巻14-3417
002 あかね あかね あかね 茜さす紫野行き標野行き
     野守は見ずや君が袖振る
巻1-20
003 あさがお ききょう ききょう 朝貎は朝露負ひて咲くといへど
     夕陰にこそ咲きまさりけれ
巻10-2104
004 あし あし かほん 葦辺ゆく鴨の羽交に霜零りて
     寒き夕は大和し念ほゆ
巻1-64
005 あじさい あじさい ゆきのした 紫陽花の八重咲く如く やつ世にを
     いませわが夫子見つつしのばむ
巻20-4448
006 あしび あしび つつじ 甘南備の
伊香の眞人
磯かげの見ゆる池水照るまでに
     咲ける馬酔木の散らまく惜しも
巻20-4513
007 あずさ みずめ、
よぐそみねはり
かばのき 梓弓引きて弛べぬ丈夫や
     恋とふものを忍びかねてむ
巻12-2987
008 あは あわ かほん ちはやぶる神の社し無かりせば
     春日の野辺に栗蒔かましを
巻3-404
009 あふち せんだん せんだん 珠に貫く棟を宅に植ゑたらば
     山霍公鳥離れず来むかも
巻17-3910
010 あふひ ふゆあおい、
かんあおい
あおい 梨棗黍に栗嗣ぎ延ふ田葛の
     後も逢はむと葵花咲く
巻16-3834
011 あべたちばな こうじみかん さんしょう 吾妹子に逢はず久しもうまし物
     阿部橘の蘿生すまでに
巻11-2750
012 あやめぐさ しょうぶ さといも 大友家持の
霍公鳥の歌
霍公鳥待てど来喧かず菖蒲草
      玉に貫く日をいまだ遠みか
巻8-1490
013 あをな かぶら かぶらな 食薦敷き蔓菁煮待ち来梁に
      行騰かけて息むこの公
巻16-3825
014 いちし ひがんばな ゆり 路の辺の壱師の花のいちしろく
      人皆知りぬわが恋妻は
巻11-2480
015 いちひ いちいがし ぶな 乞食者の歌
−長歌
前略…あしひきのこの片山に二つ立つ
      櫟本に梓弓八つ手挟み
…後略
巻16-3885
016 いね いね かほん 恋ひつつも稲葉かき別け家居れば
      乏しくもあらず秋の夕風
巻10-2230
017 いはいづら すべりひゆ すべりひゆ 武蔵の国の歌 入間道の大家が原のいはゐづら
      引かばぬるぬる吾にな絶えそね
巻14-3378
018 いはづな ていかかづら きょうちくとう 石綱のまたをちかへりあをによし
      奈良の京師をまたも見むかも
巻6-1046
019 うきまなご うきくさ うきくさ 解衣の恋ひ乱れつつ浮沙
      生きても吾はあり渡かも
巻11-2504
020 うけら おけら きく 武蔵の国の歌 恋しけば袖も振らむを武蔵野の
      うけらか花の色に出なゆめ
巻14-3376
021 うのはな うつぎ、
うのはな
ゆきのした 五月山卯の花月夜霍公鳥
      聞けども飽かずまた鳴かぬかも
巻10-1953
022 うはぎ よめな きく 春日野に煙立つ見ゆをとめ等し
      春野の菟芽子採みて煮らしも
巻10-1879
023 うまら のばら、
のいばら
ばら 天羽の上丁丈部の鳥 道の辺の荊の未にはほ豆の
      からまる君を離れか行かむ 
巻20-4356
024 うめ うめ ばら 春さればまづ咲く宿の梅の花
      ひとり見つつや春日暮さむ
巻5-818
025 うも さといも さといも 長忌寸意吉麻呂の
荷葉を詠める歌
蓮葉はかくこそあるもの意吉麻呂が
      家なるものは芋の葉にあらし
巻16-3826
026 えのき にれ わが門の榎の実もり喫む百千鳥
      千鳥は来れど来ぞ来まさぬ
巻16-3872
027 えぐ くろぐわい かやつりぐさ 君がため山田のの沢に恵具採むと
      雪消の水に裳の裾ぬれぬ
巻10-1839
028 おぎ おぎ かほん 葦辺なる荻の葉さやぎ秋風の
      吹き来るなべに雁鳴き渡る
巻10-2134
029 おみなへし おみなえし おみなえし 手に取れば袖さへにほふ女郎花
      この白露に散らまく惜しも
巻10-2115
030 おみのき もみ まつ 前略…み湯の上の樹群を見れば
      おみの木も生い継ぎにけり
…後略
巻3-322
031 おもいぐさ なんばんぎせる はまうつぼ 道の辺の尾花が下の思草
      今さらになぞ物か念はむ
巻10-2270
032 かえるで かえで かえで わが屋戸に黄変つ鶏冠木見るごとに
      妹を懸けつつ恋ひぬ日はなし
巻8-1623
033 かおばな ひるがお ひるがお 高円の野辺の容花おもかげに
      見えつつ妹は忘れかねつも
巻8-1630
034 かきつばた かきつばた あやめ 大友宿禰家持の
作れる
かきつばた衣に摺りつけ丈夫
      のきそい猟する月は来にけり
巻17-3921
035 かし かし、
あらかし
ぶな 河内の大橋を
独去く娘子を見る歌
−長歌
前略…若草の夫かあるらむ
      橿の実の独か宿らむ
…後略
巻9-1742
036 かしわ かしわ ぶな 稲見野のあから柏は時あれど
      君を吾が思ふ時は実なし
巻20-4301
037 かずのき ぬるで うるし 足柄のわを可鶏山のかづの木の
      我をかづさねもかづさかずとも
巻14-3432−東歌
038 かたかご かたくり ゆり もののふの八十をとめらがくみまがふ
      寺井の上の堅香子の花
巻19-4143
039 かつら かつら かつら 向つ岳の若楓の木下枝取り
      花待つい間に嘆きつるかも
巻7-1359
040 かには ちょうじざくら ばら 山部宿禰赤人の
作れる歌
前略…敷細の枕も纒かず桜皮纒き
      作れる舟に眞楫貫き
…後略
巻6-942
041 かへ かや いちい 大友家持の歌
−長歌
前略…直向ひ見む時までは松柏の
      栄えいまさね尊き吾が君
巻19-4169
042 かや すすき かほん わが夫子は仮廬作らす草なくば
      小松が下の草を刈らさね
巻1-11
043 からあい けいとう ひゆ 秋さらば影にもせむとわが蒔きし
      韓藍の花を誰が採みけむ
巻7-1362
044 からたち からたち みかん 枳の棘原刈り除け倉立てむ
      屎遠くまれ櫛造る刀自
巻16-3832
045 かわやぎ ねこやなぎ やなぎ 河暇鳴く六田の河の川楊の
      ねもころ見れど飽かぬ河かも
巻9-1723
046 きみ きび かほん 古りにし人の食せる吉備の酒
      病めばすべなし貫簀賜らむ
巻4-554
047 きり あおぎり あおぎり 大伴の淡等謹みて状す
      梧桐の日本琴一面
巻5-810の題詞
048 くくみら にら ゆり 伎波都久の岡の莖韮われ摘めど
      篭にも満た無ふ夫なと摘まさね
巻14-3444
049 くず くず まめ 雁がねの寒く鳴きしゆ水莖の
      岡の葛葉は色づきにけり
巻10-2208
050 くそかづら へくそかづら、
かばねつぐさ
あかね 崑莢に延ひおほどれる屎葛
      絶ゆることなく宮仕せむ
巻16-3855
051 くり くり ぶな 三栗の那賀に向へる曝井の
      絶えず通はむ彼所に妻もが
巻9-1745
052 くれない べにばな きく 紅に衣染めまく欲しけれども
      著くにほはばや人の知るべき
巻7-1297
053 くわ やまぐわ くわ たらちねの母のその業の桑すらに
      願へば衣に着るとふものを
巻7-1357
054 こけ こけ すぎごけ、せにごけ み芳野の青根が峰の蘿むしろ
      誰か織りけむ経緯無しに
巻7-1120
055 こなら こなら ぶな 下毛野みかもの山の小楢のす
      まぐはし児らは誰が筍か持たむ
巻14-3424
056 このてがしわ このてかしわ ひのき 千葉の野の児手柏の含まれど
      あやにかなしみ置きてたち来ぬ
巻20-4387
057 こも まこも かほん 飼飯の海の庭よくあらし刈薦の
      乱れ出づ見ゆ海人の釣舟
巻3-256
058 さいかち さいかち、
かわらふじ
まめ 菎莢に延ひおどれる屎葛
      絶ゆることなく宮仕せむ
巻16-3855
059 さかき さかき、
まさかき
つばき 前略…奥山の賢木の枝に
      白香著け木綿とりつけて…後略
巻3-379
060 さきくさ みつまた じんちょうげ 春さればまづ三枝の幸くあらば
      後にも逢はむ莫恋ひそ吾妹
巻10-1895
061 さくら やまざくら ばら 春雨のしくしく降るに高円の
      山の桜はいかにあるらむ
巻8-1440
062 ささ くまざさ かほん 小竹の葉はみ山もさやに乱げども
      吾は妹思う別れ来ぬれば
巻2-133
063 さなかづら さねかづら、
びなんかづら
もくれん さね葛のちも逢はむと夢のみに
      誓約ひぞわたる年は経につつ
巻11-2479
064 さはあららぎ さわひよどり きく 天皇、大后、共に大納言藤原家に幸し日、
     黄葉せる沢蘭一株を抜き取りて
…後略
巻19-4268の題詞
065 しい しい ぶな 有間の皇子の歌 家にあれば筍に盛る飯を草枕
      旅にしあれば椎の葉に盛る
巻2-142
066 しきみ しきみ もくれん 奥山のしきみが花の名の如や
      しくしく君に恋ひわたりなむ
巻20-4476
067 しだくさ のきしのぶ うらぼし わが屋戸の軒の子太草生ふけれども
      恋忘れ草見れどいまだ生ひず
巻11-2475
068 しぬ しのだけ、
しの
かほん うち靡く春さり来れば小竹の末に
      尾羽うち触りて鶯鳴くも
巻10-1830
069 しば しば かほん 立ち易り古き都となりぬれば
      道の芝草長く生ひにけり
巻6-1048
070 しらかし しらかし ぶな あしひきの山道も知らず白橿の
      枝もとををに雪の降れれば
巻10-2315
071 しりくさ さんかくい かやつりぐさ 湖葦に交れる草の知草の
      人みな知りぬ吾が下思
巻11-2468
072 すが、すげ すげ かやつりぐさ 大納言
大伴の卿の歌
奥山の菅の葉しのぎふる雪の
      消なば惜しけむ雨なふりそね
巻3-299
073 すぎ すぎ すぎ わが夫子を大倭へ遺りてまつしたす
      足柄山の杉の木の間か
巻14-3363
074 すず やのたけ かほん 久米の禅師の歌 み薦刈る信濃の真弓わが引けば
      うま人さびて否とと言はむかも
巻2-96
075 すみれ すみれ すみれ 山部宿禰赤人の歌 春の野にすみれ採みにと来し吾ぞ
      野をなつかしみ一夜宿にける
巻8-1424
076 すもも すもも ばら 大伴家持の歌 わが園の李の花か庭に落りしは
      はだれのいまだ残りたるかも
巻19-4140
077 せり せり せり 薩の妙観の歌 丈夫と思へるものを刀佩きて
      かにはの田井に芹子ぞ採みける
巻20-4456
078 たく こうぞ くわ 梯衾新羅へいます君が目を
      今日か明日かと斉ひて待たむ
巻15-3587
079 たけ まだけ かほん 大伴家持の
作れる歌
わが屋戸のいささ群竹吹く風の
      音のかそけきこの夕かも
巻19-4291
080 たちばな みかん、
たちばな
みかん 橘の蔭ふむ路の八衢に
      ものをぞ念ふ妹に逢はずて
巻2-125
081 たで たで、
やなぎたで
たで わが屋戸の穂蓼古幹採み生し
      実になるまでに君をし待たむ
巻11-2759
082 たまかづら ごとうづる ゆきのした 玉葛花のみ咲きて成らざるは
      誰が恋ならめわが恋ひ念ふを
巻2-102
083 たまばはき こうやぼうき きく 大友家持の
作れる歌
始春の初子の今日の玉箒
      手に執るからにゆらく玉の緒
巻20-4493
084 たわみずら ひるむしろ ひるむしろ 安波をろのをろ田に生はるたはみ曼
      引かばぬるぬる吾を言な絶え
巻14-3501
085 ちさ えごのき えごのき 大伴宿禰家持の
輿に依りて作れる歌
−長歌
前略…世の人の立つる言立ちさの花
      咲ける盛に…後略
巻18-4106
086 ちち いぬびわ 長歌 ちちの実の父の命柞葉の母の命
      おぼろかに情尽して念ふらむ
…後略
巻19-4164
087 ちばな つばな、
ちがや
かほん 戯奴がためわが手もすまに春の野に
      抜ける茅花ぞ食して肥えませ
巻8-1460
088 つがのき つが まつ 柿本の朝臣人麻呂の
作れる歌
−長歌
前略…橿原の 日知の御代ゆ 生れましし
      神のことごと つがの木の いやつぎつぎに
…後略
巻1-29
089 つき けやき にれ 天飛ぶや 軽の社の斉槻
      幾世まで あらむ隠嬬ぞも
巻11-2656
090 つきくさ つゆくさ つゆくさ 鴨頭草に衣ぞ染むる君がため
      綵色ごろも摺らむと念ひて
巻7-1255
091 つきぬちのかつら もくせい、
ぎんもくせい
もくせい 黄葉する時になるらし月人の
      かつらの枝の色づく見れば
巻10-2202
092 つぎね ひとりしづか ちゃらん 長歌 つぎねふ山城道を他夫の
      馬より行くに…後略
巻13-3314
093 つげ つげ、
ほんつげ
つげ 興に依りて
大友の宿禰家持の
作れり
嬢子らが後のしるしと黄楊小櫛
      生ひ更り生ひて扉きけらしも
巻19-4212
094 つちはり めはじき、
えんれいそう
ゆり わが屋前に生ふる土針心ゆも
      想はぬ人の衣に摺らゆな
巻7-1338
095 つつじ やまつつじ つつじ 山越えて遠津の浜の石つつじ
      わが来るまでに含みてあり待て
巻7-1188
096 つづら あおつづらふじ あおつづらふじ 上つ毛野安蘇山つづら野を広み
      延ひにしものを何か絶えせむ
巻14-3434
097 つばき やぶつばき、
やまつばき
つばき 大伴の宿禰家持の
館に宴せる歌
奥山の八峰の椿つばらかに
      今日は暮らさね丈夫のとも
巻19-4152
098 つぼすみれ つぼすみれ すみれ 高田の女王の歌 山振の咲きたる野辺の都保須美礼
      この春の雨に盛なりけり
巻8-1444
099 つまま たらのき くす 大伴の宿禰家持の歌 磯の上の都万麻を見れば根を延へて
      年深からし神きびにけり
巻19-4159
100 つみ やまぐわ くわ 若宮の年魚麻呂の歌 古に梁打つ人の無かりせば
      此間もあらまし柘の枝はも
巻3-387
101 ときじきふじ なつふじ まめ 大伴の宿禰家持の歌 わが屋前の時じき藤のめずらしく
      今も見てしか妹咲容を
巻8-1627
102 ところづら ところ やまいも 皇祖神の神の宮人冬薯蕷葛
      いや常しくに吾かへり見む
巻7-1133
103 なぎ こなぎ みずあおい 上つ毛野伊香保の沼に殖子水葱
      かく恋ひむとや種求めけむ
巻14-3415
104 なし やまなし ばら 露霜のさむき夕の秋風に
      黄葉にけりも妻梨の木は
巻10-2189
105 なつめ なつめ くろうめどき 玉掃刈り来鎌麻呂室の樹と
      棗が本をかき掃かむため
巻16-3830
106 なでしこ かわらなでしこ なでしこ 野辺見れば瞿麦の花咲きにけり
      わが待つ秋は近づくらしも
巻10-1972
107 なよたけ めだけ かほん 柿本の朝臣人の
作れる歌
−長歌
秋山のしたふる妹なよ竹の
      とをよる子らはいかさまに
      念い居れか…後略
巻2-217
108 なら なら、
こなら
ぶな 御猟する雁羽の小野の櫟柴の
      馴れは益らず恋こそまれまされ
巻12-3048
109 にこぐさ はこねしだ うらぼし 蘆垣の中の似児草にこよかに
      我と咲まして人に知らゆな
巻11-2762
110 ぬなは じゅんさい はす わが情ゆたにたゆたに浮蓮
      辺にも沖にも寄りかつましじ
巻7-1352
111 ぬばたま ひおうぎの種子 あやめ 居明かして君をば待たむぬばたまの
      わが黒髪に霜は降るとも
巻2-89
112 ねつこぐさ おきなぐさ きんぽうげ 芝付の美宇良崎なる根都古草
      相見ずあらば我恋ひめやも
巻14-3508
113 ねぶ ねむのき、
ねぶた
まめ 昼は咲き夜は恋ひ宿る合歓木の花
      君のみ見めや戯奴さへに見よ
巻8-1461
114 はぎ はぎ まめ 大伴の宿禰家持の歌 丈夫の呼び立てしかばさを鹿の
      胸分け行かむ秋野芽子原
巻20-4320
115 はじ はぜのき うるし 大伴家持の歌
−長歌
前略…高千穂の岳に天降りし皇祖の
      神の御代より梔弓を手握り持たし
巻20-4465
116 はちす はす はす ひさかたの雨も降らぬか蓮葉に
      渟れる水の玉に似たらむ見む
巻16-3837
117 はながつみ まこも
(出穂せるもの)
かほん 中臣の女郎の、
大伴の宿禰家持に
贈れる歌
おみなえし佐紀沢に生ふる花勝美
      かつても知らぬ恋もするかも
巻4-675
118 はなたちばな たちばな みかん わが屋前の花橘の何時しかも
      珠に貫くべくその実なりなむ
巻8-1478
119 はねず にわざくら ばら 夏まけて咲きたるはねずひさかたの
      雨うち零らばうつろひなむか
巻8-1485
120 ははそ こなら ぶな 山科の石田の小野の柞原
      見つつや公が山道越ゆらむ
巻9-1730
121 はまゆふ はまおもと ひがんばな み熊野の浦の浜木綿百重なす
      心は念へど直に逢わぬかも
巻4-496
122 はり はんのき かばのき 引馬野ににほふ榛原入り乱れ
      衣にほはせ旅のしるしに
巻1-57
123 ひえ のびえ かほん 打ちし田に稗は数多にありといへど
      択えし我ぞ夜ひとり宿る
巻11-2476
124 ひかげかづら ひかげのかづら ひかげのかづら あしひきの山下日蔭蘰ける
      上にや更に梅を賞ばむ
巻179-4278
125 ひさぎ あかめかしわ たかとうだい 山部の宿禰赤人の
作れる歌
ぬばたまの夜の深けぬれば久木生ふる
      清き河原に千鳥数鳴く
巻6-925
126 ひし ひし あかばな 君がため浮沼の池の菱採むと
      我が染めし袖濡れにけるかも
巻7-1249
127 ひめゆり ひめゆり ゆり 夏の野の繁みに咲ける姫百合の
      知らえぬ恋は苦しきものぞ
巻8-1500
128 ひる のびる ゆり ひしほすに蒜搗き合へて鯛願ふ
      吾にな見せそ水葱の羹
巻16-3829
129 ふじ ふじ まめ 藤浪の花は盛になりにけり
      平城の京を思ほすや君
巻3-330
130 ふぢばかま ふじばかま きく 芽子の花尾花葛花瞿麦の花
      女郎花また藤袴朝貌の花
巻8-1538
131 ほほがしわ ほほのき もくれん わが兄子が捧げて持てる厚朴
      あたかも似るか青ききぬがさ
巻19-4204
132 ほよ やどりぎ やどりぎ 大伴家持の歌 あしひきの山の木末の寄生取りて
      挿頭しつらく千年寿ぐとぞ
巻18-4136
133 まき ひのき ひのき 古にありけむ人もわが如か
      三輪の檜原に挿頭折りけむ
巻7-1118
134 まき ひのき ひのき 小田の事の、
勢の山の歌
真木の葉のしなふ勢の山思ばずて
      わが越えゆけば木の葉知りけむ
巻3-291
135 まつ まつ、
あかまつ、
くろまつ
まつ 紀の朝臣鹿人の歌 茂岡に神さび立ちて栄えたる
      千代松の樹の歳の知らなく
巻6-990
136 まめ のまめ、
つるまめ
まめ 天羽の郡の
上丁丈部の鳥の歌
道の辺の荊の未にはほ豆の
      からまる君を離れか行かむ
巻20-4352
137 まゆみ まゆみ にしきぎ 南淵の細川山に立つ橿弓束
      纒くまで人に知らえじ
巻7-1330
138 みくさ すゝき、
かや
かほん 額田王の歌 秋の野のみ草苅り葺き宿れりし
      兎道の宮処の仮廬し思ほゆ
巻1-7
139 みつながしわ かくれみの うらぼし 歌の序 皇后の
紀伊の国に遊行して熊野の岬に到り、
      その処の御綱葉を取りて返りた
巻2-90
140 むぎ おおむぎ かほん 馬柵越しに麦喰む駒の詈られゆれど
      猶し恋しく思ひかねつも
巻12-3096
141 むぐら かなむぐら くわ 左の大臣
橘の卿の歌
葎はふ賤しき屋戸も大皇の
      坐さむと知らば玉敷かましを
巻19-4270
142 むらさき むらさき むらさき 笠の女郎の
大伴の宿禰家持に
贈れる歌
託馬野に生ふる紫草衣に染め
      いまだ着ずして色に出にけり
巻3-395
143 むろのき むろ、
ねず、
もろ
ひのき 太宰の卿
大伴の卿の歌
吾妹子が見し鞆の浦のむろの木は
      常世にあれど見し人ぞ無き
巻3-446
144 もむにれ にれ、
はるにれ
にれ 乞食者の詠
−長歌
前略…あしひきのこの片山の
      もむにれを五百枝剥ぎ垂り
巻16-3886
145 もも もも ばら 大伴家持の歌 春の苑紅にほふ桃の花下
      照る道に出で立つをとめ
巻19-4139
146 ももよぐさ つゆくさ つゆくさ 父母が殿の後方のももよぐさ
      百代いでませわが来るまで
巻20-4326
147 やなぎ しだれやなぎ やなぎ 浅みどり染めかけたりと見るまでに
      春のやなぎは芽えにけるかも
巻10-1847
148 やまあい やまあい たかとうだい 級照る 片足羽河の さ丹塗の 大橋の上ゆ
      くれないの 赤裳裾引き
      山藍用ち 摺れる衣着て…後略
巻9-1742
149 やますげ やぶらん ゆり 柿本人麻呂の歌 ぬばたまの黒髪山の山草に
      小雨零りしきしくしく思ほゆ
巻11-2456
157 やまたず にわとこ すいかずら 君が行き日長くなりぬ山多豆の
      迎へを行かむ待つには待たじ
巻2-90
150 やまたちばな やぶこうじ やぶこうじ 大伴家持の歌 この雪の消遺る時にいざ行かな
      山橘の実の光るも見む
巻19-4226
151 やまちさ えごのき えごのき 気の緒に念へる吾を山萵苣の
      花にか君が移ひぬらむ
巻7-1360
152 やまぶき やまぶき ばら 厚見の王の歌 蝦鳴く甘南備河に彰見えて
      今や咲くらむ山振の花
巻8-1435
153 ゆづるは ゆずりは たかとうだい 弓削の皇子の歌 古に恋ふるとりかも弓弦葉の
      御井の上より鳴きわたり行く
巻2-111
154 よもぎ よもぎ きく 大伴の宿禰家持の
作れる
−長歌
前略…ほととぎす来鳴く五月の
      菖蒲草蓬蘰ぎ酒宴
…後略
巻18-4116
155 わすれぐさ のかんぞう ゆり 師大伴の卿の歌
(大伴旅人)
萱草わが紐に付く香具山の
      故りにし里を忘れじがため
巻3-334
156 わらび わらび うらぼし 石激る垂水の上のさ蕨の
      萌え出づる春になりにけるかも
巻8-1418


<注釈>
・文は参考文献・資料をもとに、当時の漢字および万葉仮名を主に使用しています。
・ただし、”MicrosoftIME98日本語システム”に登録の無い文字はかな文字を使用。
・記載内容は次の通りです。

◎万葉名、和名、科名・・・・・花や植物を三通り記載。
◎写真またはスケッチ・・・・・花や植物は原則として万葉植物園にて撮影・スケッチしたものを掲載。
    撮影は35mmカメラ(19mm〜300mm・マクロ50mmレンズ付)、デジカメを主に使用。
◎歌・・・・・第1行は「武蔵国分寺境内表示板」を元に主に漢字と万葉仮名で記載。
       第2行は難解な漢字に読みがな(万葉仮名)を併記。
   (例)
    ね(宿)にける・・・・・・かっこ外に読みがな(万葉仮名)を記載。
    おおきみ(大皇・大君)・・・かっこ内前文字”大皇”は「武蔵国分寺境内表示板」の記述。
                    後文字”大君”は「新訓万葉集」の記術。
    た(垂)り<れ> ・・・・・< >内は「新訓万葉集」の記述。(複数の説あり)

◎解説・・・・・作者および歌の由来等を記載しています。
   (例)
    山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)の歌・・・・・かっこ内に読みがな(万葉仮名)を記載。

(参考文献・資料は下記の通りです。万葉植物園関係全ページ同様。)
1.武蔵国分寺境内 国分寺市教育委員会「案内表示板」「万葉集歌碑」等
2.新訓「万葉集」上巻 1979年6月20日第60刷 佐佐木信綱編 岩波書店発行
3.新訓「万葉集」下巻 1979年5月10日第54刷 佐佐木信綱編 岩波書店発行

なお、お気づきの点がございましたらMAIL(t.mizuno@pep.ne.jp)下さい。

              
 

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