父と子のサッカー教室(オフサイド その2)

 やあ竜生、久しぶり!

 毎日会ってるじゃん。

 ちょっとこのコーナーも間が空いちゃったからね。さて、今日はオフサイドについて、もう少し勉強しようか。

 最近ボンバーズがオフサイドを取られることが多いよね。

 まあ、戻りが遅いとかラインを良く見ないで飛び出しているとか、色々あるね。監督やコーチからも、「何人まとめてオフサイドになってるんだぁ!」と叱られているよね。オフサイドは良いことでは無いけど、前に出で攻めようという意識が強いのは悪くないとは思うよ。

 でも、あんまり「オフサイドに気を付けろ!」と言われると気にしちゃうよね。

 そこなんだ! オフサイドには気を付けなきゃならないけど、最近ちょっと気になっているのが、オフサイドにならないのに警戒し過ぎることがあるね。

 例えば?

 スローインから直接ボールを受けた時はオフサイドにならないよ。相手ゴール近くでのスローインは得点のチャンスなのに、みんなオフサイドになるんじゃないかと勘違いしてドンドン相手ゴールから遠ざかって行くことがあるね。あんなのは、もっと前に出てスローインからのボールを受けてセンタリングできればコーナーキックと同じ位得点のチャンスがあるのになぁーと思うよ。

 他には?

 ドリブルで相手のDFを抜いて走り込んだ時に、GKが立ち塞がり直接シュートしてもゴールに入りそうに無い。逆サイドに走りこんできた味方にパスすれば得点できそうだけど、味方は自分よりは後ろにいるけど相手DFよりは前にいるという状態で、その味方にパスを出したらオフサイドかな?

 その味方とゴールの間にも、GKしかいないんでしょ? ゴールから2人目の相手より前でプレーに参加したらオフサイドなんだから、オフサイドになるんじゃないの?

 オフサイドにならないんだよ。判り易くするためにゴールから2人目の相手より前に出ないように言ってきたけど、ドリブルやオフサイドラインの内側からの飛び出しなんかでオフサイドにならずに2人目の相手を抜いた時は、「ボールがオフサイドラインになる」んだ。

 へぇー、と言うことは...

 オフサイドラインになっているボールより後ろにいる味方へのパスだから問題無いんだよ。ルールブックには、「ボールおよび後方から2人目の相手競技者より相手ゴールラインに近い」位置でプレーに積極的に参加するとオフサイドになると書いてあるんだ。「後方から2人目の相手競技者より相手ゴールラインに近い」けど、「ボールより相手ゴールラインに近い」位置では無いから、オフサイドにはならないんだよ。

 ややこしいね。

 「および」というのがね。これが「または」だったら、「ボールの後方にいても2人目の相手より前にいたらオフサイド」になるんだけどね。「および」というのは両方の条件を満たした時という意味だから、「ボールのある位置と、後方から2人目の相手競技者の位置、両方より前にいればオフサイドだけど、どちらか一方の前ならオフサイドでは無い」となるんだよ。

 もっと判らなくなってきた...。

 例えば、自分(ボール)より前にいるけど、相手DFより後ろの位置にいる味方にパスを出してもオフサイドにはならないよね。同じように、相手DFより前にいても自分(ボール)より後ろにいる相手にパスを出してもオフサイドにはならないんだよ。

 何となく判ったような...。

 具体的に言うと、ドリブルでオフサイドラインを抜いた時はフォローしてくれる味方がボールより後ろにいればパスをしても良いんだ。でも、前にいたらパスを出してはいけないということだよ。

 フーン。

 ただね、このルールを誤解して、ゴールから2人目の相手選手より前は全てオフサイドポジションと思い込んでいる人もいるんだ。そういう人が審判をすると、ボールより後ろに戻しているのにオフサイドを取られることがあるね。


 そういう時はどうするの?

 副審の勘違いなら主審がフラッグを下げるよう指示して試合が継続するよ。主審の勘違いなら副審が指摘した方が良いね。でも、一旦試合を止めてしまったら、主審が間違いを認めても再開方法はドロップボールになるし、その頃には両方の選手が集まってきているから、すぐに得点するのは難しいね。


 それじゃあ、泣き寝入りというヤツじゃん!

 そういうことにならないよう、審判は一所懸命勉強しなければならないね。


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