朝早く訪れた教会は丘の上にある比較的小さな教会。涼しくて静かで気持ち良い。しかもとても美しいパイプオルガンの調べ。教会に行く途中の坂道で掃除をする男性とすれ違う時「グーテンタークGuten
Tag」と挨拶すればごく普通に「グーテンターク」と返事がある。実に自然で落ちついた雰囲気。
この後は一般観光コースでモーツァルトゆかりの場所を巡る。
その後ウィーンへ向かうが、ここからこの日はなかなかユニークな出会いが。まず、車中で日本人のT教授夫妻と。ウィーンのホテルの受付では日本語を勉強しているというお嬢さんと。
T教授とはいろいろなことを話した。日本で教えられるヨーロッパの常識は嘘ばかりというのが一つ。まず、ヨーロッパではチップが常識という嘘。ヨーロッパでは原則としてチップは不要である。それからヨーロッパ人とりわけイタリア人は怠け者という嘘。イタリア人ほどよく働く人はいない。そして、日本では知らされない日本の政府高官の情報がヨーロッパに居ると実によく伝わってくるということ。それだけヨーロッパの情報網が発達しているということでもあるし、日本国民が不当に情報から遠ざけられているということでもある。このような状況は今に始まったことではなく、戦前からだそうである。日本人は一貫して日本政府からだまされていると言ってよいということだ。これでは戦争に負けるのも当然だ。
西駅Westbahnhofのインフォメーションでホテルを探したが、係の女性は実に良くしゃべる。前の客とはスペイン語で冗談を言い合っていたのだろうか。電話を通じてのホテルとのやり取りも実に楽しそうに。私たちの「近くて安くて」という要求にはちょっと困ったような表情が一瞬したが、すぐに「OK」。市内交通3日間乗り放題という「Wien-Karte」もそこで買ったけど、結果的に得にはならなかったみたいだ。紹介されたホテルはなるほど歩いてすぐのところだが、インフォメーションで書いてもらったホテルの名前がくせ字でよく読めなかった。
ホテルの受付のお嬢さんは日本語を勉強しているという素敵な女性。「来年は日本に行きたいけど、お金が…」とのこと。コンサートに行きたいと言ったらその夜のシェーンブルン宮殿のコンサートSchoenburnner
Schlosskonzerteを予約してくれた。市電の乗り方も教えてもらって。
夕方、一応それなりのいい格好に着替えてホテルを出た。ずっとバッグに入れっぱなしだったので(幹雄の)上着がしわだらけだが仕方がない。まず駅のファーストフード店でサンドイッチとジュースの夕食。それから言われたとおりに市電に乗ってシェーンブルン宮殿Schloss
Schoenburnnへ。コンサートはなかなか良かったけど、暑くてまいった。コンサートが終る頃には上着のしわもすっかり伸びていた。 |