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短編随筆シリーズ「うつせみ」より代表作 Photos of flowers, butterflies, stars, trips etc. '96電子出版の句集・業務記録

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八ヶ岳三井の森からの行動半径の補足説明(2) 2001

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小淵沢

小淵沢ICを下りて直ぐの空き地に店を構えた野菜店が人気を得ている。小淵沢ICから八ヶ岳に上る道を行き、最初の信号*の右前方の角に町営の観光施設がある。信号の近くは「ニューこぶち」という旧館で、信号を右折して東に向かった所に「スパティオ」という巨大な観光施設が増設された。正面の大きな建物はホテルと「延命の湯」という例の1億円ふるさと創成資金で掘り当てた公衆温泉で600円で入湯できる。左手の木製の建物は体験工房と言って、陶芸、機織り、ドライフラワーアート、押し花、そば/ほうとう打ち、わらじ等藁細工、手作りナイフ、ガラス細工など、何でも体験出来る場所である。但し電話0551-36-6121で予約すること。加えて地元手芸家の作品の即売がある。また夏の休日には工芸品の朝市が行われる。

この辺りは木工や布製品などの工芸品の店が多い地帯である。その中に馬術競技場がある。広い構内で訓練しているのを見学するのも一興であろう。この道を更に東行しT字路に突き当たって右折すると小海線を渡って後述のリゾナーレ構内に入る。上記T字路を左クランクで東行し甲斐小泉駅の近くまで行くと、こんこんと相当量の清水が湧き出る三分一(さんぶいち)湧水がある。すぐ近くの河原からはかなり高い位置に水脈があって、八ヶ岳の伏流水があふれ出ている。それを正確に3つの流れに分割して各部落が利用しているから三分一湧水なのである。日本百名水に指定されている。甲斐小泉駅周辺一帯は平山郁夫画伯の財団の敷地で、2004年7月に開館した絵画と文物の平山郁夫シルクロード美術館と別館(旧館)、陶芸館、喫茶室などがある。その東側100mにある踏切を北側に渡った森の西側に、備前焼の名匠の作品を揃えた店緋彩があり、この分野に興味のある人には楽しい店だ。

上記の最初の信号*を西に曲がって500m行った所に2000年度の大河ドラマ用のNHKロケ地が出来たが2007年までには寂れた。代わってJR小海線甲斐小泉駅西側から泉郷を経て山に上る道が八ヶ岳横断道路にぶつかる角に、2006年秋に2007年大河ドラマ「風林火山」のNHKロケ地「風林火山館」が出来た。2010年位までもつ丈夫な作りで、周りには土産物店の町が出来た。上記の最初の信号*を西に700m行くと、八ヶ岳リゾートアウトレットが衣料品を中心に50店で2001年7月にオープンし、2002年に更に増設した。

更に道を200m西行すると、左からの道が合流してすぐ、右折して山に上る道がT字路をなしており、角に茜窯の看板がある。逆に八ヶ岳横断道路の料金所から原村方面に北西に 1 km行った辺りにも茜窯の看板があるのを下ってもよい。別に茜色の陶器がある訳ではないが、ユニークなやや高価な陶器を作る窯元がある。

小淵沢ICから八ヶ岳に向けて山を上り有料道路料金所を過ぎて直進すれば道はやがて右に曲がって清里方面に向かうが、料金所から 1 kmの所に今は使用されていない旧料金所があり、その手前から山に上る道がある。舗装道路をどんどん上ると、編笠山の中腹 1,560mほどの観音平に出る。山小屋が2軒あり、見晴らしがよい。車で来ても登山した感じが味わえる。岩陰にヒカリゴケが見られる。

小淵沢ICを出て左に180度ターンして東京に戻る方向に行き、最初の道を左折し中央道の下をくぐって山側に出ると、2000年4月開園の「花パーク・フィオーレ小淵沢」(Fiore=花(伊))がある。東京から中央道を行くと小淵沢の手前で右に見える。広大な敷地に花一杯の公園であるが、2000年4月現在はまだ敷地が余っていた。入場料600円。

小淵沢ICを出て左に180度ターンして東京に戻る方向に行き、学校の手前で鋭角に左折して行くと、田舎に突然都会風のショッピングセンターが現われる。MyCalの経営でリゾナーレRisonareと命名されている。年末年始およびお盆にはMyCal系過剰在庫のアウトレットと化し、衣料品や靴の30-70%引きに地元の人が押しかける。上記の鋭角の左折をしないで道なりに学校を過ぎて行くと、道は南西にカーブして小淵沢駅の東側に出る。信号を左折して更に東南に進む。「神田(しんでん)の大糸桜」という小さな看板から小道に入り更に1 kmほど狭い道を行くと、樹齢400年を称する見事な枝垂れ桜イトザクラがある。年によって違うが4月20日見当が見頃である。以前は知る人も少ない名所であったがガイドブックに載るようになってからは狭い道に車の渋滞が生じ夜間照明もついて夜桜も見られうようになった。最近はこの道が混んで実用的でなくなった。南を通る七里岩ライン県道17号線から入った方が良い。上記の小道に入らないで更に東に行くと「身曽岐神社」の看板がある。左折すると中央高速の山側に抜け、日立電子の工場の真ん前に立派な神社がある。或る神学者が上野に創建した神社が広い社殿を求めてここに移転してきたというだけあって、大変見事な神社である。

中央線で小淵沢の次の駅信濃境(実際小淵沢までが山梨県で、信濃境が初めての長野県の駅)の駅の1 kmほど下に、縄文時代でなくても今でも住みたくなるような位置に井戸尻遺跡がある。ここの富士見町歴史民族資料館はなかなか充実している。しかしここの目玉は大賀蓮である。千葉県の2千年前の弥生時代の遺跡から掘り出された蓮の種を大賀博士が育て増やして全国に分けたうちの一個所がここである。毎年7月中旬から8月中旬にかけてピンクの大輪の花を咲かせるが、10時を過ぎると閉じてしまうから朝見に行かなければならない。これだけでなく各種の蓮と水蓮があり、スイレン科植物園のようになってきた。またコスモスやオミナエシの咲く散歩道にもなっている。

北巨摩郡

山梨県の北西端は北巨摩郡という。小淵沢町もその一部であるが、小淵沢以外の町村もなかなか面白い。

JR小淵沢駅の一つ甲府寄りが長坂町の長坂駅である。両駅間のバスは観光スポットを回っていく。車では小淵沢から長坂まで七里岩ラインという道路が伸びている。長坂駅の1 km西にソメイヨシノの名所でもある清春白樺美術館がある。すぐ目につく巨大な親指の彫刻はパリのものの複製であろう。ルオーやピカソの小品、梅原龍三郎などの絵と、白樺派の作家の原稿などがある。構内にはパリにあるものと同じユニークな円形の建物「La Ruche」がある。パリのもここも、出世前の芸術家にアトリエとして安く貸しているそうだ。Rucheは蜜蜂の巣である。美術館付属のレストランPalleteは、こういうレストランの常とは異なり、大変美味である。

長坂駅と、もう一つ甲府寄りの同じく長坂町の日野春駅との間には10kmの自然観察歩道が設置されている。長坂駅前の店舗兼観光案内所で聞きパンフレットを持って出るとよい。道標はしっかりしているが、高低差が激しい強脚向きでヤブコキに近い草むらもあり、山支度が望ましい。店はおろかトイレもない。「自然の中に生きる植物・生物が居ますが、ここは彼らの世界ですからあまり邪魔しないで下さい」というインストラクションである。この自然観察歩道の目玉は、梅雨の後期から7月一杯にかけて見られる国蝶「オオムラサキ」である。雄の羽の表の中央が青紫に白い斑点という華麗な蝶である。雌も同じだが紫部分の光沢に欠ける。幼虫はエノキの葉を食べ、成虫は(花の蜜ではなく)クヌギの樹液を吸う。JR中央線の西に平行して大深沢川の谷がある。川の左岸(中央線側)の斜面はクヌギの林で、川に近い所では季節にはオオムラサキの乱舞が見られる。自然観察歩道は草ボウボウの急坂を下って川に至る。現代文明にスポイルされた人は、車またはバスで長坂駅から清春白樺美術館に向かい、谷の最低部で大深沢川を渡った直後に下車し、古びた深沢温泉の看板があるJeep道を1kmほど進み、川縁の鄙びた深沢温泉の近くにある小さな深沢橋で頑張るとオオムラサキに出会える。であろう。

自然観察歩道の他の部分にもクヌギは多く、オオムラサキが飛んでいる。「オオムラサキの森」というのもあるが、「オオムラサキの生息を願って植生している」そうだ。どうしても見られない場合は、オオムラサキセンターに行くしかない。中央自動車道須玉ICで下りて一旦清里に向かい中央自動車道をくぐった直後に左折してまた中央自動車道をくぐり、「小淵沢」への道標を頼りに南西の山(七里岩)の上に上ると、七里岩ライン県道17号線に出る。中央線日野春駅から1kmほど西行すると道は中央線を越える陸橋を渡る。この陸橋右前方にオオムラサキセンターがある。国蝶に指定されたオオムラサキの形をした展示館があり、裏手にある金網で囲った一角では「籠の蝶」が7月中見られる。但し撮影角度が難しい美人のような蝶で、なかなか美しい姿を撮影させてくれない。クヌギが園内には沢山あり、季節には自然のオオムラサキが飛んでくる。

長坂駅から清春白樺美術館近くを経て甲州街道国道20号線に出ると、白州町の旧甲州街道の台ケ原宿に至る。国道20号線を西行する人は「台ケ原下」の交差点から右(北東)に折れて旧道に入る。特に宿場町の町並みが保存されている訳ではないが雰囲気がある。長坂駅への道との丁字路に七賢人という造酒屋がある。「七賢」というブランドの酒を出している大手である。150円払えば利き酒ができる。その昔明治天皇が宿泊された部屋も頼めば案内してくれる。名水が自慢で、無料で水を持ち帰れるようにビンまで用意されている。七賢人の斜め向かいに、信玄餅の本舗の一つである金精軒という銘菓店があり、信玄餅の他にも酒粕入りカステラ、餡子だけのキンツバなどユニークなお菓子が多い。

武川村の神代桜が有名である。日本最古の桜を称するエドヒガンザクラの古木である。年齢を重ねて自信が揺らいできた年代の人がこの木の若々しい花を見れば何をか感じること請け合いである。日本武尊お手植えの伝説まである。年によって4月早々開花の年もあり中旬になる場合もある。中央高速須玉ICで下りて、清里の方向に進み、中央高速の北側に出てすぐ左折して中央高速の南側に向かう。トンネルで一山越え甲州街道20号線を直角に過ぎてまた山に入った実相寺というお寺の境内にある。なお20号線を諏訪に向かって行き、大武川の鉄橋を渡ってすぐ舞鶴の松という看板に注意して左折し、山側に入っていくと、お寺の境内に日本百名木の傘型が見事な松の大木がある。更に8 kmほど諏訪方面に進んだ所、逆に小淵沢ICから20号線に出た所の境橋から5 kmほど甲府方面に行けば、甘党と辛党の天国がある。20号線沿いに大きなウィスキーの蒸留塔が立っているので見過ごす心配がないのがサントリー白州工場とウィスキー博物館で、工場見学や試飲ができる。その南東(甲府寄り)にお菓子のシャトレーゼ白州工場があり、工場見学ができ、氷菓子が食べ放題である。入り口はやや分かり難く、20号線の「前沢上」信号機の山側(甲府から行けば左側)に小さな看板がある専用道を西に入る。両工場とも駒ヶ岳の花崗岩が砕けた白い山砂(白州)で濾過された名水を頼りにしている。

蓼科三井の森

八ヶ岳三井の森を分家とすれば、蓼科三井の森は本家でずっと規模も大きい。両者を八ヶ岳横断道路が直結するはずで、道も既にあるのだが、茅野市が舗装してくれないので滅多に通ることができないでこぼこの砂利道になっている。おかげで少し麓を迂回しないと行けない。

蓼科三井の森の目玉は竜神池と山側に伸びる自然歩道の木道である。四季それぞれに美しい。遅い春には池の周りは桜と若葉が美しく、自然歩道の林の中には4月初めに座禅草、4月20日前後には三井の森が北海道から移植したという水芭蕉が咲く。夏は緑濃い別天地となり、秋には黄金色の唐松の黄葉が池面に映え、池の周りには胡桃(くるみ)と山栗が落ちる。胡桃は(手が黒くなるから靴底とゴム手袋で)果肉を捨てて核だけを持ち帰り、水洗して真っ黒い灰汁を落としてから1週間乾燥させた上で槌で割る。冬には池面は凍り雪が積もる。雪を頂く峰々と調和して美しい。鴨が薄氷を掻き分けて泳ぐようになると春である。池を眺める位置に高級仏レストラン竜神亭がある。

竜神池のすぐ北を通る道を東(山側)に行けば、「ハーモニーの家」という可愛らしいコンサートホールがあり、夏には有名な音楽家が避暑をかねてやってくる。その東側にはポニー牧場があり、子供を乗せて一周してくれる。更に東に進み四つ角を越えて行けば、ハーブの店 Herbal Noteがある。その東にはテニスコートがある。

蓼科三井の森のメイン道路をどこまでも登ると舗装が途切れてジャリ道となる。ジャリ道を 4 km上ると唐沢鉱泉に至る。9.7℃の硫黄鉱泉を沸かした風呂に \ 1,000で入れてくれる。正に山の中の秘湯である。

蓼科三井の森のすぐ西(下)側に、尖石(とがりいし)遺跡と考古館がある。尖石遺跡そのものは尖った岩があるだけでよく分からない存在である。信仰の対象であったとか刃物を研いだ跡だとかいう。考古館は「縄文のビーナス像」で有名である。国宝に指定された縄文時代の女性の土偶で、ミロのビーナスよりエネルギーがある。八ヶ岳山麓は縄文時代の人口集中地帯だったようで遺跡が沢山ある。その関連の展示が充実している。考古館の裏には復元した竪穴住居がある。2000年にここに温泉が出て縄文の湯と名付けられた。

尖石考古館から蓼科三井の森を縦断する道路を東(山側)に行くと、広見の四つ角を過ぎて更に上の右側にペンション群がある。その一つ Adlibはダークダックスのマンガさんの経営と聞く。更に上ると右側に駐車場と商店街がある。名の通った高級レストランがいくつかある。東端にはクリーニング屋とコンビニ的な日用品の店があり、西端の2つの店は同じ経営で少し雰囲気の違う輸入雑貨店になっている。

尖石考古館から茅野に向かって西に下ると、最初の主要な四つ角が南大塩の交差点である。それを左折して 1 km南行すると四つ角があり、右に神社があり、面して酒屋さんがある。ここには地酒や地ワインが豊富で、地下のワインセラーに入ってワイン選びをするのも面白い。

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