SYSTEMA by MITO YUKO
システムとしての鉄道
- 安全と定時性をどうとらえるか? -
( 2006.3 )
首都圏私鉄さん主催 講演会 にて
◇ 鉄道システムは定時運転をしているときが最もシンプルだ。
鉄道事業者にとってはその運行形態が最も扱いやすく、最も安全で、
最も多くの輸送力が確保でき、乗客にとってもそこそこ満足のゆく状態になる。
だからこそ 日本の鉄道は、定時運転に とことんこだわり続けてきた。
すべての職場が、それぞれにきちんと仕事をすれば、それだけで
「安全・正確・迅速」な鉄道を実現できるような仕組みを、
長い年月を掛けてつくりあげてきたのである。
◇ ところがひとたびトラブルが起き、大きなダイヤの乱れが生じると、
その収束にも、安全の確保にも、大きな負荷が掛かるのが、日本の
とりわけ 大都市の鉄道の特徴である。
日本社会の新たな変化に対応しながら、鉄道がこれからも高い安全性を確保し、
社会において機能し続けるためには、システム技術の革新に加えて、
コミュニケーション技術の獲得が必要だ。
◇ 鉄道に働く人々が、外の世界との関わりをもっと強く意識し、
もっと広い文脈の中で自分たちの仕事を位置付けることによって、
社会の鉄道への理解を呼び込み、鉄道と社会の良好な関係を再び築いてゆく。
定時性だけでなく、安全もいまや社会と共につくりあげてゆく段階にきている。
● 巨大システムとしての鉄道
● 「安全、正確、迅速」な鉄道は、なぜ生まれたか?
● システムのプレーヤーとしての乗客
● 肝心なのは鉄道の「機能」と「信頼」
● 「ブラックボックス」と映る鉄道システム
● 安全にも社会が一枚噛んでいる
● 「社内表彰」よりも「お客様からの拍手」
● 「話しかけたくなるような鉄道」へ向けて
※参考 ・『定刻発車』(交通新聞社 2001、新潮文庫 2005)
・「真の顧客志向を追求した運行管理の新しい形」(JRガゼット 2002.8)
・「2分の遅れをなぜ謝るのか?」(鉄道ジャーナル 2006.1)
・「安全の仕組みがなぜ活きないのか?」(土木学会誌 2006.3)
・ 三戸ホームページ http://club.pep.ne.jp/~mito.yuko/
(いずれも三戸祐子)
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