SYSTEMA by MITO YUKO
お知らせコラム < 2004 - 2006 >
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< 巨大で見えないシステムの話> (2004.8)
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◇ ポツポツと連載を始めています。
テーマは「巨大で見えないシステムの話」。
巨大システムに関することなら何でもいいという
ありがたくも、しんどい連載で、月1回。
12回までやる予定で、すでに2回目までが発売されています。
歴史あり、文化あり、数式あり。毎回、ゼロから考えて
書いています。
◇ 媒体は実務教育出版「受験ジャーナル」。
2004年 8月号 からの連載です。
未来の公務員を目指して勉強されている若い方向けの
雑誌ですので、社会人の方はあまり手にする機会は
ないかと思いますが、この雑誌なんでも1年ほどは書店に
置かれるんだそうです。
◇ 書店で見かけたら、覗いてみてやってください。
「受験ジャーナル」の購入方法、バックナンバーについては、
実務教育出版ホームページから http://www.jitsumu.co.jp/
同社バックナンバーのページから
http://www.jitsumu.co.jp/gokaku_navi/journal/backnumber/index.html
詳細情報を見ると、既発分のテーマもわかります。
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< 安全の仕組みがなぜ活きないのか? > (2006.4)
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◇ 安全の仕組みをつくる技術がないわけではない。経済が停滞して
部品を買ったり、設備投資をするお金がないわけでもない。
世界的に見ても、高い教育水準と社会の安定がある
にもかかわらず、大勢の死傷者を出す事故や大惨事一歩手前の
トラブルが続出するのは、なぜなのか? ということで、
「土木学会誌」2006年3月号 に記事を書きました。
「 安全の仕組みがなぜ活きないのか?
− 鉄道システム設計の特性と事故− 」
です。
◇ 「鉄道の安全システムを問い直す」という特集の中の記事ですので、
鉄道をからめて書いてありますが、航空から金融、建築まで、
最近の巨大システム関連のトラブルを念頭に置いています。
◇ 大事故の原因は常に複合的です。 が、あえて一つだけ
あげるならば、巨大システムの振る舞いについての
人間の直感とのズレ。
「最近の若いモンはどうも・・・」などと言いはじめる以前に、
このズレの問題だけは ゛国民的゛に押さえておかないと、
苦労してつくった立派な安全の仕組みも、
念の入った規則やマニュアルの体系も活きてこない
という話です。
◇ 土木学会誌については、土木学会さんのホームページ
http://www.jsce.or.jp/index.htm から入ると
目次や問合せ先などわかります。
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<2分の遅れをなぜ謝るのか?> (2006.4)
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◇ 外国の鉄道会社の方が日本を訪れて一番ビックリするのが、
駅員さんが5分の遅れをも謝っていること。
が、そんなことで驚いてはいけない。
「列車2分遅れで出発いたします。お急ぎのところ
ご迷惑をおかけして大変に申し訳ありません」
という車内アナウンス。大都市圏の鉄道利用者なら
何度も聞いたことがあるだろう。
◇ あまりにナチュラルに放送されるので、「どうして?」とは
深く考えることがないこの問題。 突っかかってみました。
2006年1月号の「鉄道ジャーナル」誌です。
[関連項目] ・システムとしての鉄道
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< 大人の中の子ども > (2004.8)
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◇ 昨年に引き続き、
今年も市民講座で講師を担当させていただきました。
テーマは「日本の鉄道はなぜ正確か? - 鉄道から日本を探る-」
で、連続5回。 鉄道の話から、システムの話、
日本文化や情報ネットワーク社会の話など、
いろいろとりまぜて、お話させていただきました。
参加されたのは、60歳以上の男女 約 9 0 名。
例によって鉄道の定時運転の話もするのですが、
それが大変にご熱心なのです。
実のところ、鉄道関係の方より、熱心に聴いておられる
と言ってもいい状態なのです。
◇ うれしい読み違えですが、
よく考えてみると、こういうことは、日常的に、
どこの世界でも起こり得ることなのかもしれません。
誰でも、自分の専門に関する事柄では、
知っているのが当たり前、
いまさら何を、という意識がどこかにあります。
ところが、異分野のことは「知らないのが当たり前」なのですから、
もう気分は子どもです。雑念も偏見もなく、
物事に接することができるわけです。
よく 「若いころは、箸が転げてもおかしい」 といいますが、
あれと、少し似た感覚があるのかもしれません。
◇ 20世紀は分業と専門家の時代であり、巨大システムの時代でした。
人は専門を持つことによって、はじめて存在意義が
認められるという世の中だったのだと思います。
ですが、考えてみると、人間というのは生まれてきたときから
もう立派に存在意義がある。 それがほんとうのはずです。
◇ ですから、専門はなくても、誰も 別に不安にならない、
生まれてきただけで、立派に大手を振って生きられる、
そんな世の中になったら、人と人とのコミュニケーションも、
もっと自然なものになれるし、人間がもっと幸せに暮らせる。
そのはずです。
「また、夢のようなことを・・・」と思うかもしれません。
が、実際に起き得ることではないでしょうか。
◇ もしも、この複雑な世の中にあっても、
自分がいまいる位置がはっきりと見えていたら・・・、
会社や組織の一部門に働く一専門家としてではなく、
もっと広い世の中に生きる人間としての自分の役割が
見えていたらどうでしょう。
専門がなくても、人は自信を持って生きられる。
なにも怖いことはないのではないでしょうか ?
◇ もう二十年ぐらい前になると思いますが、
故 林家正蔵 (彦六)さんが、独特の口調で
テレビカメラに向かって、ポツリポツリと話されているのを
わたくし、たまたま聞いておりました。( NHKの特別番組でした。)
曰く、
「世の中 見えていれば、
怖いものなんて ありゃあしませんよ」。
飄々とした中にも強さのあるこの言葉。
好きですねえ。 もう、座右の銘かもしれません。
[関連項目] ・巨大で見えないシステムの話
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< もう一つの ゛ジャスト・イン・タイム ゛> (2006.4)
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◇ 日本の鉄道はなぜ正確なのか? ということを外国の方にも
わかりやすく。ということで英文の記事があります。
Another "Just In Time" -- Japanese Significance
1. Corporate Culture as Strong Driving Force for Punctuality
2. Evolutions in Japanese On-time Service
日立製作所さんの海外向け鉄道技術のホームページ
Hitachi- Rail.com http://www.hitachi-rail.com/
を開き、Hitachi- Rail Now の column をクリックすると、
出てきます。
英文ですが、よろしかったら。
[関連項目] ENGLISH
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< 講演のレジメから > (2006.6)
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◇ 講演のタイトルというものは、多勢のお出でを願うために
つけることが多いので、必ずしも正確に内容を反映
しているわけではありません。
わたしの場合、話の内容は聴いていただく方の関心に応じて
オーダーメイドで用意させていただいていますが、
そのときどきのご来場の反応、さらには
こちらの意識の流れに応じて、どんどん変化してゆきます。
つまるところ、講演はライブ。
「生き物」としての性格を、話す側も聴く側も
強く感じ取れるのが、面白さではないでしょうか。
◇ 巨大システムにも通じるこの面白さ、
感じていただくには、講演会場にお越しいただくのが
一番ですが、いわゆる ゛公演 ゛ではありませんので、
前売りチケットは売っていません。
ということで、レジメをいくつか
アップしてみました。
◇ だいたい、こんな感じ・・・です。
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< ラジオほっとタイム 「ビュッフェ131」 > ( 2006.5 )
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◇ この4月から、NHK のラジオ第一放送の午後の番組
「ラジオほっとタイム」の中に、
「ビュッフェ131」という新コーナーができました。
ビュッフェとはすなわち食堂車。
ゴトッ、ゴトッ という音が懐かしい食堂車は
いまの日本ではほとんど姿を消してしまいました。
◇ 背後には、゛列車のスピードアップによる到達時分の短縮゛
( つまり、すぐ着いてしまうので食べる暇がない! ) がありますが、
そんな忙しい世の中だからこそ、想像の世界にはせめて
゛幻のビュッフェ゛を再現させようという趣向です。
゛旅のお客様゛に見立てられたゲストが毎回、
得意の話題を持ち寄って ゛乗車゛し、
ひとしきりしゃべっては、 ゛降り゛てゆく。
◇ わたしも、水曜日の午後4時半頃から放送する
「鉄道ミニ情報コーナー」にときどきお邪魔しています。
鉄道システムにまつわる あれこれを ワンポイント(4-5分)で
話して立ち去る ゛不思議な旅人゛役です。
NHK の131スタジオから放送するから「ビュッフェ131」。
音楽もよいので、手を動かす仕事をされているとき
にでも どうぞ。
午後4時台からの放送です。
「ラジオほっとタイム」はこちらから。
http://www.nhk.or.jp/radiodir/hot/
みと
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