大久保っちのちっちゃな研究室〜 ハーバーフェルトトライベン (Haberfeldtreiben)の世界 〜燕麦畑の狩人たち〜
 



ハーバーフェルトトライベン


(Harberfeldtreiben)の特徴


ハーバーフェルトトライベン(Harberfeldtreiben)の特徴

 
ここではハーバーヘルトトライベン(Haberfeldtreiben)の特徴について簡単に説明したいと思います。

(1)バーバーラー(Haberer)とハーバーラー同盟(Habererbund)

 ハーバーフェルトトライベンの舞台となる地域はイザール(Izar)とイン(Inn)の二つの河川に挟まれた地域におよそ限定される。この制裁行動の主体となるのは、その地域に住む若者たち(Burschen)で、ハーバーラー(Harberer)と呼ばれる。彼らはハーバーラー同盟(Habererbund)とよばれる秘密結社に属しており、入会の手続を経て、ハーバーラーとなる。彼らはある地区のハーバーフェルトトライベンに参加する時に、各地から集められ、その集団の中のリーダー(Fuhrer)に率いられ、全体の集合場所へと向かい、そこからハーバーフェルトトライベンをおこなう場所へと移った。ハーバーフェルトトライベンを行うにあたり、ハーバーラーマイスター(Haberermeister)またはハーバーフェルトマイスター(Haberfeldmeister)とよばれる人物が全体の部隊を統率し、指令を出した。

(2)ハーバーフェルトライベンにおける行動の特徴

 ハーバーフェルトトライベンでは、髭などで仮装したハーバーラーが、地区のリーダーに率いられ、制裁を行う地域の近くの集合場所に集合するが、その際に軽い飲食を伴うハーバーラーが集まった集合地では、食事などが提供され、ビールとソーセージとパンが振る舞われ、そのあとハーバーフェルトトライベンを行う場所に向かったのである。しかし、ハーバーフェルトトライベンをしかける地域のハーバーラーたちはそのハーバーフェルトトライベンには参加しなかった。疑いをかけられないようにして、見かけ上は自分たちもトライベンを受けているようにみせかけ、地区の人々をあざむいたのであった。

(3)点呼と詩の読み上げ

 ハーバーフェルトトライベンの時には集合した際に点呼が行われる。これは、架空の人物名の読み上げのであって、実名ではない。また、ハーバーフェルトトライベンは19世紀には小高い丘や山腹で行われることが多い。また、この中には朗読者がいて、制裁を加える相手の罪状について書いた詩(Habererverse)の読み上げ、その朗読の合間に時々騒音を伴う楽器を演奏したりもした。


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