大久保っちのちっちゃな研究室〜 ハーバーフェルトトライベン (Haberfeldtreiben)の世界 〜燕麦畑の狩人たち〜
 



ハーバーフェルトトライベン

(Haberfeldtreiben)の起源



ハーバーフェルトトライベン(Haberfeldtreiben)の起源


ここではハーバーヘルトトライベンの起源についての諸説について紹介したいと思います。

ハーバーフェルトトライベン(Haberfeldtreiben)の起源の諸説


 ハーバーフェルトトライベン(Haberfeldtreiben)の起源に関しては、カルテンシュタドラー(kaltenstadler)やシーダー(Schieder)が整理している内容を参考にするといい。ここでは、それを手がかりに代表的な説を簡単に紹介する。

 シュメラー(Schmeller)などが主張する一般的な説では、ハーバーフェルトトライベンという語がハーバーフェルト(Harberfeld、「燕麦畑」の意)トライベン(treiben、「狩る」又は「追う」の意)から来ていると考え、これは燕麦畑で性的不道徳をおかした人物をかりたてる行為が起源となっていると考えている。言語の変遷から起源を求める他の研究としては、ジムロック(Simrock)の説があり、彼はHarberは「雄山羊(hapar)」から派生したもので、feldは「毛皮(Fell)」から派生し、キリスト教信仰以前の多神教信仰の時代の遺物であると指摘している。また、ライストナー(Laistner)は、Harberは非難するという意味の’avaron、averen、afern’から派生したと考え、告発裁判(Rugegericht)がもととなっていると解釈している 。

 また、裁判所のようなものが起源であるとする説もある。ジェック(Jack)とダーン(Dahn)は、カロリング朝期のバイエルンの裁判所の構成の遺物に起源があると考え、クヴェリ(Queri)は1480年に創立された少年信徒団体(Budenbrudeschaft)にみられる制裁との共通性を見出し、これを起源と考えている。また、アドルマイヤー(Adlmaier)はスペイン継承戦争の時期に、敵方と内通していた人物を裁く夜の法廷との関連を指摘している 。

これに対しフィリップス(Phillips)は、カッツェンムジーク(Katzenmusik)との共通点を指摘しつつ、オーストリアの牛追いの風習にも共通のものを見出している。またツィパーラー(Zipperer)は、キリスト教以前の神・魔物の習俗から派生したものであると指摘している 。

 また、文学者でもあったパニッツァ(Panizza)は、トライベン(Treiben)という「狩る」行為に関して、収穫の時期にやっている嵐に伴ってやってくるヴォータンの「野蛮な狩り(?wilde Jagd“)」との関係を指摘している。


戻る
無断転載を禁じます。Copyright(C) Since 2007 Okubocchi Rights Reserved.